『ドラゴンクエストVI』で、チョコっとだけ創作小説
2010年02月06日
[ 創作小説 / 『ドラゴンクエストVI 幻の大地』(DS) ]
▼さぁ、行こう。目指すは大魔王デスタムーアの居城
◆DS:『ドラゴンクエストVI 幻の大地』

天馬に乗り、大魔王のいる”はざまの世界”へ。
そこは人々から大切なものが奪われた世界だった。
明日へ、そして未来へと生きるために必要となる「希望」。
自分を抑え、多くの仲間と暮らしていくために必要となる「自制心」。
自らの意思を保ち、夢を叶えるために必要となる「自由」。
それら全てを取り戻し
大魔王が作り上げた”理想の世界”を一つずつ元の状態へと戻していく僕達。
そして、遂に物語は最終決戦へ。
「ろうごくのまち」を後にした僕達は
西の岬へと赴き、真実のオーブを天にかかげる。
刹那、景色が輝いたと感じると同時に見知らぬ場所へと導かれていた。
辺りを確認していた僕の耳に、仲間達の声が飛び込んでくる。
「ついに決戦だな。ここまで来たら、もう後戻りはできねぇぜ」
「今までにない禍々しき気配を感じます。大胆さのなかにも、決して慎重さを失わないように」
「へぇ~ここが大魔王の住む世界なんだ。ちょっと怖いけど、あたしたちなら大丈夫だよね!」
ハッサン。
城の兵士へ志願した頃に知り合ったから、思えば長い付き合いになったな。
「お前一人じゃ心配だからな!」なんて言って付いてきてくれたんだっけ。
今では素晴らしい力と頼もしさを感じることが出来る仲間だ。
ミレーユ。
夢の世界で唯一僕達と接触することが可能だった存在。
彼女がいなければ、今の僕達は無かったような気がする。
彼女の冷静な判断力は、僕達を窮地から幾度と無く救ってくれた。
バーバラ。
記憶を失いながらも、持ち前の明るさまでは失っていなかった。
天真爛漫な性格なのに、時々核心を突く一言を呈したりして驚かされたな。
彼女の存在は、僕達全員に勇気を与えてくれたよ。
そして、今馬車の中にいるチャモロやテリー。
彼らの内、一人でも欠けていたら僕達が迎えている”今”は変わっていたかもしれない。
「どうした?物思いに耽(ふけ)るのは、大魔王を倒してからにしようぜ」
そうだな。振り返ることはいつでも出来る。
今は、やらなければいけないことに集中するとしよう。
気持ちを切り替えた僕は、皆に聞こえるように大きく息をすいこんだ。
「よし!それじゃ、みんな…」
「大魔王の城へ、レッツゴー!」
言葉を言い終えない内に、バーバラの声が響いた。
「その言葉は、彼に譲ってあげなさいよ。フフ」
「えーだって、一度言ってみたかったんだもん。ごめんね?」
ミレーユの嗜(たしな)めに、ぺろっと舌を出しながら答えるバーバラ。
「ハハハ」
あまりにも、いつも通りの彼女達に思わず笑ってしまった。
これから大魔王との決戦を迎えようとしているのに
微塵の硬さも感じられないことに一種の頼もしささえ感じてしまう。
そうだ、これでいい。
僕達は僕達の信じる道を僕達らしく歩んできた。
そして、これからもその道を歩んでいけばいい。
眼前に広がる道は険しいのかもしれない。
弱音を吐きそうになったり、挫けそうになってしまうかもしれない。
それでも、僕達は最後まで歩き続けられると思う。
大魔王に世界を支配されようとしている世界で見つけたとびっきりのお宝。
”かけがえの無い仲間”という宝が、僕達の行く道を明るく照らし続けてくれているのだから。
……。
と、いうわけで。
プレイ時間32時間にして、ようやくデスタムーアの城へと向かうところでございます。
いよいよ、ドラクエVIもクライマックスですね。
このまま、最後まで走り続けるぜ!
(いまだにパーティーに勇者はいませんけども…)
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▼さぁ、行こう。目指すは大魔王デスタムーアの居城
◆DS:『ドラゴンクエストVI 幻の大地』

天馬に乗り、大魔王のいる”はざまの世界”へ。
そこは人々から大切なものが奪われた世界だった。
明日へ、そして未来へと生きるために必要となる「希望」。
自分を抑え、多くの仲間と暮らしていくために必要となる「自制心」。
自らの意思を保ち、夢を叶えるために必要となる「自由」。
それら全てを取り戻し
大魔王が作り上げた”理想の世界”を一つずつ元の状態へと戻していく僕達。
そして、遂に物語は最終決戦へ。
「ろうごくのまち」を後にした僕達は
西の岬へと赴き、真実のオーブを天にかかげる。
刹那、景色が輝いたと感じると同時に見知らぬ場所へと導かれていた。
辺りを確認していた僕の耳に、仲間達の声が飛び込んでくる。
「ついに決戦だな。ここまで来たら、もう後戻りはできねぇぜ」
「今までにない禍々しき気配を感じます。大胆さのなかにも、決して慎重さを失わないように」
「へぇ~ここが大魔王の住む世界なんだ。ちょっと怖いけど、あたしたちなら大丈夫だよね!」
ハッサン。
城の兵士へ志願した頃に知り合ったから、思えば長い付き合いになったな。
「お前一人じゃ心配だからな!」なんて言って付いてきてくれたんだっけ。
今では素晴らしい力と頼もしさを感じることが出来る仲間だ。
ミレーユ。
夢の世界で唯一僕達と接触することが可能だった存在。
彼女がいなければ、今の僕達は無かったような気がする。
彼女の冷静な判断力は、僕達を窮地から幾度と無く救ってくれた。
バーバラ。
記憶を失いながらも、持ち前の明るさまでは失っていなかった。
天真爛漫な性格なのに、時々核心を突く一言を呈したりして驚かされたな。
彼女の存在は、僕達全員に勇気を与えてくれたよ。
そして、今馬車の中にいるチャモロやテリー。
彼らの内、一人でも欠けていたら僕達が迎えている”今”は変わっていたかもしれない。
「どうした?物思いに耽(ふけ)るのは、大魔王を倒してからにしようぜ」
そうだな。振り返ることはいつでも出来る。
今は、やらなければいけないことに集中するとしよう。
気持ちを切り替えた僕は、皆に聞こえるように大きく息をすいこんだ。
「よし!それじゃ、みんな…」
「大魔王の城へ、レッツゴー!」
言葉を言い終えない内に、バーバラの声が響いた。
「その言葉は、彼に譲ってあげなさいよ。フフ」
「えーだって、一度言ってみたかったんだもん。ごめんね?」
ミレーユの嗜(たしな)めに、ぺろっと舌を出しながら答えるバーバラ。
「ハハハ」
あまりにも、いつも通りの彼女達に思わず笑ってしまった。
これから大魔王との決戦を迎えようとしているのに
微塵の硬さも感じられないことに一種の頼もしささえ感じてしまう。
そうだ、これでいい。
僕達は僕達の信じる道を僕達らしく歩んできた。
そして、これからもその道を歩んでいけばいい。
眼前に広がる道は険しいのかもしれない。
弱音を吐きそうになったり、挫けそうになってしまうかもしれない。
それでも、僕達は最後まで歩き続けられると思う。
大魔王に世界を支配されようとしている世界で見つけたとびっきりのお宝。
”かけがえの無い仲間”という宝が、僕達の行く道を明るく照らし続けてくれているのだから。
……。
と、いうわけで。
プレイ時間32時間にして、ようやくデスタムーアの城へと向かうところでございます。
いよいよ、ドラクエVIもクライマックスですね。
このまま、最後まで走り続けるぜ!
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タグ :ドラゴンクエストVI 幻の大地
『モンスターハンター』で創作小説
2009年05月05日
[ 創作小説 / モンスターハンター ]
■ハンターにとって大切なこと

「それで、そいつはどんな奴だったんだ?焦らさずに早く教えろよ」
カウンターに腰かけた男が急かすような声で言う。
問いかけられたのは、洗い終えたグラスを拭いているマスターである。
ここは、男女を問わず多くのハンター達が集い愛してやまない酒場『オアシス』。
オアシスという名は、日頃からモンスターとの戦いを続けていくお客に対して
身体だけではなく心にも休息を与えたいという
マスターの願いから付けられたものである。
その由来については、常連の客でさえ知る者は少なく
余計な考えは持たなくて良いという考えを持つマスターも
それで良いと思っている。
多くのハンター達を見てきたマスターであったが
その中でも特に忘れられないハンターが幾人かいる。
今回話題に挙がっているハンターもその内の一人である。
「いやぁ、何から話せば良いものやら。凄いとしか言いようがないんですよ。
皆さんが使っていらっしゃる武器。この扱いもそりゃもう……」
片手剣、大剣、ハンマー、ボウガン。
ハンター達が使用する武器は、この世界に数多く存在している。
対象となるモンスターに応じて使い分けることが一人前のハンターへの第一歩なのだが
一つの武器を極めることでさえ困難なことであることは
この世界を生きる者にとって承知の事実である。
にも関わらず、この話題に上っているハンターは全て使いこなしていたというのである。
「特にボウガンの使い方は天下無双の腕を誇っておりましてね。
彼に狙われたモンスターは、どんなに遠くにいようとも、どれだけ早く逃げようとも
かならず捕らえられてしまうんですよ」
「へぇ。嘘のような話だけど、あんたが言うんだから本当のことなんだろうな」
まるで自分のことを自慢するように、瞳を輝かせて話すマスター。
酒に良い、ほろ酔い気分になっていたハンターも、嬉しそうに相槌を打っていた。
マスターの話は更に続き、ある話題を掲げようとしていた時のことである。
「それでですね、私が一番印象に残っているのは彼の口癖ですよ。
これがまた人々の心に響くんですよ」
「へーぇ、どんな口癖だったのかしら?」
いつの間にやらマスターの周りを多くのハンター達が取り囲んでいた。
その内の一人である女性ハンターが聞き返した時だ。
酒場の扉が壊れるかと思われるほどの勢いで開き
一人の青年が飛び込んできた。
「た、大変だ!アカムトルムが、アカムトルムが現れやがった!」
---アカムトルム。
強固な鱗と強大なる力を持つ飛竜種の中でも上位クラスの実力を持つ。
その力を恐れ、あるいは称え『覇竜』と呼ぶ者も多い。
賑やかだった酒場は水を打ったように静まり返った。
「ここにいるハンターが束になっても勝てやしない」
その光景は、場に居合わせた多くの者が同じ思いを抱いたことを証明していた。
ただ一名を除いて。
フードで顔を覆っているハンターと思わしき人物がグラスを置き口を開く。
「アカムトルム、ね。相手にとって不足はないか。
じゃあ、ちょっくら出かけてきますかね」
冗談かと思われるほどの軽口に反応したのは周りのハンター達だ。
大剣を背負った男が、皆の気持ちを代表してフードの男の肩に手をかける。
「おいおい、正気か?命が惜しくないのか?
相手はあのアカムトルムだぞ?」
当然の疑問。誰もがそう思った。
しかし、フードの男は不敵な笑みを浮かべて答えた。
「出来るか出来ないか、それは些細な事だ。
大事なのはやるかやらないか。
ハンターにとって大切なのは、その心持ちなのさ」
答ながら右手で作った拳を胸へ軽く叩きつけた。
そして、足元に置いてあったボウガンを肩にのせた男は
扉をゆっくりと開いたあと、ゆったりとした足取りで外へと歩を進めた。
その悠然たる姿に呆然としていたハンター達であったが
ようやく一人の男が口を開く。
「……あいつ、死んだな」
その一言に、言葉でまたはジェスチャーで同意を示す者達。
しかし、酒場のマスターだけは違っていたようだ。
「いや、無事に帰ってくるんじゃないかな」
マスターの言葉を不可解だという顔で見つめるハンター達であったが
マスターには確信に近い思いが芽生えていた。
フードの中にある顔こそ見えなかったけれども
彼が発した言葉こそ、かつてマスターが聞いた口癖そのものだったからだ。
そして、数刻の時を経てマスターの言葉は真実のものとなる。
酒場にて男の帰りを待っていた者達は、用意された酒にではなく
”かつて伝説のハンターと呼ばれた男の新たなる武勇伝”に
酔いしれることになるのだが、それはまた別のお話。
▼おわりに
モンハンGをプレイしていたら、ふと浮かんできたお話に少し味付けして書いてみました。
モンハンには酒場なんてないし、完全な妄想なんですけど
創作小説ってことで「こんな情景も、もしかしたらあるのかも?」
くらいに考えていただければ幸い。 *ちなみにアカムトルムはモンハンGには出ません
ゲームのほうは、☆3つで止まっております。
オンラインでご一緒される方、足を引っ張ると思いますが覚悟しとけよ、このやろう!
…嘘です。
仲良くしてやってください。
お願いします。なにとぞ、なにとぞ。
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■ハンターにとって大切なこと

「それで、そいつはどんな奴だったんだ?焦らさずに早く教えろよ」
カウンターに腰かけた男が急かすような声で言う。
問いかけられたのは、洗い終えたグラスを拭いているマスターである。
ここは、男女を問わず多くのハンター達が集い愛してやまない酒場『オアシス』。
オアシスという名は、日頃からモンスターとの戦いを続けていくお客に対して
身体だけではなく心にも休息を与えたいという
マスターの願いから付けられたものである。
その由来については、常連の客でさえ知る者は少なく
余計な考えは持たなくて良いという考えを持つマスターも
それで良いと思っている。
多くのハンター達を見てきたマスターであったが
その中でも特に忘れられないハンターが幾人かいる。
今回話題に挙がっているハンターもその内の一人である。
「いやぁ、何から話せば良いものやら。凄いとしか言いようがないんですよ。
皆さんが使っていらっしゃる武器。この扱いもそりゃもう……」
片手剣、大剣、ハンマー、ボウガン。
ハンター達が使用する武器は、この世界に数多く存在している。
対象となるモンスターに応じて使い分けることが一人前のハンターへの第一歩なのだが
一つの武器を極めることでさえ困難なことであることは
この世界を生きる者にとって承知の事実である。
にも関わらず、この話題に上っているハンターは全て使いこなしていたというのである。
「特にボウガンの使い方は天下無双の腕を誇っておりましてね。
彼に狙われたモンスターは、どんなに遠くにいようとも、どれだけ早く逃げようとも
かならず捕らえられてしまうんですよ」
「へぇ。嘘のような話だけど、あんたが言うんだから本当のことなんだろうな」
まるで自分のことを自慢するように、瞳を輝かせて話すマスター。
酒に良い、ほろ酔い気分になっていたハンターも、嬉しそうに相槌を打っていた。
マスターの話は更に続き、ある話題を掲げようとしていた時のことである。
「それでですね、私が一番印象に残っているのは彼の口癖ですよ。
これがまた人々の心に響くんですよ」
「へーぇ、どんな口癖だったのかしら?」
いつの間にやらマスターの周りを多くのハンター達が取り囲んでいた。
その内の一人である女性ハンターが聞き返した時だ。
酒場の扉が壊れるかと思われるほどの勢いで開き
一人の青年が飛び込んできた。
「た、大変だ!アカムトルムが、アカムトルムが現れやがった!」
---アカムトルム。
強固な鱗と強大なる力を持つ飛竜種の中でも上位クラスの実力を持つ。
その力を恐れ、あるいは称え『覇竜』と呼ぶ者も多い。
賑やかだった酒場は水を打ったように静まり返った。
「ここにいるハンターが束になっても勝てやしない」
その光景は、場に居合わせた多くの者が同じ思いを抱いたことを証明していた。
ただ一名を除いて。
フードで顔を覆っているハンターと思わしき人物がグラスを置き口を開く。
「アカムトルム、ね。相手にとって不足はないか。
じゃあ、ちょっくら出かけてきますかね」
冗談かと思われるほどの軽口に反応したのは周りのハンター達だ。
大剣を背負った男が、皆の気持ちを代表してフードの男の肩に手をかける。
「おいおい、正気か?命が惜しくないのか?
相手はあのアカムトルムだぞ?」
当然の疑問。誰もがそう思った。
しかし、フードの男は不敵な笑みを浮かべて答えた。
「出来るか出来ないか、それは些細な事だ。
大事なのはやるかやらないか。
ハンターにとって大切なのは、その心持ちなのさ」
答ながら右手で作った拳を胸へ軽く叩きつけた。
そして、足元に置いてあったボウガンを肩にのせた男は
扉をゆっくりと開いたあと、ゆったりとした足取りで外へと歩を進めた。
その悠然たる姿に呆然としていたハンター達であったが
ようやく一人の男が口を開く。
「……あいつ、死んだな」
その一言に、言葉でまたはジェスチャーで同意を示す者達。
しかし、酒場のマスターだけは違っていたようだ。
「いや、無事に帰ってくるんじゃないかな」
マスターの言葉を不可解だという顔で見つめるハンター達であったが
マスターには確信に近い思いが芽生えていた。
フードの中にある顔こそ見えなかったけれども
彼が発した言葉こそ、かつてマスターが聞いた口癖そのものだったからだ。
そして、数刻の時を経てマスターの言葉は真実のものとなる。
酒場にて男の帰りを待っていた者達は、用意された酒にではなく
”かつて伝説のハンターと呼ばれた男の新たなる武勇伝”に
酔いしれることになるのだが、それはまた別のお話。
▼おわりに
モンハンGをプレイしていたら、ふと浮かんできたお話に少し味付けして書いてみました。
モンハンには酒場なんてないし、完全な妄想なんですけど
創作小説ってことで「こんな情景も、もしかしたらあるのかも?」
くらいに考えていただければ幸い。 *ちなみにアカムトルムはモンハンGには出ません
ゲームのほうは、☆3つで止まっております。
オンラインでご一緒される方、足を引っ張ると思いますが覚悟しとけよ、このやろう!
…嘘です。
仲良くしてやってください。
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『世界樹の迷宮』で創作小説
2008年12月29日
12月最後の月曜日。
師走も終わりを迎えようとしておりますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
本日は、昔ちょこっと書いてみた『世界樹の迷宮』の創作小説をアップ。
…ええ、ネタが見つからなかったのですよ。
今回、小説の舞台となるのはアトラスが贈る骨太RPG。
タッチペンを使った”自分でマッピング出来る”というのが大きな特徴。
「最近のRPGはぬるすぎる」という貴方、是非プレイをオススメします。
ではでは、お時間のある方はどうぞ。
■創作小説
【君は選択しなければならない】
――――――――――――――――――――――
深き樹海に総ては沈んだ…。
罪なき者は、偽りの大地に残され
罪持つ者は、樹海の底に溺れ
罪深き者は、緑の闇に姿を消した。
人の子が失ったのは大いなる力
新世界が失ったのは母なる大地
真実は失われた大地と共に
深淵の玉座でただ一人
呪われた王だけが知っている。
――――――――――――――――――――――
この世界にはひとつの迷宮が存在する。
誰が言い出したのか分からない。なぜそう呼ばれるのかも分からない。
ただ、その迷宮を讃え、あるいは畏れ、人々はこう呼ぶ。
――『世界樹の迷宮』と
ここはエトリアの街。
世界樹の迷宮を目指した冒険者達が集まる街だ。
この街を訪れた君もそんな冒険者のひとり。
ただあても無く街に辿りついた冒険者のひとりだ。
エトリアに訪れたことが必然だったのか、偶然だったのか。
それは、これからの君の行動次第で決まるのかもしれない。
街に訪れてから半刻ほどが過ぎただろうか。
街の中央広場に出た君は、大きな建物にかかった看板を見つける。
【執政院ラーダ】
建物内では、冒険者を募った集会が開かれているようだ。
冒険者達の熱気に圧倒されながらも、君は歩を進める。
「ようこそ、執政院へ」
中世の鎧で全身を固めた男が君へ話しかけてくる。
「我々、執政院は『世界樹の迷宮』の探索をおこなっている。
迷宮内に生息する生物、生成される鉱物などの調査が主な仕事だ」
おそらく、自分達の行動に誇りをもっているのだろう。
彼の言葉からは強い主張と気品が伝わってくる。
鎧の男は言葉を続ける。
「君も『世界樹の迷宮』の探索をしてみないか?」
探究心が強い君は、男の言葉にうなずく。
今思えば、この時から君の運命は動き出していたのだ。
「そうか!やってくれるか!」
一際大きな声を出した男は、続けて君に話しかける。
「こちらから誘っておいて申し訳ないが、探索をおこなう者には条件がある。
詳しくは迷宮の入り口にいる兵士に話を聞いてくれ」
話を聞き終えた君は出口へと向かう。
そんな君の後姿を見ていた男が言葉を付け足す。
「迷宮の探索をおこないたいのなら、まず仲間を見つけることだ。
信頼しあえる仲間がいれば、どんな困難も乗り越えていけるはずだ。
まずは冒険者ギルドへ行き、仲間を探すといい」
執政院を後にした君は、冒険者ギルドを訪れた。
ギルドの中には君と同じくらいの年の新人もいるようだ。
部屋の隅では名の知れた冒険者も窓の外を見つめている。
多くの冒険者の中から君は仲間になりたいと思える者を見つけた。
君の仲間達の職は……
剣と斧を操る、戦闘のエキスパートである「ソードマン」
自然界の力を利用した「魔法」と呼ばれる力をもつ「アルケミスト」
傷ついた仲間達を癒すことができる「メディック」
多くの役立つ能力を持つ、迷宮探索には欠かせない「レンジャー」
である。
「ほう。悪くない組み合わせじゃねぇか」
冒険者ギルドの運営者である男が君に言う。
パラディンである君が、彼ら4人を選択したことは
熟練の冒険者から見ても非常に良い組み合わせらしい。
どうやら君は仲間を選ぶ目もあるし、生き抜く術に関しても才能があるようだ。
「決して無理はするんじゃねぇぞ」
ぶっきらぼうだが優しさの溢れる言葉を聞いた君は
冒険者ギルドを去り、世界樹の迷宮の前に立つ。
迷宮前に立つ君たちを見つけた兵士が話しかけてきた。
「君が新たな挑戦者だね。話は聞いているよ。
さっそく、説明に移るとしよう。」
一息つき、兵士は再び口を開く。
「『世界樹の迷宮』は、その大部分が謎のままなのだ。
危険な生物が生息する可能性は十分にある。そこでだ」
男は、懐から一枚の紙を取り出しながら説明を続ける。
「これは、迷宮の地下一階の地図だ。
ただし、途中までしか書いていない。これを完成させてほしい。
迷宮内を探索でき、そして無事帰ってこれることを我々に示してくれ。
この地図を完成させた時、我々は君を一人前の冒険者と認め
『世界樹の迷宮』の探索を許可しようと思う」
兵士から地図を受け取った君達は迷宮内へと歩を進める。
迷宮内に入った君は、まずその美しさに目を奪われる。
深緑の世界。
そんな言葉がぴったりと似合うその風景は多くの木々で埋め尽くされていた。
美しい風景に見とれていた君は、ある違和感を感じて周りを見渡す。
そして、君から見て北西の茂み。距離にして10メートル程だろうか。
――なにかがいる!
殺気を感じた君は咄嗟に剣を構える。
……。
…。
私も少々疲れを感じてきた。
今日のお話はここまでにしよう。
ここからは君が冒険し、未知を探索し、道を築いていく番だ。
悠久の時を過ごした『世界樹の迷宮』は君を待っている。
さぁ。
1. 未知の魔物に畏れをなして、この迷宮から逃げ出す
2. 探究心の赴くままに突き進み、隠された真実を発見する
――君は選択しなければならない
NDS 世界樹の迷宮

世界樹の迷宮II 諸王の聖杯

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師走も終わりを迎えようとしておりますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
本日は、昔ちょこっと書いてみた『世界樹の迷宮』の創作小説をアップ。
…ええ、ネタが見つからなかったのですよ。
今回、小説の舞台となるのはアトラスが贈る骨太RPG。
タッチペンを使った”自分でマッピング出来る”というのが大きな特徴。
「最近のRPGはぬるすぎる」という貴方、是非プレイをオススメします。
ではでは、お時間のある方はどうぞ。
■創作小説
【君は選択しなければならない】
――――――――――――――――――――――
深き樹海に総ては沈んだ…。
罪なき者は、偽りの大地に残され
罪持つ者は、樹海の底に溺れ
罪深き者は、緑の闇に姿を消した。
人の子が失ったのは大いなる力
新世界が失ったのは母なる大地
真実は失われた大地と共に
深淵の玉座でただ一人
呪われた王だけが知っている。
――――――――――――――――――――――
この世界にはひとつの迷宮が存在する。
誰が言い出したのか分からない。なぜそう呼ばれるのかも分からない。
ただ、その迷宮を讃え、あるいは畏れ、人々はこう呼ぶ。
――『世界樹の迷宮』と
ここはエトリアの街。
世界樹の迷宮を目指した冒険者達が集まる街だ。
この街を訪れた君もそんな冒険者のひとり。
ただあても無く街に辿りついた冒険者のひとりだ。
エトリアに訪れたことが必然だったのか、偶然だったのか。
それは、これからの君の行動次第で決まるのかもしれない。
街に訪れてから半刻ほどが過ぎただろうか。
街の中央広場に出た君は、大きな建物にかかった看板を見つける。
【執政院ラーダ】
建物内では、冒険者を募った集会が開かれているようだ。
冒険者達の熱気に圧倒されながらも、君は歩を進める。
「ようこそ、執政院へ」
中世の鎧で全身を固めた男が君へ話しかけてくる。
「我々、執政院は『世界樹の迷宮』の探索をおこなっている。
迷宮内に生息する生物、生成される鉱物などの調査が主な仕事だ」
おそらく、自分達の行動に誇りをもっているのだろう。
彼の言葉からは強い主張と気品が伝わってくる。
鎧の男は言葉を続ける。
「君も『世界樹の迷宮』の探索をしてみないか?」
探究心が強い君は、男の言葉にうなずく。
今思えば、この時から君の運命は動き出していたのだ。
「そうか!やってくれるか!」
一際大きな声を出した男は、続けて君に話しかける。
「こちらから誘っておいて申し訳ないが、探索をおこなう者には条件がある。
詳しくは迷宮の入り口にいる兵士に話を聞いてくれ」
話を聞き終えた君は出口へと向かう。
そんな君の後姿を見ていた男が言葉を付け足す。
「迷宮の探索をおこないたいのなら、まず仲間を見つけることだ。
信頼しあえる仲間がいれば、どんな困難も乗り越えていけるはずだ。
まずは冒険者ギルドへ行き、仲間を探すといい」
執政院を後にした君は、冒険者ギルドを訪れた。
ギルドの中には君と同じくらいの年の新人もいるようだ。
部屋の隅では名の知れた冒険者も窓の外を見つめている。
多くの冒険者の中から君は仲間になりたいと思える者を見つけた。
君の仲間達の職は……
剣と斧を操る、戦闘のエキスパートである「ソードマン」
自然界の力を利用した「魔法」と呼ばれる力をもつ「アルケミスト」
傷ついた仲間達を癒すことができる「メディック」
多くの役立つ能力を持つ、迷宮探索には欠かせない「レンジャー」
である。
「ほう。悪くない組み合わせじゃねぇか」
冒険者ギルドの運営者である男が君に言う。
パラディンである君が、彼ら4人を選択したことは
熟練の冒険者から見ても非常に良い組み合わせらしい。
どうやら君は仲間を選ぶ目もあるし、生き抜く術に関しても才能があるようだ。
「決して無理はするんじゃねぇぞ」
ぶっきらぼうだが優しさの溢れる言葉を聞いた君は
冒険者ギルドを去り、世界樹の迷宮の前に立つ。
迷宮前に立つ君たちを見つけた兵士が話しかけてきた。
「君が新たな挑戦者だね。話は聞いているよ。
さっそく、説明に移るとしよう。」
一息つき、兵士は再び口を開く。
「『世界樹の迷宮』は、その大部分が謎のままなのだ。
危険な生物が生息する可能性は十分にある。そこでだ」
男は、懐から一枚の紙を取り出しながら説明を続ける。
「これは、迷宮の地下一階の地図だ。
ただし、途中までしか書いていない。これを完成させてほしい。
迷宮内を探索でき、そして無事帰ってこれることを我々に示してくれ。
この地図を完成させた時、我々は君を一人前の冒険者と認め
『世界樹の迷宮』の探索を許可しようと思う」
兵士から地図を受け取った君達は迷宮内へと歩を進める。
迷宮内に入った君は、まずその美しさに目を奪われる。
深緑の世界。
そんな言葉がぴったりと似合うその風景は多くの木々で埋め尽くされていた。
美しい風景に見とれていた君は、ある違和感を感じて周りを見渡す。
そして、君から見て北西の茂み。距離にして10メートル程だろうか。
――なにかがいる!
殺気を感じた君は咄嗟に剣を構える。
……。
…。
私も少々疲れを感じてきた。
今日のお話はここまでにしよう。
ここからは君が冒険し、未知を探索し、道を築いていく番だ。
悠久の時を過ごした『世界樹の迷宮』は君を待っている。
さぁ。
1. 未知の魔物に畏れをなして、この迷宮から逃げ出す
2. 探究心の赴くままに突き進み、隠された真実を発見する
――君は選択しなければならない
NDS 世界樹の迷宮

世界樹の迷宮II 諸王の聖杯
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カドゥケウス2で創作小説 最終話 『おかえりなさい』
2008年10月05日
■ ある医師の成長記録
救急救命カドゥケウス2

今までのお話
第一話 『喪失』
第二話 『運命の転換』
第三話 『決断』
最終話 『おかえりなさい』
順調に進んでいた月森の手が止まった。
そして、平静を保ちながらも驚きを隠せずに呟いた。
「何だ……これは?」
月森とアンジュの眼前に現れたものは異形の腫瘍。
天羽博士の臓器の到る箇所に付着している腫瘍は、二人に”事実”を認識させるに十分であった。
そう。”ギルスが復活している”という事実に。
「月森先生。この腫瘍…いえ、ギルスですが時折表面の色が変化しています」
確かにアンジュの言った通り、ギルスは青から赤へ、そして赤から青へと
一定間隔を保ちながら色を変化させているように思えた。
とは言っても、月森達にとっては初めて出会うギルス。
「初めて見るタイプだがギルスであることに違いはない。
正しい処置をおこなえば取り除けるはずだ」
と言うのが精一杯であった。
その言葉はアンジュだけではなく己自信をも納得させるように言った言葉に違いなかった。
そんな自分自身の言葉を噛み締めて、腫瘍へとメスを入れた矢先のことであった。
「バイタル低下です!」
「なんだと?アンジュくん、ヒールゼリーを」
(なんだ…何がまずかったんだ?)
(考えろ、考えるんだ月森幸介。このギルスの特徴は「色の変化」……)
「……そうか。そうかもしれない。
アンジュくん、先ほどメスを入れた際の腫瘍が何色だったか覚えているかい?」
もちろん、自分自身でも覚えているのだが
アンジュに確かめることによって確信を増そうとして口から出た言葉であった。
ただ、その行動が自分自身への自信の無さから生まれたモノだと月森は気づいていなかったけれど。
「色、ですか?……赤。うん、間違いないわ。赤です、月森先生」
「そうか。だとすると……」
青色の腫瘍へメスを入れようとする月森。
一旦は「原因が分かっていないのにどうして?」と言う言葉を言いかけたアンジュだったが
すぐさま月森の考えを理解して月森の行動とバイタルの変化に注意を傾けた。
「バイタル……安定しています!
このギルスは色に注意すればいいんですね、月森先生!」
自信の考えが当たっていた事、自分の考えを理解してくれたアンジュに対して笑みをこぼす月森。
「ああ、このギルスは赤色の時に触れてしまうと行動が活性化されてしまうようだ。
だから、僕達は腫瘍が青色になっている時を狙って手早く処置するんだ」
(初めて出会うギルスであろうが処置方法が分かってしまえば恐れることはない。
大丈夫。超執刀が無くても僕は天羽博士を助けられる)
月森は自分に言い聞かせながらオペは進めていた。
しかし、ギルスという悪魔は月森の考えを打ち砕くべく新たな脅威を突き出す。
その脅威は月森に絶望感を与えるのに十分すぎた。
「腫瘍が点滅している……だと」
新たに表れた腫瘍の色の変化速度は今までのものとは比較できない早さであった。
月森が言ったように”点滅”と言っても過言ではない。
月森の前に現れた悪魔は、彼が一度取り戻した自信を崩壊させ
決して言ってはいけない一言さえも引きずり出した。
「……無理だ」
「え?月森先生、今……何て仰いました?」
自分の聞き間違いに違いない。
ううん、そうであってほしいと思ったアンジュが聞き返す。
「この状況でメスを入れるのは危険だ。一旦、オペを中断して対策を考えるしかない」
「そんな!そこまで父の体力が持つとは考えられません!」
「……いや、中断して対策を考えることが一番の良作なんだよ。
超執刀を無くしてしまった僕には救う手段が見当たらないんだ……」
父を助けたい。もちろん、アンジュにはその想いもあったであろう。
しかし、その想いだけではない。アンジュは今の月森に対しての気持ちを精一杯叫んだ。
その言葉は悲痛な叫びとなり部屋中に広がる。
「どうして”救いたい”と仰ってくれないんですか?」
「……え?」
アンジュの言葉に手を止める月森。
更にアンジュは続ける。
「”救える”とか”救えない”じゃない。どうして”救いたい”と仰ってくれないんですか!
私は知ってます。無理だと思われた症例の数々を救ってきた月森先生を。
多くの患者さんの笑顔を取り戻してきた月森先生を!
どうして、あの頃の月森先生のように”救いたい”と仰ってくれないんですか!」
アンジュの言葉が聞こえると同時に月森の頭に響いてくる声があった。
それは幼き日の月森自身の声。父親を亡くしてしまった日の声だった。
「なんで?なんでお医者さんなのに助けてくれないの?
助けて!お父さんを助けてよ!お願いだよ!」
(そうだ……。僕は自分のような思いをする人達がいなくなるように医者になったんじゃないのか?
それを何だ、自分に自信がないから諦めるのか?それでいいのか?)
勿論、その問いかけに対する言葉は決まっている。
(駄目だ!治せない病などあってはならない。救えない命などあってはならない。
僕は……僕は医者だ!)
心に光を取り戻した月森の眼には確かに力が戻っていた。
そして、落ち着いた口調でアンジュへと話しかける。
「ありがとう、アンジュくん。
君のおかげで大切なものを取り戻すことが出来た」
先ほどまでとは明らかに違う眼を持つ月森に対して
涙をこぼしていたアンジュは安堵の表情を見せる。
「安心してくれ、アンジュくん。
天羽博士は、絶対に僕が救ってみせる!」
その言葉を聞くまでもなくアンジュは既に安心感に包まれていた。
何故なら、彼女の眼前にいるのは自信を失っていた月森ではなく
数々のギルス患者を救ってきた”超執刀医 月森孝介”だったからだ。
心に光を、眼に力を取り戻した月森は自らが持つ類稀なる集中力も取り戻していた。
そう。それは皆が待ち望んだ”超執刀の復活”に他ならないのだ。
医者としての心と超執刀を取り戻した月森は、無事オペを終了させることに成功した。
超執刀を使用した反動で倒れこむ月森を支えながらアンジュは言う。
「月森先生……本当にありがとうございました。」
ほとんど意識もないであろう月森に対して笑顔のアンジュは続ける。
言いたいことは山ほどあったであろう。
ただ、アンジュが言った言葉にはそれら全てが詰まっており
その一言だけで彼女の気持ちを表すことが出来た。
「おかえりなさい」
私が思うに、”超執刀を失う”という試練は与えられるべくして与えられたのかもしれない。
月森が更に上の医者になるために神が与えた試練だったのかもしれない。
達成感と安堵感に溢れた表情で眠る月森を見ているとそう思わずにはいられないのだ。
超執刀を取り戻した月森のギルスとの闘いの日々はまだ続く。
そのお話は、また機会があれば。
Fin
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■ あとがき
というわけで、時間がかかりましたが何とか書き上げられました。
読み返してみると、これって”創作”じゃなくて本編を文字にしてみただけかも……。
なんて思ったりしてますが、多少は変わっていますので
そのあたりは気にしないでいただけると助かります、ええ。
このお話を読んでカドゥケウスに興味を持っていただけたなら幸いです。
本編は、管理人の書いた小説よりももっともっと面白いと思いますので
興味を持っていただけた方は是非プレイしてみてくださいね。
それでは、また気の向いた時に気ままに書く小説でお会いしましょう。
いつも応援ありがとうございます!

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今までのお話
第一話 『喪失』
第二話 『運命の転換』
第三話 『決断』
最終話 『おかえりなさい』
順調に進んでいた月森の手が止まった。
そして、平静を保ちながらも驚きを隠せずに呟いた。
「何だ……これは?」
月森とアンジュの眼前に現れたものは異形の腫瘍。
天羽博士の臓器の到る箇所に付着している腫瘍は、二人に”事実”を認識させるに十分であった。
そう。”ギルスが復活している”という事実に。
「月森先生。この腫瘍…いえ、ギルスですが時折表面の色が変化しています」
確かにアンジュの言った通り、ギルスは青から赤へ、そして赤から青へと
一定間隔を保ちながら色を変化させているように思えた。
とは言っても、月森達にとっては初めて出会うギルス。
「初めて見るタイプだがギルスであることに違いはない。
正しい処置をおこなえば取り除けるはずだ」
と言うのが精一杯であった。
その言葉はアンジュだけではなく己自信をも納得させるように言った言葉に違いなかった。
そんな自分自身の言葉を噛み締めて、腫瘍へとメスを入れた矢先のことであった。
「バイタル低下です!」
「なんだと?アンジュくん、ヒールゼリーを」
(なんだ…何がまずかったんだ?)
(考えろ、考えるんだ月森幸介。このギルスの特徴は「色の変化」……)
「……そうか。そうかもしれない。
アンジュくん、先ほどメスを入れた際の腫瘍が何色だったか覚えているかい?」
もちろん、自分自身でも覚えているのだが
アンジュに確かめることによって確信を増そうとして口から出た言葉であった。
ただ、その行動が自分自身への自信の無さから生まれたモノだと月森は気づいていなかったけれど。
「色、ですか?……赤。うん、間違いないわ。赤です、月森先生」
「そうか。だとすると……」
青色の腫瘍へメスを入れようとする月森。
一旦は「原因が分かっていないのにどうして?」と言う言葉を言いかけたアンジュだったが
すぐさま月森の考えを理解して月森の行動とバイタルの変化に注意を傾けた。
「バイタル……安定しています!
このギルスは色に注意すればいいんですね、月森先生!」
自信の考えが当たっていた事、自分の考えを理解してくれたアンジュに対して笑みをこぼす月森。
「ああ、このギルスは赤色の時に触れてしまうと行動が活性化されてしまうようだ。
だから、僕達は腫瘍が青色になっている時を狙って手早く処置するんだ」
(初めて出会うギルスであろうが処置方法が分かってしまえば恐れることはない。
大丈夫。超執刀が無くても僕は天羽博士を助けられる)
月森は自分に言い聞かせながらオペは進めていた。
しかし、ギルスという悪魔は月森の考えを打ち砕くべく新たな脅威を突き出す。
その脅威は月森に絶望感を与えるのに十分すぎた。
「腫瘍が点滅している……だと」
新たに表れた腫瘍の色の変化速度は今までのものとは比較できない早さであった。
月森が言ったように”点滅”と言っても過言ではない。
月森の前に現れた悪魔は、彼が一度取り戻した自信を崩壊させ
決して言ってはいけない一言さえも引きずり出した。
「……無理だ」
「え?月森先生、今……何て仰いました?」
自分の聞き間違いに違いない。
ううん、そうであってほしいと思ったアンジュが聞き返す。
「この状況でメスを入れるのは危険だ。一旦、オペを中断して対策を考えるしかない」
「そんな!そこまで父の体力が持つとは考えられません!」
「……いや、中断して対策を考えることが一番の良作なんだよ。
超執刀を無くしてしまった僕には救う手段が見当たらないんだ……」
父を助けたい。もちろん、アンジュにはその想いもあったであろう。
しかし、その想いだけではない。アンジュは今の月森に対しての気持ちを精一杯叫んだ。
その言葉は悲痛な叫びとなり部屋中に広がる。
「どうして”救いたい”と仰ってくれないんですか?」
「……え?」
アンジュの言葉に手を止める月森。
更にアンジュは続ける。
「”救える”とか”救えない”じゃない。どうして”救いたい”と仰ってくれないんですか!
私は知ってます。無理だと思われた症例の数々を救ってきた月森先生を。
多くの患者さんの笑顔を取り戻してきた月森先生を!
どうして、あの頃の月森先生のように”救いたい”と仰ってくれないんですか!」
アンジュの言葉が聞こえると同時に月森の頭に響いてくる声があった。
それは幼き日の月森自身の声。父親を亡くしてしまった日の声だった。
「なんで?なんでお医者さんなのに助けてくれないの?
助けて!お父さんを助けてよ!お願いだよ!」
(そうだ……。僕は自分のような思いをする人達がいなくなるように医者になったんじゃないのか?
それを何だ、自分に自信がないから諦めるのか?それでいいのか?)
勿論、その問いかけに対する言葉は決まっている。
(駄目だ!治せない病などあってはならない。救えない命などあってはならない。
僕は……僕は医者だ!)
心に光を取り戻した月森の眼には確かに力が戻っていた。
そして、落ち着いた口調でアンジュへと話しかける。
「ありがとう、アンジュくん。
君のおかげで大切なものを取り戻すことが出来た」
先ほどまでとは明らかに違う眼を持つ月森に対して
涙をこぼしていたアンジュは安堵の表情を見せる。
「安心してくれ、アンジュくん。
天羽博士は、絶対に僕が救ってみせる!」
その言葉を聞くまでもなくアンジュは既に安心感に包まれていた。
何故なら、彼女の眼前にいるのは自信を失っていた月森ではなく
数々のギルス患者を救ってきた”超執刀医 月森孝介”だったからだ。
心に光を、眼に力を取り戻した月森は自らが持つ類稀なる集中力も取り戻していた。
そう。それは皆が待ち望んだ”超執刀の復活”に他ならないのだ。
医者としての心と超執刀を取り戻した月森は、無事オペを終了させることに成功した。
超執刀を使用した反動で倒れこむ月森を支えながらアンジュは言う。
「月森先生……本当にありがとうございました。」
ほとんど意識もないであろう月森に対して笑顔のアンジュは続ける。
言いたいことは山ほどあったであろう。
ただ、アンジュが言った言葉にはそれら全てが詰まっており
その一言だけで彼女の気持ちを表すことが出来た。
「おかえりなさい」
私が思うに、”超執刀を失う”という試練は与えられるべくして与えられたのかもしれない。
月森が更に上の医者になるために神が与えた試練だったのかもしれない。
達成感と安堵感に溢れた表情で眠る月森を見ているとそう思わずにはいられないのだ。
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■ あとがき
というわけで、時間がかかりましたが何とか書き上げられました。
読み返してみると、これって”創作”じゃなくて本編を文字にしてみただけかも……。
なんて思ったりしてますが、多少は変わっていますので
そのあたりは気にしないでいただけると助かります、ええ。
このお話を読んでカドゥケウスに興味を持っていただけたなら幸いです。
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カドゥケウス2で創作小説 第三話 『決断』
2008年09月20日
■ ある医師の成長記録
救急救命カドゥケウス2

今までのお話
第一話 『喪失』
第二話 『運命の転換』
第三話 『決断』
「今日は月森くんも連れてきたんだな、アンジュ」
研究室で月森達を出迎えたのは天羽博士、アンジュの父親だった。
月森にとっては久しぶりの対面となる天羽博士。
やはり共通の話題といえば世界を震撼させたギルスのことになってしまう。
もちろん、今日の訪問はそれこそが目的ではあったのだけれど。
「お久しぶりです、博士。ギルス研究について何か進展はありましたか?」
月森が何気なく口にした言葉に一瞬驚きの表情を浮かべる天羽博士。
そして、真剣な表情を取り戻した博士の口をついて出た言葉。
「……何も聞いていないのかね?君は」
瞬時にして事態の深刻さを読み取った月森は言葉を返す。
「え、ええ。最近はギルスから離れた生活を送っておりましたので」
”超執刀が使えなくなった”、”医師としての自信を失っていた”などと言うわけにもいかず
お茶を濁す返答になってしまった月森に対して天羽博士は続ける。
「君ほどの医師がギルスと無関係な生活を送っている場合ではないのだがな……」
天羽博士から伝えられた事実は月森達を再び戦場へ追いやることになる。
そう、10年前に経験した”ギルスとの戦い”へと。
「ギルスを復活させようとしているものがいる」
ギルスの恐怖を知っている者にとっては、その言葉だけで十分であった。
たったそれだけの言葉で、どれほど切迫した状況であるかを知ることが出来るからだ。
「ギルスを復活……本当なのですか?」
にわかには信じ難いといった顔をしている二人に天羽博士は答える。
「ああ……残念ながらな。
そして、その計画はもう実行に移されている。お前達も気づいているはずだ」
確かにここ数週間で診た患者にはおかしな点があった。
昔診たギルスと異なるものの、どこか類似点があるような。
しかし、彼は自分自身に言い聞かせていたのかもしれない。
「ギルスとは関係ない。あの事件はもう終わったのだ」
人々を苦しめた悪夢は終わったはずだと信じたかったから。
同じ苦しみや悲しみを味わう人々を見たくなかったから。
そんな願いも虚しく、天羽博士の告げた事実は月森達の儚い希望を見事に打ち砕いた。
そして、彼を導く運命の導き手は、またもや彼に試練を与える。
「月森くん、ギルスを復活させようとしている者を追うのだ。
彼らは……ぬ?ぐぅ……」
言葉を続けようとした天羽博士が胸を押さえて倒れ込む。
と同時に飛び出す一つの影。
「お父さん?お父さん、しっかり!」
アンジュは父を支え、しきりに呼びかける。
娘の必死の叫びに応えたのか、それとも彼の中にある確固たる決意がそうさせたのか。
天羽博士は残された力を精一杯振り絞り、月森へ願いを託す。
「月森くん。奥の部屋には一通りの手術道具が揃って……いる。
君に……君に私のオペを頼みたい」
(出来るのか?超執刀を失った僕に助けられるのか?)
ふと脳裏を霞めた疑問だった。
しかし、天羽博士が続けた言葉によって彼の迷いは断ち切られることになる。
「私は自身が死ぬことによって、罪を……罪を償えるなどとは思っていない。
私の犯した罪は、自らが死ぬことによって償われる程度ではない……からだ。
私は生きなくてはならない。生きてギルスに苦しむ人々を助けなくてはならない」
苦しさからか、一瞬天羽博士の言葉が途切れた。
それでも、天羽博士は最後の言葉を、願いを月森へと伝えた。
「頼む。月森くん。私は、私はまだ……『生きたい』」
父の悲痛な叫びにアンジュが必死な形相で反応する。
「お願いします!月森先生。貴方なら父を助けられるはずです!」
二人の言葉に対してようやく口を開く月森。
「……分かった。やってみよう」
こうして月森、アンジュによる緊急手術が開始されることになった。
事態は急を要する上に失敗は許されない。
加えて、超執刀を失っているという事実は月森に大きな不安と焦りを生み出していた。
だがそれでも、慎重に、そして丁寧に緊急手術は続けられていった。
”蘇った悪魔”に出会うまでは……。
Next Story is 最終話 『 おかえりなさい 』
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■ 第三話あとがき
読んでくださりありがとうございます、kazuyuna(カズユナ)です。
一話を終えた時に「予定ではあと一~二話です」と言っていたにも関わらず続きます。
相変わらず上手く纏めるのが苦手だなと思いつつ、それでも書きたいことは書くべきだという思いも消えず。
そんなわけで、あともう少しだけお付き合いくださると幸いです。
きっと。
……いや多分、次が最終話になるだろうと思いますので。
それでは、今日はこのあたりで。
貴方の手がペンを走らせる!……カモ?

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今までのお話
第一話 『喪失』
第二話 『運命の転換』
第三話 『決断』
「今日は月森くんも連れてきたんだな、アンジュ」
研究室で月森達を出迎えたのは天羽博士、アンジュの父親だった。
月森にとっては久しぶりの対面となる天羽博士。
やはり共通の話題といえば世界を震撼させたギルスのことになってしまう。
もちろん、今日の訪問はそれこそが目的ではあったのだけれど。
「お久しぶりです、博士。ギルス研究について何か進展はありましたか?」
月森が何気なく口にした言葉に一瞬驚きの表情を浮かべる天羽博士。
そして、真剣な表情を取り戻した博士の口をついて出た言葉。
「……何も聞いていないのかね?君は」
瞬時にして事態の深刻さを読み取った月森は言葉を返す。
「え、ええ。最近はギルスから離れた生活を送っておりましたので」
”超執刀が使えなくなった”、”医師としての自信を失っていた”などと言うわけにもいかず
お茶を濁す返答になってしまった月森に対して天羽博士は続ける。
「君ほどの医師がギルスと無関係な生活を送っている場合ではないのだがな……」
天羽博士から伝えられた事実は月森達を再び戦場へ追いやることになる。
そう、10年前に経験した”ギルスとの戦い”へと。
「ギルスを復活させようとしているものがいる」
ギルスの恐怖を知っている者にとっては、その言葉だけで十分であった。
たったそれだけの言葉で、どれほど切迫した状況であるかを知ることが出来るからだ。
「ギルスを復活……本当なのですか?」
にわかには信じ難いといった顔をしている二人に天羽博士は答える。
「ああ……残念ながらな。
そして、その計画はもう実行に移されている。お前達も気づいているはずだ」
確かにここ数週間で診た患者にはおかしな点があった。
昔診たギルスと異なるものの、どこか類似点があるような。
しかし、彼は自分自身に言い聞かせていたのかもしれない。
「ギルスとは関係ない。あの事件はもう終わったのだ」
人々を苦しめた悪夢は終わったはずだと信じたかったから。
同じ苦しみや悲しみを味わう人々を見たくなかったから。
そんな願いも虚しく、天羽博士の告げた事実は月森達の儚い希望を見事に打ち砕いた。
そして、彼を導く運命の導き手は、またもや彼に試練を与える。
「月森くん、ギルスを復活させようとしている者を追うのだ。
彼らは……ぬ?ぐぅ……」
言葉を続けようとした天羽博士が胸を押さえて倒れ込む。
と同時に飛び出す一つの影。
「お父さん?お父さん、しっかり!」
アンジュは父を支え、しきりに呼びかける。
娘の必死の叫びに応えたのか、それとも彼の中にある確固たる決意がそうさせたのか。
天羽博士は残された力を精一杯振り絞り、月森へ願いを託す。
「月森くん。奥の部屋には一通りの手術道具が揃って……いる。
君に……君に私のオペを頼みたい」
(出来るのか?超執刀を失った僕に助けられるのか?)
ふと脳裏を霞めた疑問だった。
しかし、天羽博士が続けた言葉によって彼の迷いは断ち切られることになる。
「私は自身が死ぬことによって、罪を……罪を償えるなどとは思っていない。
私の犯した罪は、自らが死ぬことによって償われる程度ではない……からだ。
私は生きなくてはならない。生きてギルスに苦しむ人々を助けなくてはならない」
苦しさからか、一瞬天羽博士の言葉が途切れた。
それでも、天羽博士は最後の言葉を、願いを月森へと伝えた。
「頼む。月森くん。私は、私はまだ……『生きたい』」
父の悲痛な叫びにアンジュが必死な形相で反応する。
「お願いします!月森先生。貴方なら父を助けられるはずです!」
二人の言葉に対してようやく口を開く月森。
「……分かった。やってみよう」
こうして月森、アンジュによる緊急手術が開始されることになった。
事態は急を要する上に失敗は許されない。
加えて、超執刀を失っているという事実は月森に大きな不安と焦りを生み出していた。
だがそれでも、慎重に、そして丁寧に緊急手術は続けられていった。
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■ 第三話あとがき
読んでくださりありがとうございます、kazuyuna(カズユナ)です。
一話を終えた時に「予定ではあと一~二話です」と言っていたにも関わらず続きます。
相変わらず上手く纏めるのが苦手だなと思いつつ、それでも書きたいことは書くべきだという思いも消えず。
そんなわけで、あともう少しだけお付き合いくださると幸いです。
きっと。
……いや多分、次が最終話になるだろうと思いますので。
それでは、今日はこのあたりで。
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カドゥケウス2で創作小説 第二話 『運命の転換』
2008年09月14日
明日は敬老の日ですね。
祖母二人にプレゼントということで感謝の花束を贈ることに。
離れていてもプレゼントを手軽に贈れる、いい世の中になったものですね。
例え身体は離れていても心は常に身近にあるさ、ってね。
さて、今日の更新はカドゥケウス2創作小説の第二話です。
楽しんでいただけると作者冥利に尽きます。
■ ある医師の成長記録
救急救命カドゥケウス2

今までのお話
第一話 『喪失』
第二話 『運命の転換』
翼をもがれた鳥は大空に羽ばたくことは出来ない。
己が最も輝ける場所に戻る権利を奪われてしまったからだ。
悲劇の運命を辿ることになるであろう”翼を失った鳥”。
今の月森幸介を見ていると、その姿が重なって見えるのは私だけではないだろう。
では、彼にとっての”翼”とは一体何なのだろうか?
常人ならざる力を発揮出来る”超執刀”がそうだろうか。
否、それは違う。
彼にとっての”翼”は医師として築き上げた経験から生まれる自信に他ならない。
その最も大きな力を、ただ一度の過ち(彼以外誰も過ちだとは思っていないのだが)が奪い去ったのだ。
「月森、ここ(カドゥケウス)から他の病院へ移れ」
自信の喪失により手術から遠ざかってしまった月森へ下された指令だった。
(……仕方ないよな。ここにいても僕は患者さんの力になれないのだから)
月森は厄介払いされたものだと思っていたが、実際はそうではなかった。
月森ならば立ち直る、そして再びここに帰ってくるに違いない。
そう考えた末の決定だったのだ。
思いのすれ違いはあったが、月森はカドゥケウスを離れてある病院へと移ることになった。
その病院こそが月森が初めて勤めた病院であり、
"超執刀医 月森孝介"を誕生させた「北崎病院」であった。
北崎病院では懐かしい顔ぶれが月森を迎えた。
記憶に懐かしい面々が彼を初心へと舞い戻らせた。
特に、彼のためにと呼ばれた手術助手の冗談交じりの一言。
「ほんとう、月森くんは手のかかる子ね」
彼の初めてのパートナー、ベテラン助手である古村の笑顔と言葉は
月森を研修医時代の彼へと変貌させた。
目の前の命一つ一つに一生懸命だった、あの頃の月森に。
病院を移り、幾日か経った。
簡単な手術であれば、不安の色を見せることなくこなせるようになってきたある日。
一人の来客が彼を訪れた。
「お久しぶり、ですね。月森先生……」
「……アンジュ…くん?」
月森をずっと支え続けてきてくれたアンジュとは気まずいまま別れることになっていた。
無論、月森の本意とは違うのだがその事実が二人の口数を減らしていた。
二人の姿を見かねた女医さやかが口を挟む。
「まったく……。貴方達、初対面じゃないんだから」
溜息交じりの言葉を吐くさやかが思い出したように問いかける。
「そういえば月森くん。明日はお休みじゃなかったかしら?」
「え?ええ、そうですけど」
その言葉を聞くや否や、彼女は標的をアンジュへと変える。
「アンジュさん、貴方もお休みなのよね?だったら、二人でどこかに遊びにいってらっしゃいよ」
突然の提案に動揺を隠せない二人。
「いや、しかし。アンジュくんの大切な時間を……」
嘘だ。それは本音を隠すための言い訳でしかない。
月森をよく知る人物ではなくとも分かる稚拙な言い訳だ。
もちろん、古村は指摘しようとしたのだがアンジュの言葉が遮った。
「明日、父に会いに行くんです」
アンジュの父である天羽博士は、かつては医療テロに繋がるギルスを生み出していた。
だが、今ではその償いとしてギルス患者のために研究に従事しているのだった。
ギルスは殲滅されたはずなのだが、最近おかしなことが起こっている。
ギルスの再来を予感させるような恐ろしい出来事なのかもしれない。
それを確かめるために、自分の父に会いに行くというのだ。
「へぇ。じゃあ、丁度いいじゃない。月森くん、貴方も行ってらっしゃい」
「え、いや、しかし……」
「貴方もカドゥケウスの一員でしょ?そろそろ戻った時のことを考えないと駄目でしょ」
語気を強めた一言が月森の顔色を変化させた。
そこには動揺を見せる姿はなく、真っ直ぐに患者と向き合う医師の顔が確かにあった。
「……分かりました。アンジュくん、僕も同行していいかな?」
月森の言葉を聞き、アンジュは見る見る笑顔になっていく。
最早その様子だけで言葉など不要だとは思ったけれど
「は、はい!お願いします」
彼女の元気な言葉が病室に響いた。
ようやく元の二人へと戻った彼らを見て古村が微笑を浮かべてつぶやく。
「ほんとう、手のかかる子たちね」
こうして月森とアンジュは天羽博士の元へと向かうことになった。
彼らの向かう先で、再び運命は移り変わることになる。
運命は祝福の未来へと繋がっているのか?それとも絶望渦巻く未来へと導くのか?
それは、また次の機会にお話するとしよう。
Next Story is 第三話 『 決断 』
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祖母二人にプレゼントということで感謝の花束を贈ることに。
離れていてもプレゼントを手軽に贈れる、いい世の中になったものですね。
例え身体は離れていても心は常に身近にあるさ、ってね。
さて、今日の更新はカドゥケウス2創作小説の第二話です。
楽しんでいただけると作者冥利に尽きます。
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今までのお話
第一話 『喪失』
第二話 『運命の転換』
翼をもがれた鳥は大空に羽ばたくことは出来ない。
己が最も輝ける場所に戻る権利を奪われてしまったからだ。
悲劇の運命を辿ることになるであろう”翼を失った鳥”。
今の月森幸介を見ていると、その姿が重なって見えるのは私だけではないだろう。
では、彼にとっての”翼”とは一体何なのだろうか?
常人ならざる力を発揮出来る”超執刀”がそうだろうか。
否、それは違う。
彼にとっての”翼”は医師として築き上げた経験から生まれる自信に他ならない。
その最も大きな力を、ただ一度の過ち(彼以外誰も過ちだとは思っていないのだが)が奪い去ったのだ。
「月森、ここ(カドゥケウス)から他の病院へ移れ」
自信の喪失により手術から遠ざかってしまった月森へ下された指令だった。
(……仕方ないよな。ここにいても僕は患者さんの力になれないのだから)
月森は厄介払いされたものだと思っていたが、実際はそうではなかった。
月森ならば立ち直る、そして再びここに帰ってくるに違いない。
そう考えた末の決定だったのだ。
思いのすれ違いはあったが、月森はカドゥケウスを離れてある病院へと移ることになった。
その病院こそが月森が初めて勤めた病院であり、
"超執刀医 月森孝介"を誕生させた「北崎病院」であった。
北崎病院では懐かしい顔ぶれが月森を迎えた。
記憶に懐かしい面々が彼を初心へと舞い戻らせた。
特に、彼のためにと呼ばれた手術助手の冗談交じりの一言。
「ほんとう、月森くんは手のかかる子ね」
彼の初めてのパートナー、ベテラン助手である古村の笑顔と言葉は
月森を研修医時代の彼へと変貌させた。
目の前の命一つ一つに一生懸命だった、あの頃の月森に。
病院を移り、幾日か経った。
簡単な手術であれば、不安の色を見せることなくこなせるようになってきたある日。
一人の来客が彼を訪れた。
「お久しぶり、ですね。月森先生……」
「……アンジュ…くん?」
月森をずっと支え続けてきてくれたアンジュとは気まずいまま別れることになっていた。
無論、月森の本意とは違うのだがその事実が二人の口数を減らしていた。
二人の姿を見かねた女医さやかが口を挟む。
「まったく……。貴方達、初対面じゃないんだから」
溜息交じりの言葉を吐くさやかが思い出したように問いかける。
「そういえば月森くん。明日はお休みじゃなかったかしら?」
「え?ええ、そうですけど」
その言葉を聞くや否や、彼女は標的をアンジュへと変える。
「アンジュさん、貴方もお休みなのよね?だったら、二人でどこかに遊びにいってらっしゃいよ」
突然の提案に動揺を隠せない二人。
「いや、しかし。アンジュくんの大切な時間を……」
嘘だ。それは本音を隠すための言い訳でしかない。
月森をよく知る人物ではなくとも分かる稚拙な言い訳だ。
もちろん、古村は指摘しようとしたのだがアンジュの言葉が遮った。
「明日、父に会いに行くんです」
アンジュの父である天羽博士は、かつては医療テロに繋がるギルスを生み出していた。
だが、今ではその償いとしてギルス患者のために研究に従事しているのだった。
ギルスは殲滅されたはずなのだが、最近おかしなことが起こっている。
ギルスの再来を予感させるような恐ろしい出来事なのかもしれない。
それを確かめるために、自分の父に会いに行くというのだ。
「へぇ。じゃあ、丁度いいじゃない。月森くん、貴方も行ってらっしゃい」
「え、いや、しかし……」
「貴方もカドゥケウスの一員でしょ?そろそろ戻った時のことを考えないと駄目でしょ」
語気を強めた一言が月森の顔色を変化させた。
そこには動揺を見せる姿はなく、真っ直ぐに患者と向き合う医師の顔が確かにあった。
「……分かりました。アンジュくん、僕も同行していいかな?」
月森の言葉を聞き、アンジュは見る見る笑顔になっていく。
最早その様子だけで言葉など不要だとは思ったけれど
「は、はい!お願いします」
彼女の元気な言葉が病室に響いた。
ようやく元の二人へと戻った彼らを見て古村が微笑を浮かべてつぶやく。
「ほんとう、手のかかる子たちね」
こうして月森とアンジュは天羽博士の元へと向かうことになった。
彼らの向かう先で、再び運命は移り変わることになる。
運命は祝福の未来へと繋がっているのか?それとも絶望渦巻く未来へと導くのか?
それは、また次の機会にお話するとしよう。
Next Story is 第三話 『 決断 』
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カドゥケウス2で創作小説 第一話 『喪失』
2008年09月09日
■ ある医師の成長記録
救急救命カドゥケウス2

第一話 『 喪失 』
人には理不尽な選択をしなければならない時がある。
それは誰であろうが関係なく舞い降りるのだ。
眼前で苦しむ人達に救いの手を差し伸べ続けてきた天才医師『月森孝介』とて例外ではない。
月森に与えられた選択は”手術をおこなう患者の選択”であった。
今すぐに手術をしなければ助からないであろう二人の患者。
医師は彼一人しかいない。どうすればいい?
正解などあるはずがない。
しかし、今すぐに解答が必要なのだ。
彼の出した解答は”ギルスに対する抗体を持つであろう者を後で処置する”であった。
おそらく医師が百人いれば百人ともそうするであろう選択であった。
しかし、結果的に彼は一人の男性を死なせてしまうことになる。
それは、彼にとって馴染みのあるエミリオという男性だった……。
彼の選択は結果的に人を死なせてしまった。
だが、誰が「間違っている」と彼を指摘できたであろう。
誰が彼を責めることが出来るというのだ。
彼の助手であり、最良のパートナーであるアンジュは言う。
「先生はどこかに驕りがあったのではないですか?
『超執刀の力さえあれば大丈夫だ』
心のどこかでそう思い、タカをくくっていたのではないですか?」
「そんなことは……」
否定の言葉を口にしようとした月森は、思いなおすように口を閉ざす。
---超執刀---
類稀なる集中力を持つ彼は、人間の域を超えた神速のオペをおこなうことが出来る。
その時の彼から見た周りの世界は止まっているかのように遅く流れる。
「僕は……僕は自分の力を過信していたのだろうか…。
僕は…僕は……」
先ほど私は、”誰が彼を責めることが出来るというのだ”と問うた。
なるほど、確かに彼を責める者はいた。
彼の良きパートナーであるアンジュもその一人だ。
だが、最も彼を責めたのは『月森幸介』本人だった。
責任感のある彼は自分の失敗を許せなかった。
「仕方がなかった」
「どうしようもなかったんだよ」
そんな言葉で自分を許せるなんて到底思えなかったのだ。
そして許したくもなかった。
ふと彼の頭に蘇ってくる師の言葉。
初めて耳にした時、彼には師の意図が汲み取れなかった。
「過ぎた力を得る、それがどんなに辛い事か、お前にはわかるまい。
医師の手は重い。そして過ぎた力を得れば、どこまでもその手は重くなっていく。
そして……それに耐えられる医師は多くない……」
今になって、己に降りかかる災難によってようやく理解することが出来た。
ただ、その代償はあまりにも大きかった。
この世に神がいるとするならば。
余程悲劇が好みなのだろう。
それとも彼の運命を決めているのは悪魔だとでも言うのか。
彼は精一杯努力した。力の限り。
それに対する結果は友人の死だった。
だが、運命の導き手はそれだけでは満足しなかった。
その者(運命の導き手)は、友人の命を奪うだけでは飽き足らず
超執刀の力さえ奪っていたのだから。
■ ”あとがき”ならぬ”途中がき”?
えーと、そんなわけで何の予告もなしに始めてみました。
カドゥケウス創作小説『ある医師の成長記録』。
特に気に入った場所を書こうというコンセプトなので短いです、多分。
予定としては、あと一~二話。
以前のドラクエV小説とは一風変わった内容ですが、いかがだったでしょうか。
ゲームニュースやゲームレビューの中に、たまにはこんな記事があってもいいよね?
なんて思いながら書いてみたのですが、最後まで読んでくださった方がいてくれたら嬉しいです。
では、今日はこのあたりで!
Next Story is 第二話 『 運命の転換 』
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第一話 『 喪失 』
人には理不尽な選択をしなければならない時がある。
それは誰であろうが関係なく舞い降りるのだ。
眼前で苦しむ人達に救いの手を差し伸べ続けてきた天才医師『月森孝介』とて例外ではない。
月森に与えられた選択は”手術をおこなう患者の選択”であった。
今すぐに手術をしなければ助からないであろう二人の患者。
医師は彼一人しかいない。どうすればいい?
正解などあるはずがない。
しかし、今すぐに解答が必要なのだ。
彼の出した解答は”ギルスに対する抗体を持つであろう者を後で処置する”であった。
おそらく医師が百人いれば百人ともそうするであろう選択であった。
しかし、結果的に彼は一人の男性を死なせてしまうことになる。
それは、彼にとって馴染みのあるエミリオという男性だった……。
彼の選択は結果的に人を死なせてしまった。
だが、誰が「間違っている」と彼を指摘できたであろう。
誰が彼を責めることが出来るというのだ。
彼の助手であり、最良のパートナーであるアンジュは言う。
「先生はどこかに驕りがあったのではないですか?
『超執刀の力さえあれば大丈夫だ』
心のどこかでそう思い、タカをくくっていたのではないですか?」
「そんなことは……」
否定の言葉を口にしようとした月森は、思いなおすように口を閉ざす。
---超執刀---
類稀なる集中力を持つ彼は、人間の域を超えた神速のオペをおこなうことが出来る。
その時の彼から見た周りの世界は止まっているかのように遅く流れる。
「僕は……僕は自分の力を過信していたのだろうか…。
僕は…僕は……」
先ほど私は、”誰が彼を責めることが出来るというのだ”と問うた。
なるほど、確かに彼を責める者はいた。
彼の良きパートナーであるアンジュもその一人だ。
だが、最も彼を責めたのは『月森幸介』本人だった。
責任感のある彼は自分の失敗を許せなかった。
「仕方がなかった」
「どうしようもなかったんだよ」
そんな言葉で自分を許せるなんて到底思えなかったのだ。
そして許したくもなかった。
ふと彼の頭に蘇ってくる師の言葉。
初めて耳にした時、彼には師の意図が汲み取れなかった。
「過ぎた力を得る、それがどんなに辛い事か、お前にはわかるまい。
医師の手は重い。そして過ぎた力を得れば、どこまでもその手は重くなっていく。
そして……それに耐えられる医師は多くない……」
今になって、己に降りかかる災難によってようやく理解することが出来た。
ただ、その代償はあまりにも大きかった。
この世に神がいるとするならば。
余程悲劇が好みなのだろう。
それとも彼の運命を決めているのは悪魔だとでも言うのか。
彼は精一杯努力した。力の限り。
それに対する結果は友人の死だった。
だが、運命の導き手はそれだけでは満足しなかった。
その者(運命の導き手)は、友人の命を奪うだけでは飽き足らず
超執刀の力さえ奪っていたのだから。
■ ”あとがき”ならぬ”途中がき”?
えーと、そんなわけで何の予告もなしに始めてみました。
カドゥケウス創作小説『ある医師の成長記録』。
特に気に入った場所を書こうというコンセプトなので短いです、多分。
予定としては、あと一~二話。
以前のドラクエV小説とは一風変わった内容ですが、いかがだったでしょうか。
ゲームニュースやゲームレビューの中に、たまにはこんな記事があってもいいよね?
なんて思いながら書いてみたのですが、最後まで読んでくださった方がいてくれたら嬉しいです。
では、今日はこのあたりで!
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ドラクエV小説風プレイ日記⑯
2008年08月04日
今日は新しい免許を警察署で受け取ってきました。
本当は5時までなんだけど担当の人が残っていたので特別に。
また行かずに済んで良かった良かった。
対応してくれた人、ありがとうございます。
思えば長い間続いてきました「ある魔物使いの手記帳」。
さぁ、いよいよクライマックス!

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 「 終わらない悲劇 」
第八話 「 希望という名の光 」
第九話 「 助けあうということ 」
第十話 「 過去の世界 」
第十一話 「 世界を治める竜 」
第十二話 「 戻ってきた安らぎ 」
第十三話 「 強き思い 」
第十四話 「 無情なる審判 」
第十五話 「 何故 」
最終話 『 受け継がれし意志 』
「おばあちゃん!」
「おばあちゃん!」
亡骸となってしまった母へと駆け寄り、泣き崩れているテルとユナ。
本当は子供達のように振舞いたい。泣き叫びたい。
だが、甘えたことは言えない。言うことは出来ない。
泣き叫ぶ子供達の姿が、僕の迷いを振り切る。
そうだ。
僕達は今は進まなければならない。
僕は、母の姿に優しさと共に強さを見た。
今度は僕がその姿を示さなければならない。
それこそが、母に対する最大の恩返しだ。
「みんな、行こう。今は前へ進もう。
悲しむことはいつでも出きる。泣くことは後からでも出来る。だから…」
皆の注目が集まるように一呼吸おいた。…というのは言い訳だ。
本当は、自分の心を抑えるのに精一杯だったから。
それでも、僕は自分の持てる限りの力を、心を込めて叫んだ。
「僕達は今しか出来ないことをやろう!」
僕の顔を見つめる皆の顔に英気が戻る。
そして、僕達は再び歩み始めた。
その先に待つ希望を目指して。
母と別れた場所からしばらく進んだ階層。
僕の横を歩いていたデボラが耳元でささやいた。
「…あのさ。こんなこと言うの柄じゃないんだけどさ。
この機会逃したら、もう言えないかもしれないから言っておくわ」
不思議そうに首をかしげる僕に対して言葉を続ける。
「アンタを見てるとさ。なんていうのかな、元気が出てくるのよね。
うん、安心できるっていうかさ。初めて会った時から、そう思ってたんだけどね。
アンタのそんなところ、嫌いじゃないわよ。うーん、嫌いじゃないっていうか…」
最後の言葉を言いよどむデボラに対して僕は笑顔で応える。
「僕達は勝つ。相手がどんな強大でも絶対に勝つ!
だから、これが最後の機会なんかじゃないんだ。
だからさ、その言葉の続きはさ。帰った後にゆっくりと聞かせてもらうよ」
少しはにかんだ顔でデボラが口を開く。
「…バーカ。もうこんな機会ないわよ、きっとね。フフ」
僕達の会話が終わった頃、溶岩の溢れる場所へと辿り着いた。
灼熱の熱さを放つその場所は、人間である僕達を拒むように感じられた。
とてもではないが、生身の人間が通れる場所ではない。
どうすればいい?その答を探していた時だ。
「聖なるみずさしを使うのです、カズ。
貴方が道中で手に入れたみずさし。私が祈りを込めて作り上げたみずさしを」
奇跡。
それ以上の言葉があるのなら教えて欲しい。
僕にとっては奇跡という言葉を超越する事態が起こったのだ。
僕に助言を与える優しき声は、母マーサのものだった。
母の言葉に驚きを覚えながら、道中を思い返す。
そうだ、確かに僕達は手に入れていた。
聖なる輝きを放つみずさし。使い道は全く分からなかったけれど。
まさか、これが母さんの残したものだったなんて。
僕が聖なるみずさしを溶岩の噴出口へ注ぐと、みるみる溶岩は無くなっていく。
そして、最終的には聖なる水が溢れ出る泉となっていた。
「これが、母がしてあげられる最後の助けとなります。
ごめんなさい。貴方には、もっともっと色々してあげたかった。
でも、もう行かなければならない。さようなら、カズ」
「待って、待ってよ。母さん」
思わず口をついた僕に対して母は言う。
その顔は笑っていた。もちろん姿は見えなかったさ。
でもね。笑っていたんだよ…。
「悲しまないで。そして、忘れないでね。カズ。
向こうの世界に行っても貴方を愛してるわ。ずっと。…ずっと」
僕は、聖なるみずさしを持ったまま、天井を見上げていた。
僕の右横にいたデボラが呟いた。
「…強いわね。アンタのママは。さすがの私でもかなわないわ。
本当の強さってやつを、私は教わった気がするもの」
呟いた後、デボラは僕の肩に手を置き僕へと語りかける。
いつもより弱めだったトーンを、普段通りに戻して。
「アンタは、あの強さを受け継いでるんだから。
もっと自信持ちなさいよね!」
その意見に賛同する者がいた。
僕の成長を見守ってくれたサンチョだ。
「そうですとも。坊ちゃん…いえ、カズ王と呼ばせていただきます。
カズ王は、偉大なるパパス様の勇気と気高きマーサ様の優しき強さを受け継いでおられます。
このサンチョ。神に誓って断言致しますぞ」
子供達も呼応する。
「うん!お父さんは強いよ!」
「うん!お父さんは優しい!」
僕は、今までの旅の途中で色々なものを手に入れた。
古代から眠っていた魔法、天空で生まれた武具。
どれも素晴らしいものだった。
だけど。
今僕が得たものに比べれば、どれもが色あせて見える。
それだけは間違いなかった。それだけははっきり言える。
”世界で一番大切なもの”を受け取った僕は聖なる泉の奥へと進んだ。
そして、遂に。遂に魔界の王ミルドラースの元へと辿り着いた。
「よくぞやってきた。勇者テルとその一族の者達よ。
我こそが魔界の王にして、王の中の王。ミルドラースだ」
言葉の一つ一つに大気が震えているようにさえ感じられた。
その場にいることさえも恐ろしく、逃げ出したいとさえ思えた。
一人だったら、ね。
僕達は非力だ。一人で何かをやろうとしても大したことなんて出来ない。
でも、僕達は素晴らしい力を持っている。それは協力するという力。
お互いの長所を活かして
「くらえ!ギガデイン!」
傷ついた時は助け合って
「お父さん、大丈夫?祝福の杖!」
励まし合いながら生きていけばいい。
「大丈夫か、デボラ」
「アンタ、自分の心配しなさいよ。私をかばったアンタのほうが傷が深いでしょうが」
僕達は分かったんだ。
一人では出来ないことでも、協力することで成し遂げられることがあるってことを。
「みんな、僕に力を集めて」
「いくよ…。」
『ミナデイン!』
それが、ミルドラースとの戦いで分かったこと。
絶対に忘れちゃいけない、僕達がこの旅で学んだ大切なことだ。
今、僕はグランバニアの玉座に座っている。
僕達が守った大切な人に囲まれて。
ふと耳を済ませると声が聞こえたんだ。
誰も聞こえていないみたいだったけど、僕にははっきりと聞こえた。
「見るのだ、マーサ。私達の息子は、私達が成し遂げられなかったことを成し遂げたのだ」
「ええ。そして、私達の意志も受け継いでくれているわ」
二人は笑っていた。
僕が生まれた時に見せた笑顔のままで…。
~Fin~
■執筆を終えて
なんとか最後まで書き上げられました。
最後は回想シーンを描くように書いてみましたが、上手く伝わりましたでしょうか。
伝わっていれば幸いです。
それにしても長い!こんなに長くなるなんて予想してませんでした。
十話行かずに終わるだろうと思ってました(一、二話が顕著ですね)
ちょっとしたきっかけで始めた企画でしたが、ここまで続いたのは読んでくださった皆様のおかげです。
そして、小説記事に対してコメントをしてくれた
アトムさん、アルベールさん、リックさん、ロマさん。(五十音順)
本当にありがとうございました!
いやーそれにしてもこれだけ書くと疲れますね。
しばらくはこんな機会もないと思いますが、また機会があればよろしくお願いします。
「ちょっと、私にも喋らせなさいよ!」
おっと、話に出てきた方からも皆にお礼が言いたいそうです。
どうぞ!
デボラ
「こんなお話に最後まで付き合うなんてお人好しというか、暇というか。
ま、そのおかげでカズも喜んでたみたいだし?一応、お礼だけは言っとくわ。サンキュー」
テル
「僕やお父さん、そしてみんなの活躍、楽しんでくれた?
僕も早くお父さんみたいになりたいんだ。だから、これからも応援してね!」
ユナ
「あ、あの…。どうもありがとうございました。
皆さんの声、暖かかったです」
パパス&マーサ
「私の自慢の息子が皆に認められておる。こんなに嬉しいことはないわい!ワッハッハ」
「ええ。こんな素敵な方達が見守っていてくださるんだから、カズは幸せ者ね」
サンチョ
「カズ様に目をつけられるとは、皆様もお目が高い。さすがですね。
皆様の応援で、これからのグランバニアは安泰ですよ」
ビアンカ
「最後にカズの傍にいられなかったのが残念だけど…
カズが幸せならいいわ!みんな、アリガト!」
フローラ
「動物に好かれる方に悪い人はいませんもの。その中でもカズさんは特に素晴らしい方でしたわ。
カズさんを助けてくれてありがとうございました」
ヘンリー&マリア
「魔界の王を倒したって?やるなーカズ。でも、応援がなきゃ駄目だったかもな」
「アナタ、そんなことを言わないの。でも、皆さんの力は大きかったですわ。ありがとうございます」
ルドマン
「おお、カズはわしの見込んだ通りの男じゃったな。
これで我が家系も安心じゃ。これも皆のおかげ、礼を言うぞ」
マスタードラゴン
「神は人々を作り出した。人々は心を、そして絆を。
その力は神々をも超える、か。見事だ、カズ。そして、カズを支えてくれた皆も」
ボロンゴ(魔物代表)
「…カ」
おや、ボロンゴが人間の言葉を覚えたようです。
聞いてみましょう。
「カズユナセンセイノ ジカイサクニ ゴキタイクダサイ!」
「期待しちゃうよ!」という方は是非クリックをお願いします!

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また行かずに済んで良かった良かった。
対応してくれた人、ありがとうございます。
思えば長い間続いてきました「ある魔物使いの手記帳」。
さぁ、いよいよクライマックス!

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 「 終わらない悲劇 」
第八話 「 希望という名の光 」
第九話 「 助けあうということ 」
第十話 「 過去の世界 」
第十一話 「 世界を治める竜 」
第十二話 「 戻ってきた安らぎ 」
第十三話 「 強き思い 」
第十四話 「 無情なる審判 」
第十五話 「 何故 」
最終話 『 受け継がれし意志 』
「おばあちゃん!」
「おばあちゃん!」
亡骸となってしまった母へと駆け寄り、泣き崩れているテルとユナ。
本当は子供達のように振舞いたい。泣き叫びたい。
だが、甘えたことは言えない。言うことは出来ない。
泣き叫ぶ子供達の姿が、僕の迷いを振り切る。
そうだ。
僕達は今は進まなければならない。
僕は、母の姿に優しさと共に強さを見た。
今度は僕がその姿を示さなければならない。
それこそが、母に対する最大の恩返しだ。
「みんな、行こう。今は前へ進もう。
悲しむことはいつでも出きる。泣くことは後からでも出来る。だから…」
皆の注目が集まるように一呼吸おいた。…というのは言い訳だ。
本当は、自分の心を抑えるのに精一杯だったから。
それでも、僕は自分の持てる限りの力を、心を込めて叫んだ。
「僕達は今しか出来ないことをやろう!」
僕の顔を見つめる皆の顔に英気が戻る。
そして、僕達は再び歩み始めた。
その先に待つ希望を目指して。
母と別れた場所からしばらく進んだ階層。
僕の横を歩いていたデボラが耳元でささやいた。
「…あのさ。こんなこと言うの柄じゃないんだけどさ。
この機会逃したら、もう言えないかもしれないから言っておくわ」
不思議そうに首をかしげる僕に対して言葉を続ける。
「アンタを見てるとさ。なんていうのかな、元気が出てくるのよね。
うん、安心できるっていうかさ。初めて会った時から、そう思ってたんだけどね。
アンタのそんなところ、嫌いじゃないわよ。うーん、嫌いじゃないっていうか…」
最後の言葉を言いよどむデボラに対して僕は笑顔で応える。
「僕達は勝つ。相手がどんな強大でも絶対に勝つ!
だから、これが最後の機会なんかじゃないんだ。
だからさ、その言葉の続きはさ。帰った後にゆっくりと聞かせてもらうよ」
少しはにかんだ顔でデボラが口を開く。
「…バーカ。もうこんな機会ないわよ、きっとね。フフ」
僕達の会話が終わった頃、溶岩の溢れる場所へと辿り着いた。
灼熱の熱さを放つその場所は、人間である僕達を拒むように感じられた。
とてもではないが、生身の人間が通れる場所ではない。
どうすればいい?その答を探していた時だ。
「聖なるみずさしを使うのです、カズ。
貴方が道中で手に入れたみずさし。私が祈りを込めて作り上げたみずさしを」
奇跡。
それ以上の言葉があるのなら教えて欲しい。
僕にとっては奇跡という言葉を超越する事態が起こったのだ。
僕に助言を与える優しき声は、母マーサのものだった。
母の言葉に驚きを覚えながら、道中を思い返す。
そうだ、確かに僕達は手に入れていた。
聖なる輝きを放つみずさし。使い道は全く分からなかったけれど。
まさか、これが母さんの残したものだったなんて。
僕が聖なるみずさしを溶岩の噴出口へ注ぐと、みるみる溶岩は無くなっていく。
そして、最終的には聖なる水が溢れ出る泉となっていた。
「これが、母がしてあげられる最後の助けとなります。
ごめんなさい。貴方には、もっともっと色々してあげたかった。
でも、もう行かなければならない。さようなら、カズ」
「待って、待ってよ。母さん」
思わず口をついた僕に対して母は言う。
その顔は笑っていた。もちろん姿は見えなかったさ。
でもね。笑っていたんだよ…。
「悲しまないで。そして、忘れないでね。カズ。
向こうの世界に行っても貴方を愛してるわ。ずっと。…ずっと」
僕は、聖なるみずさしを持ったまま、天井を見上げていた。
僕の右横にいたデボラが呟いた。
「…強いわね。アンタのママは。さすがの私でもかなわないわ。
本当の強さってやつを、私は教わった気がするもの」
呟いた後、デボラは僕の肩に手を置き僕へと語りかける。
いつもより弱めだったトーンを、普段通りに戻して。
「アンタは、あの強さを受け継いでるんだから。
もっと自信持ちなさいよね!」
その意見に賛同する者がいた。
僕の成長を見守ってくれたサンチョだ。
「そうですとも。坊ちゃん…いえ、カズ王と呼ばせていただきます。
カズ王は、偉大なるパパス様の勇気と気高きマーサ様の優しき強さを受け継いでおられます。
このサンチョ。神に誓って断言致しますぞ」
子供達も呼応する。
「うん!お父さんは強いよ!」
「うん!お父さんは優しい!」
僕は、今までの旅の途中で色々なものを手に入れた。
古代から眠っていた魔法、天空で生まれた武具。
どれも素晴らしいものだった。
だけど。
今僕が得たものに比べれば、どれもが色あせて見える。
それだけは間違いなかった。それだけははっきり言える。
”世界で一番大切なもの”を受け取った僕は聖なる泉の奥へと進んだ。
そして、遂に。遂に魔界の王ミルドラースの元へと辿り着いた。
「よくぞやってきた。勇者テルとその一族の者達よ。
我こそが魔界の王にして、王の中の王。ミルドラースだ」
言葉の一つ一つに大気が震えているようにさえ感じられた。
その場にいることさえも恐ろしく、逃げ出したいとさえ思えた。
一人だったら、ね。
僕達は非力だ。一人で何かをやろうとしても大したことなんて出来ない。
でも、僕達は素晴らしい力を持っている。それは協力するという力。
お互いの長所を活かして
「くらえ!ギガデイン!」
傷ついた時は助け合って
「お父さん、大丈夫?祝福の杖!」
励まし合いながら生きていけばいい。
「大丈夫か、デボラ」
「アンタ、自分の心配しなさいよ。私をかばったアンタのほうが傷が深いでしょうが」
僕達は分かったんだ。
一人では出来ないことでも、協力することで成し遂げられることがあるってことを。
「みんな、僕に力を集めて」
「いくよ…。」
『ミナデイン!』
それが、ミルドラースとの戦いで分かったこと。
絶対に忘れちゃいけない、僕達がこの旅で学んだ大切なことだ。
今、僕はグランバニアの玉座に座っている。
僕達が守った大切な人に囲まれて。
ふと耳を済ませると声が聞こえたんだ。
誰も聞こえていないみたいだったけど、僕にははっきりと聞こえた。
「見るのだ、マーサ。私達の息子は、私達が成し遂げられなかったことを成し遂げたのだ」
「ええ。そして、私達の意志も受け継いでくれているわ」
二人は笑っていた。
僕が生まれた時に見せた笑顔のままで…。
~Fin~
■執筆を終えて
なんとか最後まで書き上げられました。
最後は回想シーンを描くように書いてみましたが、上手く伝わりましたでしょうか。
伝わっていれば幸いです。
それにしても長い!こんなに長くなるなんて予想してませんでした。
十話行かずに終わるだろうと思ってました(一、二話が顕著ですね)
ちょっとしたきっかけで始めた企画でしたが、ここまで続いたのは読んでくださった皆様のおかげです。
そして、小説記事に対してコメントをしてくれた
アトムさん、アルベールさん、リックさん、ロマさん。(五十音順)
本当にありがとうございました!
いやーそれにしてもこれだけ書くと疲れますね。
しばらくはこんな機会もないと思いますが、また機会があればよろしくお願いします。
「ちょっと、私にも喋らせなさいよ!」
おっと、話に出てきた方からも皆にお礼が言いたいそうです。
どうぞ!
デボラ
「こんなお話に最後まで付き合うなんてお人好しというか、暇というか。
ま、そのおかげでカズも喜んでたみたいだし?一応、お礼だけは言っとくわ。サンキュー」
テル
「僕やお父さん、そしてみんなの活躍、楽しんでくれた?
僕も早くお父さんみたいになりたいんだ。だから、これからも応援してね!」
ユナ
「あ、あの…。どうもありがとうございました。
皆さんの声、暖かかったです」
パパス&マーサ
「私の自慢の息子が皆に認められておる。こんなに嬉しいことはないわい!ワッハッハ」
「ええ。こんな素敵な方達が見守っていてくださるんだから、カズは幸せ者ね」
サンチョ
「カズ様に目をつけられるとは、皆様もお目が高い。さすがですね。
皆様の応援で、これからのグランバニアは安泰ですよ」
ビアンカ
「最後にカズの傍にいられなかったのが残念だけど…
カズが幸せならいいわ!みんな、アリガト!」
フローラ
「動物に好かれる方に悪い人はいませんもの。その中でもカズさんは特に素晴らしい方でしたわ。
カズさんを助けてくれてありがとうございました」
ヘンリー&マリア
「魔界の王を倒したって?やるなーカズ。でも、応援がなきゃ駄目だったかもな」
「アナタ、そんなことを言わないの。でも、皆さんの力は大きかったですわ。ありがとうございます」
ルドマン
「おお、カズはわしの見込んだ通りの男じゃったな。
これで我が家系も安心じゃ。これも皆のおかげ、礼を言うぞ」
マスタードラゴン
「神は人々を作り出した。人々は心を、そして絆を。
その力は神々をも超える、か。見事だ、カズ。そして、カズを支えてくれた皆も」
ボロンゴ(魔物代表)
「…カ」
おや、ボロンゴが人間の言葉を覚えたようです。
聞いてみましょう。
「カズユナセンセイノ ジカイサクニ ゴキタイクダサイ!」
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ドラクエV小説風プレイ日記⑮
2008年08月03日
さて。
休んでいた分ペースアップして本日二話目です。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 「 終わらない悲劇 」
第八話 「 希望という名の光 」
第九話 「 助けあうということ 」
第十話 「 過去の世界 」
第十一話 「 世界を治める竜 」
第十二話 「 戻ってきた安らぎ 」
第十三話 「 強き思い 」
第十四話 「 無情なる審判 」
第十五話 『 何故 』
何故(なぜ)?
疑問を表すために最低限必要となるであろう二文字。
その二文字が僕の頭から離れなかった。
何故?
僕の前に、いつもこいつがいるのは何故だ?
何故?
僕に降りかかる悲劇が起きる時、いつもこいつがいるのは何故だ?
最初は「父の惨殺」だった。
二度目は「妻との別れ」だった。
そして、今度はやっと出会えた母との…。
「ゲマ!!」
僕は叫んでいた。いや、”僕達”は叫んでいた。
ありったけの声で。叫ぼうと思って叫んだんじゃない。
それは、きっと皆同じだったと思う。
周りを取り囲む僕達の形相を見ても顔色一つ変えずゲマは口を開く。
「この女が余計なことを考えるから悪いのです。
魔界と地上を繋ぐ扉を開くことだけを考えていればよかったものを。
全く、愚かな女…」
ゲマの言葉を終わりまで聞こうともせず、僕は武器を手にとりゲマへと飛び掛っていた。
「愚かな女」
僕にとっては十分だったから。
僕にとって戦闘開始を意味するには十分すぎる言葉だったからだ。
僕の攻撃を受払い、ゲマは溜息をつきながら言葉を口にする。
「やれやれ、パパスはもっと礼儀正しい戦士でしたがね。
どうも貴方は彼の血を引き継いではいないようだ」
黙れ。黙れ黙れ黙れ!
貴様が父の名を口にするな!
最早、怒りで言葉にさえ出なかった。
その怒りを抱えたまま、再びゲマへと飛び掛ろうとした時だ。
「待ちなさい、カズ!」
僕を止めたのは一人の女性の声。
その声は透き通っており、怒りで我を忘れた僕の頭にさえ、はっきりと染み込んだ。
それは、愛しい妻デボラの声だった。
「アンタの憎しみは分かるわ。自分の大切な人を奪った相手だものね。
でも、だからといって怒りに身を任せては駄目。それじゃあ、ここの魔物達と変わらない。
きっと、こいつもミルドラースだって倒せない」
確かにそうだ。我を忘れた攻撃は、いつものように体をスムーズに動かしてくれない。
先ほどの攻撃を終えた僕自身が一番分かっていたことだった。
だが、この感情をどうすれば。どうすればいいというんだ、デボラ…?
僕は、訴えかけるような目でデボラを見つめていた。
言葉にはしていないはずだが、僕の気持ちを汲み取ったかのようにデボラは言う。
「忘れないで。大切なものはここにあるわ。
大切な子供達、テルとユナ。貴方の成長を見守ってくれたサンチョ。
そして、多くの魔物達と築いてきた絆」
僕の理解を待っていたのか、一呼吸おいて言葉を続ける。
「この大切なものはね、アンタだから守ることが出来たんじゃないの?
アンタがアンタらしくなくなったらね、もう守ることは出来なくなってしまうわ。
それでもいいの?…なんて、聞かなくても分かってるわよね。
そうよ。分かったらシャンとしなさい!」
---効いた。
今まで受けたどんな攻撃よりも深く重かった。
それでも、邪悪な者から受ける攻撃とは異なる点が二つある。
一つは、身体にではなく心に響いたこと。
もう一つは、僕の体力を奪ったのではなく力を与えてくれたこと。
数刻前と同じく、再び僕の頭にはよぎっていた。
疑問を表す”何故”の二文字が。
何故?
君の言葉を聞くと、いつも力が溢れてくるのは何故だ?
何故?
君の言葉で、いつも大事なことに気づくのは何故だ?
先ほどとは違い、答が分かっていた僕はデボラに向かって”解答”を口にした。
怒りを振り払い、笑顔を取り戻した顔で。
「ああ。そうだな。
そうしなければ大切なデボラを守ることが出来ないものな」
デボラは、照れ隠しなのだろうか笑いながら応えた。
「…バーカ、そんな当たり前のことに気づくのに時間かけてんじゃないわよ」
僕は皆へと向けて語りかける。
「悪かった、皆。今こそ力を合わせて戦うべきだった。
未熟な僕だけど、皆の力を貸してくれ」
真っ先に反応したのはテルとユナだ。
「うん!ここまで来たんだからさ、皆の力を合わせれば大丈夫だよね」
「優しい顔してる。さっきまでのお父さんは怖かったけど、今はいつもどおりのお父さん…」
業を煮やしたようにゲマが口を開く。
「カズ、茶番はそろそろいいですか。
私も暇ではないのです。さっさと終わらせたいのですがね」
「ああ、お望みどおりに早く終わらせるとしよう。
ただし、勝つのは僕達だ!」
本来の力を存分に発揮出来る場所ということもあり、ゲマの攻撃は熾烈を極めた。
口からは燃え盛る火炎を吐き出し、強大な魔力は僕達に苦戦を強いた。
だが、僕達もあの頃のままではなかった。
勇者であるテルを初めとして、皆素晴らしい成長を遂げてきた。
僕の力が、僕達の力が徐々にゲマを追い詰めていく。
そして、遂に。
「終わりだ、ゲマ!」
ユナのバイキルト(攻撃力倍化魔法)を受けた僕の攻撃がゲマへの止めとなった。
ゲマの体は断末魔とともに消えた。以前のように”どこかへ”消えたのではない。
確実に、この世界から消えたのだ。
因縁の相手を倒したことに安堵の溜息を漏らしていた僕に語りかける声があった。
その声は優しく穏やかな、そして二度と聞くことが出来ないと思っていた声だった。
「やりましたね。カズ。
さすがは父さんの息子です。母さんも貴方の母親であることに誇りを持てます。
…ですが、私はもう長くないようです。
どうか、最後に貴方の顔をよく見せて下さい」
「ああ、もちろん。もちろんだよ…」
僕の横では、デボラが”行ってあげなさいよ”と促していた。
当然、僕は促されるまでもなく駆け出していた。
あと三歩で母さんの元へと辿り着く。
最後かもしれないけれど、やっと待ち望んだ瞬間がやってくる。
---だが、運命は再び僕と母さんを引き裂いた。
今度は雷ではなく、火炎が母へと襲い掛かった。
業火に身を包まれ悲鳴をあげる母。
全てを焼き尽くした後に訪れた静寂。
静寂からは、二度と母の言葉が聞こえてくることはなかった。
言葉を失っていた僕達に対して語りかける声。
「最初からその女などはどうでもよかったのだ。
我が真の力を得ることさえ出来れば、魔界と地上を繋ぐ扉を壊すことなどはたやすい。
お前達は歯向かうのか。絶対的な力を持つ我に。
あくまで抵抗するというのならば、我が待つ場所までくるがよい。…殺されにな」
僕は忘れない。
忘れることなんて出来ない。
この声がミルドラースが放ったものだったから?
違う。
僕を愛してくれた母さん。
その母さんが望んだ瞬間を葬り去った者の声だったから。
気づけば、僕の頭には再び舞い戻っていた。
一度は消し去ったはずの二文字が…。
Next Story is 最終話 「 受け継がれし意志 」
■休日の過ごし方
管理人、土曜日は映画鑑賞。
世界中が待ち望んだジブリの最新作。
予想していたのとは全く少しだけ違ったけど、これは伝説に残る!
崖っぷちのエガ
批判も沢山あるだろうけど、管理人は大好きだ。
「笑わせること」に命を削ってる感じがするから(それが下品かどうかはおいといて)
最近、そんな芸人少ないよね。
「江頭は最強!」という方、または
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休んでいた分ペースアップして本日二話目です。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 「 終わらない悲劇 」
第八話 「 希望という名の光 」
第九話 「 助けあうということ 」
第十話 「 過去の世界 」
第十一話 「 世界を治める竜 」
第十二話 「 戻ってきた安らぎ 」
第十三話 「 強き思い 」
第十四話 「 無情なる審判 」
第十五話 『 何故 』
何故(なぜ)?
疑問を表すために最低限必要となるであろう二文字。
その二文字が僕の頭から離れなかった。
何故?
僕の前に、いつもこいつがいるのは何故だ?
何故?
僕に降りかかる悲劇が起きる時、いつもこいつがいるのは何故だ?
最初は「父の惨殺」だった。
二度目は「妻との別れ」だった。
そして、今度はやっと出会えた母との…。
「ゲマ!!」
僕は叫んでいた。いや、”僕達”は叫んでいた。
ありったけの声で。叫ぼうと思って叫んだんじゃない。
それは、きっと皆同じだったと思う。
周りを取り囲む僕達の形相を見ても顔色一つ変えずゲマは口を開く。
「この女が余計なことを考えるから悪いのです。
魔界と地上を繋ぐ扉を開くことだけを考えていればよかったものを。
全く、愚かな女…」
ゲマの言葉を終わりまで聞こうともせず、僕は武器を手にとりゲマへと飛び掛っていた。
「愚かな女」
僕にとっては十分だったから。
僕にとって戦闘開始を意味するには十分すぎる言葉だったからだ。
僕の攻撃を受払い、ゲマは溜息をつきながら言葉を口にする。
「やれやれ、パパスはもっと礼儀正しい戦士でしたがね。
どうも貴方は彼の血を引き継いではいないようだ」
黙れ。黙れ黙れ黙れ!
貴様が父の名を口にするな!
最早、怒りで言葉にさえ出なかった。
その怒りを抱えたまま、再びゲマへと飛び掛ろうとした時だ。
「待ちなさい、カズ!」
僕を止めたのは一人の女性の声。
その声は透き通っており、怒りで我を忘れた僕の頭にさえ、はっきりと染み込んだ。
それは、愛しい妻デボラの声だった。
「アンタの憎しみは分かるわ。自分の大切な人を奪った相手だものね。
でも、だからといって怒りに身を任せては駄目。それじゃあ、ここの魔物達と変わらない。
きっと、こいつもミルドラースだって倒せない」
確かにそうだ。我を忘れた攻撃は、いつものように体をスムーズに動かしてくれない。
先ほどの攻撃を終えた僕自身が一番分かっていたことだった。
だが、この感情をどうすれば。どうすればいいというんだ、デボラ…?
僕は、訴えかけるような目でデボラを見つめていた。
言葉にはしていないはずだが、僕の気持ちを汲み取ったかのようにデボラは言う。
「忘れないで。大切なものはここにあるわ。
大切な子供達、テルとユナ。貴方の成長を見守ってくれたサンチョ。
そして、多くの魔物達と築いてきた絆」
僕の理解を待っていたのか、一呼吸おいて言葉を続ける。
「この大切なものはね、アンタだから守ることが出来たんじゃないの?
アンタがアンタらしくなくなったらね、もう守ることは出来なくなってしまうわ。
それでもいいの?…なんて、聞かなくても分かってるわよね。
そうよ。分かったらシャンとしなさい!」
---効いた。
今まで受けたどんな攻撃よりも深く重かった。
それでも、邪悪な者から受ける攻撃とは異なる点が二つある。
一つは、身体にではなく心に響いたこと。
もう一つは、僕の体力を奪ったのではなく力を与えてくれたこと。
数刻前と同じく、再び僕の頭にはよぎっていた。
疑問を表す”何故”の二文字が。
何故?
君の言葉を聞くと、いつも力が溢れてくるのは何故だ?
何故?
君の言葉で、いつも大事なことに気づくのは何故だ?
先ほどとは違い、答が分かっていた僕はデボラに向かって”解答”を口にした。
怒りを振り払い、笑顔を取り戻した顔で。
「ああ。そうだな。
そうしなければ大切なデボラを守ることが出来ないものな」
デボラは、照れ隠しなのだろうか笑いながら応えた。
「…バーカ、そんな当たり前のことに気づくのに時間かけてんじゃないわよ」
僕は皆へと向けて語りかける。
「悪かった、皆。今こそ力を合わせて戦うべきだった。
未熟な僕だけど、皆の力を貸してくれ」
真っ先に反応したのはテルとユナだ。
「うん!ここまで来たんだからさ、皆の力を合わせれば大丈夫だよね」
「優しい顔してる。さっきまでのお父さんは怖かったけど、今はいつもどおりのお父さん…」
業を煮やしたようにゲマが口を開く。
「カズ、茶番はそろそろいいですか。
私も暇ではないのです。さっさと終わらせたいのですがね」
「ああ、お望みどおりに早く終わらせるとしよう。
ただし、勝つのは僕達だ!」
本来の力を存分に発揮出来る場所ということもあり、ゲマの攻撃は熾烈を極めた。
口からは燃え盛る火炎を吐き出し、強大な魔力は僕達に苦戦を強いた。
だが、僕達もあの頃のままではなかった。
勇者であるテルを初めとして、皆素晴らしい成長を遂げてきた。
僕の力が、僕達の力が徐々にゲマを追い詰めていく。
そして、遂に。
「終わりだ、ゲマ!」
ユナのバイキルト(攻撃力倍化魔法)を受けた僕の攻撃がゲマへの止めとなった。
ゲマの体は断末魔とともに消えた。以前のように”どこかへ”消えたのではない。
確実に、この世界から消えたのだ。
因縁の相手を倒したことに安堵の溜息を漏らしていた僕に語りかける声があった。
その声は優しく穏やかな、そして二度と聞くことが出来ないと思っていた声だった。
「やりましたね。カズ。
さすがは父さんの息子です。母さんも貴方の母親であることに誇りを持てます。
…ですが、私はもう長くないようです。
どうか、最後に貴方の顔をよく見せて下さい」
「ああ、もちろん。もちろんだよ…」
僕の横では、デボラが”行ってあげなさいよ”と促していた。
当然、僕は促されるまでもなく駆け出していた。
あと三歩で母さんの元へと辿り着く。
最後かもしれないけれど、やっと待ち望んだ瞬間がやってくる。
---だが、運命は再び僕と母さんを引き裂いた。
今度は雷ではなく、火炎が母へと襲い掛かった。
業火に身を包まれ悲鳴をあげる母。
全てを焼き尽くした後に訪れた静寂。
静寂からは、二度と母の言葉が聞こえてくることはなかった。
言葉を失っていた僕達に対して語りかける声。
「最初からその女などはどうでもよかったのだ。
我が真の力を得ることさえ出来れば、魔界と地上を繋ぐ扉を壊すことなどはたやすい。
お前達は歯向かうのか。絶対的な力を持つ我に。
あくまで抵抗するというのならば、我が待つ場所までくるがよい。…殺されにな」
僕は忘れない。
忘れることなんて出来ない。
この声がミルドラースが放ったものだったから?
違う。
僕を愛してくれた母さん。
その母さんが望んだ瞬間を葬り去った者の声だったから。
気づけば、僕の頭には再び舞い戻っていた。
一度は消し去ったはずの二文字が…。
Next Story is 最終話 「 受け継がれし意志 」
■休日の過ごし方
管理人、土曜日は映画鑑賞。
世界中が待ち望んだジブリの最新作。
予想していたのとは
崖っぷちのエガ
批判も沢山あるだろうけど、管理人は大好きだ。
「笑わせること」に命を削ってる感じがするから(それが下品かどうかはおいといて)
最近、そんな芸人少ないよね。
「江頭は最強!」という方、または
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ドラクエV小説風プレイ日記⑭
2008年08月03日
お早うございます!(もうそんなに早くないけど…
ようやく続きが書けましたのでアップ致します。
お時間のある時にでもお読みくだされば幸いです。
では、どうぞ~。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 「 終わらない悲劇 」
第八話 「 希望という名の光 」
第九話 「 助けあうということ 」
第十話 「 過去の世界 」
第十一話 「 世界を治める竜 」
第十二話 「 戻ってきた安らぎ 」
第十三話 「 強き思い 」
第十四話 『 無情なる審判 』
ジャハンナの町を遠ざかるにつれて、大気の澱みは増していき大地も荒れ果てていく。
同時に凶悪な魔物に襲われる機会も増えた。
それでも、僕達はお互いを助けながら遂に最終目的となるであろう場所へとたどり着くことが出来た。
---エビルマウンテン
大神殿でイブールが口にした”ミルドラース”。
元人間が執念で魔物となり、魔界を治める王となった。---と、ジャハンナで聞くことが出来た。
今までに出会ったどの魔物よりも強大で邪悪な存在なのは間違いないだろう。
だが、僕達は負けるわけにはいかない。
「ここにきっと母がいるはずだ。さぁ、助けにいこう!」
僕達の目的はまだ終わっていないのだから。
もちろん、その思いは僕だけではなく皆の心も僕と同じだった。
魔王の住む居城なだけあって魔物達の強さは凄まじいものがあった。
僕達は傷ついた者を馬車で休ませ、その間は傷の癒えた者が戦うという「総力戦」を余儀なくされた。
馬車の中で回復を図っていたデボラが僕に向かって言った。
「私や私の大事な家族がさ、こんな大変な目にあってるのは全部ミルドラースのせいなのよね?
そう考えると腹が立ってくるわね…。この怒り、全部ミルドラースにぶつけてやるわ!」
馬車の外にいても中にいてもデボラの存在は大きかった。
僕にとっても、もちろん子供達や他の者達にとっても。
テルに到っては、ほとんど馬車で休むこともなく魔物達を撃退していた。
勇者の力を如何なく発揮させて僕達の道を切り開くテルに
感謝の気持ちを持つとともに、息子を見る親としては心配するなというのは無理な話だった。
「大丈夫か?テル。少し休んだほうがいいんじゃないか」
休憩を促す僕に笑顔で答えるテル。
「ううん、大丈夫だよ!力がね、溢れてきてるんだ!」
テルの元気そうな様子に安心していた時に、ユナが何かに気づいた。
「お父さん、声が聞こえるよ。すごく、すごく優しい声…。」
耳を澄ますと確かに聞こえる。
澱みのない透き通った声は、周りの邪悪な気配を切り裂くように
僕達の元まではっきりと聞こえていた。
その声は一人の女性が発していたものだった。
祭壇に立ち、暗雲立ち込める空へと向かって祈りを捧げる女性。
その姿は凛々しく、邪悪な世界にいながら神々しさを一片も失っていない。
ああ、そうだ。
見間違うはずがない。
「母さん!」
僕達の声に気づいたマーサは祈りを中断させて振り向いた。
慈愛に満ちた表情は僕の想像していた通り…いや、それ以上の暖かさで溢れていた。
「カズ…。ああ、もう会うことはないであろうと思っていたのに。
すぐにでも貴方の元に駆け寄って抱きしめたい」
本音を呟いたマーサであったが、その気持ちを押し込めて言葉を続ける。
「ですが、母にはやらねばならないことがあります。
それは、邪悪の化身となってしまったミルドラースの力を押さえ込むこと。
そうすれば、きっと貴方達の助けになるはずです。
だから、もう少し。もう少しだけ待っていて」
そう言うと再び祈りを再開させるマーサ。
その後姿を見ながら、いつしか僕は涙を流していた。
素晴らしい力を持っているが故に不自由で理不尽な生活を強いられた母。
しかし、決して周りを恨むことなく、助けようとさえ考えるその姿に。
いいんだ。もう母さんは自分の事だけ考えていればいいんだよ。
後は僕達が何とかするから…。
心の中で思っていることを口に出そうとするのだが、中々言葉に出来ない。
感謝と尊敬の念から生まれる涙が、僕の行為を阻んでいた。
そして僕はある思いに駆られていた。
きっと、母さんは僕達が来なくても無事だったかもしれない。
だって、そうじゃないか。こんな素晴らしい人を神が見殺しにするわけがない。
僕の気持ちをあざ笑うかのように、眼前に一筋の雷光が降り注いだ。
大神殿でイブールへと落ちた雷と全く同じもの。
「嘘だ…」
母に対する審判は、僕達の目の前で下された。
それは、僕達の信じていた神の審判ではなく、無情なる悪魔の審判だった…。
Next Story is 第十五話 「 何故 」
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えー久しぶり(といっても数日ぶりですが)にアップしました十四話。
少し休んでしまうと中々書き出せませんね。やはり、短編もしくは短期集中のほうが合ってるかも。
それでも一生懸命執筆しましたので楽しんでいただければ幸いです。
話は変わりますけれど。
先日、ブログランキングというものに参加してみました。
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では、また十五話(もしくは違う記事)でお会いしましょう!
ようやく続きが書けましたのでアップ致します。
お時間のある時にでもお読みくだされば幸いです。
では、どうぞ~。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 「 終わらない悲劇 」
第八話 「 希望という名の光 」
第九話 「 助けあうということ 」
第十話 「 過去の世界 」
第十一話 「 世界を治める竜 」
第十二話 「 戻ってきた安らぎ 」
第十三話 「 強き思い 」
第十四話 『 無情なる審判 』
ジャハンナの町を遠ざかるにつれて、大気の澱みは増していき大地も荒れ果てていく。
同時に凶悪な魔物に襲われる機会も増えた。
それでも、僕達はお互いを助けながら遂に最終目的となるであろう場所へとたどり着くことが出来た。
---エビルマウンテン
大神殿でイブールが口にした”ミルドラース”。
元人間が執念で魔物となり、魔界を治める王となった。---と、ジャハンナで聞くことが出来た。
今までに出会ったどの魔物よりも強大で邪悪な存在なのは間違いないだろう。
だが、僕達は負けるわけにはいかない。
「ここにきっと母がいるはずだ。さぁ、助けにいこう!」
僕達の目的はまだ終わっていないのだから。
もちろん、その思いは僕だけではなく皆の心も僕と同じだった。
魔王の住む居城なだけあって魔物達の強さは凄まじいものがあった。
僕達は傷ついた者を馬車で休ませ、その間は傷の癒えた者が戦うという「総力戦」を余儀なくされた。
馬車の中で回復を図っていたデボラが僕に向かって言った。
「私や私の大事な家族がさ、こんな大変な目にあってるのは全部ミルドラースのせいなのよね?
そう考えると腹が立ってくるわね…。この怒り、全部ミルドラースにぶつけてやるわ!」
馬車の外にいても中にいてもデボラの存在は大きかった。
僕にとっても、もちろん子供達や他の者達にとっても。
テルに到っては、ほとんど馬車で休むこともなく魔物達を撃退していた。
勇者の力を如何なく発揮させて僕達の道を切り開くテルに
感謝の気持ちを持つとともに、息子を見る親としては心配するなというのは無理な話だった。
「大丈夫か?テル。少し休んだほうがいいんじゃないか」
休憩を促す僕に笑顔で答えるテル。
「ううん、大丈夫だよ!力がね、溢れてきてるんだ!」
テルの元気そうな様子に安心していた時に、ユナが何かに気づいた。
「お父さん、声が聞こえるよ。すごく、すごく優しい声…。」
耳を澄ますと確かに聞こえる。
澱みのない透き通った声は、周りの邪悪な気配を切り裂くように
僕達の元まではっきりと聞こえていた。
その声は一人の女性が発していたものだった。
祭壇に立ち、暗雲立ち込める空へと向かって祈りを捧げる女性。
その姿は凛々しく、邪悪な世界にいながら神々しさを一片も失っていない。
ああ、そうだ。
見間違うはずがない。
「母さん!」
僕達の声に気づいたマーサは祈りを中断させて振り向いた。
慈愛に満ちた表情は僕の想像していた通り…いや、それ以上の暖かさで溢れていた。
「カズ…。ああ、もう会うことはないであろうと思っていたのに。
すぐにでも貴方の元に駆け寄って抱きしめたい」
本音を呟いたマーサであったが、その気持ちを押し込めて言葉を続ける。
「ですが、母にはやらねばならないことがあります。
それは、邪悪の化身となってしまったミルドラースの力を押さえ込むこと。
そうすれば、きっと貴方達の助けになるはずです。
だから、もう少し。もう少しだけ待っていて」
そう言うと再び祈りを再開させるマーサ。
その後姿を見ながら、いつしか僕は涙を流していた。
素晴らしい力を持っているが故に不自由で理不尽な生活を強いられた母。
しかし、決して周りを恨むことなく、助けようとさえ考えるその姿に。
いいんだ。もう母さんは自分の事だけ考えていればいいんだよ。
後は僕達が何とかするから…。
心の中で思っていることを口に出そうとするのだが、中々言葉に出来ない。
感謝と尊敬の念から生まれる涙が、僕の行為を阻んでいた。
そして僕はある思いに駆られていた。
きっと、母さんは僕達が来なくても無事だったかもしれない。
だって、そうじゃないか。こんな素晴らしい人を神が見殺しにするわけがない。
僕の気持ちをあざ笑うかのように、眼前に一筋の雷光が降り注いだ。
大神殿でイブールへと落ちた雷と全く同じもの。
「嘘だ…」
母に対する審判は、僕達の目の前で下された。
それは、僕達の信じていた神の審判ではなく、無情なる悪魔の審判だった…。
Next Story is 第十五話 「 何故 」
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えー久しぶり(といっても数日ぶりですが)にアップしました十四話。
少し休んでしまうと中々書き出せませんね。やはり、短編もしくは短期集中のほうが合ってるかも。
それでも一生懸命執筆しましたので楽しんでいただければ幸いです。
話は変わりますけれど。
先日、ブログランキングというものに参加してみました。
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では、また十五話(もしくは違う記事)でお会いしましょう!
ドラクエV小説風プレイ日記⑬
2008年07月29日
--- 今更ながら取り上げてみる …軽くね ---
マジコンって知ってますか?
ソフトのROMを抽出して、ソフトなしでプレイできる機器。
まぁ、いわゆる違法行為ですけど。
ドラクエVではマジコンを使ったプレイをすると最初の航海が終わらないというトラップがあり
まさにスクエニからマジコンユーザに対する
「後悔しろ!(航海しろ)」
という叫びだったので、スクエニGJ!と個人的に思っていました。
そして、とうとう任天堂も立ち上がったようですね。
ニンテンドーDSで動作する「マジコン」を販売する5社を提訴
マジコン販売者を提訴した模様です。
それにしてもマジコン販売会社の代表取締役の5名に思わず吹いてしまった。
…というか安心したというか。
全て外国の方でございますな。ええ。
管理人はブログ名からも分かる通りのゲーム大好き人間ですので
面白いゲームを作ってくれた会社には相応の対価を支払うべきだと考えます。
そして更にゲーム業界が盛り上がっていって欲しいと思う所存でございます。
まとめると。
皆さん、ゲームは購入して楽しみましょう。
お兄さんとの約束だぜ?
ってことです。
短いですが以上!
さて、十三話ですよ~。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 「 終わらない悲劇 」
第八話 「 希望という名の光 」
第九話 「 助けあうということ 」
第十話 「 過去の世界 」
第十一話 「 世界を治める竜 」
第十二話 「 戻ってきた安らぎ 」
第十三話 『 強き思い 』
「魔界への扉を開くためには三つのリングが必要だ」
エルヘブンを訪れた時、耳に入ってきた言葉だった。
そして、今僕達は全てのリングを手に入れることが出来た。
僕とデボラが結婚指輪としている”ほのおのリング”、”みずのリング”。
そして、大神殿で手に入れた”いのちのリング”。
左手の小指にある”みずのリング”を見つめてデボラが言う。
「それにしても、必要なリングの内、二つが私達の結婚指輪なのよね。
やっぱり、アンタは私のしもべになるべき男だったのよ。ええ、そうに違いないわ!」
「うん、そうだな。やっぱり僕達は結婚する運命だったんだよ」
デボラが茶化した言葉に対して真面目に答える僕。
「ば、バカ。そんなこと真剣な顔で言うんじゃないわよ!」
頬がほんのり朱に染まったデボラに対して子供達が話しかけてきた。
「あれ、お母さん、顔赤いよ?」
「大丈夫?風邪?」
子供達に悟られまいと気丈にふるまうデボラ。
「大丈夫、大丈夫!さぁ、さっさと魔界へ行って魔王とやらをぶっとばすわよ!」
「うん!」
「はい!」
母親の無事を確認して大きな声で答える子供達。
親子4人の平和な会話。こんな日々が続いていけばいいと思う。
だからこそ、僕達は成さねばならないことがあるのだ。
「ここ、だな」
魔界へと通じる扉に三つのリングを捧げると、押しても引いてもびくともしなかった扉が光り始めた。
光が弱くなり始めると同時に、扉は自ら開き始めた。まるで僕達を手招きするように。
僕にはデボラがいる。子供達もいる。サンチョもいる。
そして、共に戦い抜いてきた魔物達もいる。
恐れることは何もない。
臆せずに魔界への一歩を僕達は踏み出した。
魔界へと足を踏み入れた僕達が最初に耳にしたものは
奇怪な魔物の声でもなく、地獄の業火がたぎる音でもなく
僕が最も聞いてみたかった人からの声だった。
「ついに、ここまできてしまったのですね。カズ…。
貴方には強い意志がある。そして、頼もしい仲間達がいる。
もう母は止めません。貴方と会えることを願っています」
それは不思議な感覚だった。
はっきりどこから聞こえたという感じではなく、直接頭に響いてくる声だった。
ただ、僕にとって”どこから聞こえたか”は大した問題ではなかった。
大事なことは、この声で僕の気持ちが固められたということに他ならない。
揺ぎ無い決意を更に強固にするために、これ以上の言葉があるだろうか。
…いや、ない。
誰よりも欲していた、どんな言葉よりも待ち望んでいた言葉だったのだから。
母マーサへの思いを心で呟いていた時に、デボラが僕の肩へ手を置き優しく語り掛ける。
「アンタのお母さん、ね?優しい声だったわね。…さぁ、さっさと助けに行くわよ!」
デボラの声により、未知なる領域へと踏み出した僕達を迎え入れてくれたのは一つの町。
それは、魔界にあるとは思えないような澄んだ水が流れる暖かな町に思えた。
その疑問は、入り口に立っていた方の言葉で解決することになる。
「ようこそ、魔界で唯一の町”ジャハンナ”へ。
ここは、マーサ様がお作りになられた町でございます。
そして、その御力で魔物達から町を守ってくださっているのです」
その言葉に反応する子供達。
「おばあちゃんが作ったの?すごいなぁ」
「ここに居る人たち、皆優しい顔してる。…なんだか嬉しいな」
今度はユナの”人”という言葉に町民が反応した。
「いえ、この町に住む人たちは、元々は魔物だったのでございます。
マーサ様のお力で改心した魔物達を、貴方方と同じく人間の姿になさったのですよ」
「魔物を従えるだけじゃなく人間にした、ですって?
さすがアンタの母親なだけあるわ。スケールが違うけどね」
デボラが素直に感心しながら口を開いた。
全くその通りだ。僕とは力が違いすぎる。
そして、なんという暖かい心を持っている人なんだ…。
母マーサには敵わない。遠く及ばない…。
そんな気持ちを隠しきれていなかったのかもしれない。
少し強い口調でデボラが話しかけてきた。
「アンタの母親は素晴らしい人だと思う。
だけど、アンタにしか出来ないことだってあるわ。
それは、”その素晴らしい母親を助ける”ということ」
僕の顔を真剣な表情で見つめて言葉を紡ぐデボラ。
「いい?これは貴方じゃなければ駄目なの。
息子である貴方じゃなきゃね。
そして、その為に必要と言うのならば私も協力するわ。
もちろん、テルとユナも。そうよね?二人とも」
子供達のほうを向いたデボラの声に元気良く答える二人。
「当たり前さ!お父さんとお母さんを助けたんだから、次はおばあちゃんを助けるんだ」
「うん!だって、早くおばあちゃんに会いたいもの!」
再び僕のほうを振り返り、笑顔になるデボラ。
「だってさ?で、アンタはどうするの?
…って、その顔見たら答は聞かなくても良さそうね。
そう。貴方はその顔が一番似合ってるのよ。私と出会った時のその顔が、ね」
---ありがとう
僕は言葉にはせずに心の中で呟いていた。
感謝の言葉を何故口に出さなかったのか不思議だった。
しかし、後から思い返せば思いの表れだったのかもしれない。
「言葉ではなく行動で示さなければならない」
優しく頼りになる家族達への強き思いの、ね。
Next Story is 第十四話 「 無情なる審判 」
■十三話を終えて
いやー今日は予想外の残業で時間が取れなかったんですが、なんとかアップです。
というのも、明日からは新作ゲームにとりかかるので…。
おそらく、次のアップは早くて週末でしょうか。
今までコメントしていただいた方、読んでくださっている方には申し訳ないのですが
ご了承ください。(ペコリ
そんなkazuyunaファンの方(勝手に言ってますが)は昔書いた短編小説でもどうぞ!
FF3DSを舞台とした二作です。
悠久の風を受けながら
貴方がいたから
既に二作とも読んでる、新作が読みたいんだぁーというコアなファンの方は
(…まさかいないとは思いますが)
えーと、えーと…。
も、もう少しだけ待っててくださいね!(トンズラ
マジコンって知ってますか?
ソフトのROMを抽出して、ソフトなしでプレイできる機器。
まぁ、いわゆる違法行為ですけど。
ドラクエVではマジコンを使ったプレイをすると最初の航海が終わらないというトラップがあり
まさにスクエニからマジコンユーザに対する
「後悔しろ!(航海しろ)」
という叫びだったので、スクエニGJ!と個人的に思っていました。
そして、とうとう任天堂も立ち上がったようですね。
ニンテンドーDSで動作する「マジコン」を販売する5社を提訴
マジコン販売者を提訴した模様です。
それにしてもマジコン販売会社の代表取締役の5名に思わず吹いてしまった。
…というか安心したというか。
全て外国の方でございますな。ええ。
管理人はブログ名からも分かる通りのゲーム大好き人間ですので
面白いゲームを作ってくれた会社には相応の対価を支払うべきだと考えます。
そして更にゲーム業界が盛り上がっていって欲しいと思う所存でございます。
まとめると。
皆さん、ゲームは購入して楽しみましょう。
お兄さんとの約束だぜ?
ってことです。
短いですが以上!
さて、十三話ですよ~。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 「 終わらない悲劇 」
第八話 「 希望という名の光 」
第九話 「 助けあうということ 」
第十話 「 過去の世界 」
第十一話 「 世界を治める竜 」
第十二話 「 戻ってきた安らぎ 」
第十三話 『 強き思い 』
「魔界への扉を開くためには三つのリングが必要だ」
エルヘブンを訪れた時、耳に入ってきた言葉だった。
そして、今僕達は全てのリングを手に入れることが出来た。
僕とデボラが結婚指輪としている”ほのおのリング”、”みずのリング”。
そして、大神殿で手に入れた”いのちのリング”。
左手の小指にある”みずのリング”を見つめてデボラが言う。
「それにしても、必要なリングの内、二つが私達の結婚指輪なのよね。
やっぱり、アンタは私のしもべになるべき男だったのよ。ええ、そうに違いないわ!」
「うん、そうだな。やっぱり僕達は結婚する運命だったんだよ」
デボラが茶化した言葉に対して真面目に答える僕。
「ば、バカ。そんなこと真剣な顔で言うんじゃないわよ!」
頬がほんのり朱に染まったデボラに対して子供達が話しかけてきた。
「あれ、お母さん、顔赤いよ?」
「大丈夫?風邪?」
子供達に悟られまいと気丈にふるまうデボラ。
「大丈夫、大丈夫!さぁ、さっさと魔界へ行って魔王とやらをぶっとばすわよ!」
「うん!」
「はい!」
母親の無事を確認して大きな声で答える子供達。
親子4人の平和な会話。こんな日々が続いていけばいいと思う。
だからこそ、僕達は成さねばならないことがあるのだ。
「ここ、だな」
魔界へと通じる扉に三つのリングを捧げると、押しても引いてもびくともしなかった扉が光り始めた。
光が弱くなり始めると同時に、扉は自ら開き始めた。まるで僕達を手招きするように。
僕にはデボラがいる。子供達もいる。サンチョもいる。
そして、共に戦い抜いてきた魔物達もいる。
恐れることは何もない。
臆せずに魔界への一歩を僕達は踏み出した。
魔界へと足を踏み入れた僕達が最初に耳にしたものは
奇怪な魔物の声でもなく、地獄の業火がたぎる音でもなく
僕が最も聞いてみたかった人からの声だった。
「ついに、ここまできてしまったのですね。カズ…。
貴方には強い意志がある。そして、頼もしい仲間達がいる。
もう母は止めません。貴方と会えることを願っています」
それは不思議な感覚だった。
はっきりどこから聞こえたという感じではなく、直接頭に響いてくる声だった。
ただ、僕にとって”どこから聞こえたか”は大した問題ではなかった。
大事なことは、この声で僕の気持ちが固められたということに他ならない。
揺ぎ無い決意を更に強固にするために、これ以上の言葉があるだろうか。
…いや、ない。
誰よりも欲していた、どんな言葉よりも待ち望んでいた言葉だったのだから。
母マーサへの思いを心で呟いていた時に、デボラが僕の肩へ手を置き優しく語り掛ける。
「アンタのお母さん、ね?優しい声だったわね。…さぁ、さっさと助けに行くわよ!」
デボラの声により、未知なる領域へと踏み出した僕達を迎え入れてくれたのは一つの町。
それは、魔界にあるとは思えないような澄んだ水が流れる暖かな町に思えた。
その疑問は、入り口に立っていた方の言葉で解決することになる。
「ようこそ、魔界で唯一の町”ジャハンナ”へ。
ここは、マーサ様がお作りになられた町でございます。
そして、その御力で魔物達から町を守ってくださっているのです」
その言葉に反応する子供達。
「おばあちゃんが作ったの?すごいなぁ」
「ここに居る人たち、皆優しい顔してる。…なんだか嬉しいな」
今度はユナの”人”という言葉に町民が反応した。
「いえ、この町に住む人たちは、元々は魔物だったのでございます。
マーサ様のお力で改心した魔物達を、貴方方と同じく人間の姿になさったのですよ」
「魔物を従えるだけじゃなく人間にした、ですって?
さすがアンタの母親なだけあるわ。スケールが違うけどね」
デボラが素直に感心しながら口を開いた。
全くその通りだ。僕とは力が違いすぎる。
そして、なんという暖かい心を持っている人なんだ…。
母マーサには敵わない。遠く及ばない…。
そんな気持ちを隠しきれていなかったのかもしれない。
少し強い口調でデボラが話しかけてきた。
「アンタの母親は素晴らしい人だと思う。
だけど、アンタにしか出来ないことだってあるわ。
それは、”その素晴らしい母親を助ける”ということ」
僕の顔を真剣な表情で見つめて言葉を紡ぐデボラ。
「いい?これは貴方じゃなければ駄目なの。
息子である貴方じゃなきゃね。
そして、その為に必要と言うのならば私も協力するわ。
もちろん、テルとユナも。そうよね?二人とも」
子供達のほうを向いたデボラの声に元気良く答える二人。
「当たり前さ!お父さんとお母さんを助けたんだから、次はおばあちゃんを助けるんだ」
「うん!だって、早くおばあちゃんに会いたいもの!」
再び僕のほうを振り返り、笑顔になるデボラ。
「だってさ?で、アンタはどうするの?
…って、その顔見たら答は聞かなくても良さそうね。
そう。貴方はその顔が一番似合ってるのよ。私と出会った時のその顔が、ね」
---ありがとう
僕は言葉にはせずに心の中で呟いていた。
感謝の言葉を何故口に出さなかったのか不思議だった。
しかし、後から思い返せば思いの表れだったのかもしれない。
「言葉ではなく行動で示さなければならない」
優しく頼りになる家族達への強き思いの、ね。
Next Story is 第十四話 「 無情なる審判 」
■十三話を終えて
いやー今日は予想外の残業で時間が取れなかったんですが、なんとかアップです。
というのも、明日からは新作ゲームにとりかかるので…。
おそらく、次のアップは早くて週末でしょうか。
今までコメントしていただいた方、読んでくださっている方には申し訳ないのですが
ご了承ください。(ペコリ
そんなkazuyunaファンの方(勝手に言ってますが)は昔書いた短編小説でもどうぞ!
FF3DSを舞台とした二作です。
悠久の風を受けながら
貴方がいたから
既に二作とも読んでる、新作が読みたいんだぁーというコアなファンの方は
(…まさかいないとは思いますが)
えーと、えーと…。
も、もう少しだけ待っててくださいね!(トンズラ
ドラクエV小説風プレイ日記⑫
2008年07月28日
クラブニンテンドーから頼んでおいたグッズが届きました。
7色タッチペン&カードケース (クラブニンテンドー様より拝借)

相変わらずの対応の早さには頭が下がります。
いつもいつもありがとう。
さて、これで夏休みの持ち運びは楽になったぞ。
予定としては、ドラクエV、バンブラDX、リズム天国ゴールド、どき魔女、カドゥケウス2だな。
そんなに持って帰っても時間ないけど…。
さーて、十二話いきますか~。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 「 終わらない悲劇 」
第八話 「 希望という名の光 」
第九話 「 助けあうということ 」
第十話 「 過去の世界 」
第十一話 「 世界を治める竜 」
第十二話 『 戻ってきた安らぎ 』
世界が滅んでしまっても助かる場所。
世界で知らぬ者はいない、とまで言われている団体。
『光の教団』とはそういう集まりなのだ。
…と言われている。
僕達はマスタードラゴンの背に乗り、高山の頂に君臨する大神殿へとやってきた。
この場所こそが光の教団の住む神殿。
そして、僕が幼年期を過ごした場所であった。
「さぁ、ここからは自分達の足で歩むのだ。そして、自分達の目で真実を確かめるのだ」
マスタードラゴンからの言葉を受け、僕はゆっくりと歩を進めだした。
神殿へと向かう途中、ある小部屋で光り輝く鎧を発見した。
その鎧は、テルの持つ天空の装備と同様の輝きを放っていた。
鎧を護衛している魔物を見つけると僕は呟く。
「やはり、ここはそういう場所なのか…」
僕達に襲い掛かってきた魔物を退け、ついにテルは天空の装備を全て身につけた。
「…すごい。すごいよ、お父さん。力が沸きあがってくるんだ」
まさに”伝説の勇者”と呼ぶに相応しい姿だった。
僕は自慢の息子であるテルに笑顔を向け、皆へと言葉をかける。
「さぁ、行こう。きっと、この先に僕達が求める人がいる」
神殿の中には異様な光景が広がっていた。
見渡す限りの人、人、人。その誰もが同じような服を着ており、同じ視線で一点を見つめていた。
皆が見つめている場所には一人の女性と一つの石像。
「マ、マーサ様!」
「デボラ!」
僕とサンチョは同時に叫び、同時に顔を見合わせた。
「マーサ…だって?すると、あの人が僕の母親なのか?」
「ええ、あのお姿はマーサ様に違いありません。ですが…」
何故かはっきりとした確信を持てないサンチョ。
自分の目で確認すれば分かることだ、そう思った僕は女性へと歩みを進める。
子供達も後へ続く。
「あの石像がお母さんなんだね!」
「それと、あの女の人がおばあちゃん?…でも、なんだか怖い」
期待と不安を胸に宿して。
そして、目の前までやってきた僕達に向けて女性が口を開く。
その口調は優しかった。けれど…。
「ああ、カズなのですね。やっと会うことが出来ました。
これからは親子仲良く暮らしましょう。その為には貴方の力が必要なのです」
「僕の力?」
「そうです。この世界で生きるべき人間は選ばれし人間のみ。
それ以外の人間は必要ありません。貴方の力で滅ぼしてしまうのです」
その言葉に、昔からマーサを知っているサンチョが口を挟む。
「まさか…。あの心優しきマーサ様がこんな事を仰るなんて」
サンチョの声には耳を貸さず、優しく僕へと語り掛けるマーサ。
「協力してくれますね?カズ」
笑顔を向けるマーサへと僕は答える。
「…それは出来ない」
「出来ない?…では、この母と戦ってでも止めるというのですか」
やっと母に会えたという嬉しさがあり、理不尽な願いとは分かりつつも答を出せない。
そんな僕に、子供達が大声で叫ぶ。
「お父さん!そんなお願いは聞いちゃ駄目だ」
「そうだよ!こんな事を言う人が、優しいお父さんのお母さんのはずない!」
…そうだ。いつもそうだった。
僕が迷った時、力尽きようとしている時。
いつも君達が力をくれた。その純粋な声が。その強き力を放つ瞳が。
…ありがとう。君達に出会えてよかった。
「そうだ!たとえ貴方が母だろうと。
僕達は貴方と戦うことになろうとも、貴方を止めなければならない!」
その言葉が引き金となり、マーサの姿をしていた魔物との戦いが始まった。
魔物の力は強大ではあったけれども、迷いを振り切った僕達の相手ではなかった。
「く、くそ。だが、イブール様を倒すことはできん…ぞ」
倒れた魔物の傍でたたずむ一つの石像があった。
その石像こそが。
「デボラ!くそ、どうすればこの石化を解くことが出来るんだ」
地面を叩き続ける僕に、フードを被った一人の男が話しかけてきた。
異様な光景を形作る人たちの中で、その男だけは目の光を失っていないように思えた。
「ここで働いている連中は皆おかしくなってしまった。
まだ日が浅い俺でさえ、どうなるか分からない」
男は言葉を続けた。
その疲れきった姿は、言葉を喋ることさえ最後の力を振り絞っているように思えた。
「その石像にはイブールの呪いがかけられている。イブールを倒すことで石像の呪いもとけるはずだ。
この教団を牛耳っているイブール。奴を倒すんだ」
「分かった。心から感謝する。
イブールは僕達が倒す。そして、君達も解放してみせる」
僕は男に感謝の意を表すると、あるものを見つけるために床を注意深く見つめた。
「ここか」
僕の予想通り、床には隠し階段があった。
「お父さん、すごいね!ここ、知ってる場所なの?」
テルの言葉が昔を思い起こさせる。
ああ、知っているさ。忘れられるはずがない。
ここはヘンリーとともに働かされつづけた場所。ドレイ同然の生活を強いられた場所なのだから。
だが、その過去を今子供達に知らせても何の力にもならない。
僕は子供達に笑顔を向け、話しかける。
「さぁ、進もう!お母さんを助けるぞ」
そうだ。子供達に必要なのは不安じゃない。
笑顔だ。子供達に力を与えることが出来るのは、父親である僕の笑顔だ。
「うん!」
「はい!」
僕以上の笑顔になった子供達に強さと優しさを感じながら、神殿の奥深くへと進んでいく。
襲い来る魔物たちを退け、ついに僕たちはイブールの待つ間へと辿りついた。
「お前がイブール、だな。デボラにかけた呪いを解いてくれないか。
そして、皆を解放してくれ。」
「何故です?私にとっての理想郷が完成しようとしているのです。
無用な人間は要らない。死んで同然ではありませんか。」
元々話し合いが通じるような相手だとは思えなかった。
だが、戦いを避けられるのなら避けるべきだ。
そう思っていたのだが。
「…そうか。では、戦う以外になさそうだな」
「そのようですね。ただし、これは戦いではなく、一方的な惨殺になるでしょうけども」
その言葉は嘘やでまかせではなく、魔物の力は相当のものであった。
それでも、僕達は負けなかった。
僕の力、子供達やサンチョの力、頼もしい魔物達の力。そして、デボラを想う強い心。
全ての力が結集し、やがて魔物を追い詰めていく。
「ぐぅ…。まさか、貴方達がこれほどの力を擁していようとは。
ミルドラースさま、私に再び力を!」
切羽詰った魔物は、何者かに祈りをささげた。
ただ、その願いに舞いおりてきたものは力ではなく、魔物を焼き尽くす稲妻だった…。
その光とともに現れた魔物。
「最初から貴方に期待などしておりませんよ、ミルドラース様は」
僕は、その魔物に血相をかえて叫んでいた。
「ゲマ!今度こそ決着をつけてやる」
「カズ、でしたか?それほど決着を望むのならば魔界へ来るがいいでしょう。
そこで、貴方達の命運も尽きることになりますがね」
ゲマはそう言い残すと一つのリングを地面へと残し姿を消した。
そのリングこそ”いのちのリング”と呼ばれる魔界への扉を開くためのカギであった。
…のだが、デボラの元へと走り出そうとする僕にはリングを拾うだけで精一杯であり
確かめたのは後になってからのことだった。
デボラの元へとたどり着く。
まるで僕達を待っていたのかと疑うほどのタイミングでデボラの体が光り輝いた。
いや、これは偶然なんかじゃない。神が僕達に与えてくれた奇跡。そう思えてならなかった。
そして、待ち望んだ瞬間がやってきたのだ。
「…眩しいわね。ここはいったい…?」
懐かしい妻の声が嬉しかった。
その声や姿を確認した僕は、気づけば涙ぐんでいた。
「デボラ!やっと…やっと見つけた」
「あら、冴えない顔がいると思ったらアンタだったの。
泣いてちゃ余計冴えないわよ」
子供達にいたっては僕どころの騒ぎではなかった。
それは仕方ない。待ち望んだ母親との対面なのだから。
それも、赤ん坊の時以来、初めてと言っても決して過言ではないものだったのだ。
「お母さん!お母さん!」
「会いたかった。会いたかったよ…」
大粒の涙を流しながら、デボラのスカートへ身を委ねる子供達。
その体を優しく包みながら、デボラは口を開いた。
「あら、貴方達が私の子供達なのね。
大きくなったのね。私、貴方達が成長する姿を見ていたかったわ…」
勝気なデボラには珍しい表情だった。
しかし、デボラはすぐに笑顔を取り戻した。
それは、元来の強さを持っているということもあるが、母親としての自覚がそうさせたのだと思う。
「ユナ、アンタは綺麗ね。さすが私の娘だわ」
「それから、テル。アンタはカッコイイわね。カズの息子とは思えないくらいに」
「ハハ」
僕は笑っていた。
いつもの調子に戻ったデボラが何よりも嬉しかった。
だが、テルだけは納得していなかったらしく。
「え、違うよ。お父さんは強いし、カッコイイよ?
僕、お父さんみたいになるのが夢なんだからね」
テルのちょっとした”反抗”に何故か笑顔になるデボラ。
そして、テルにだけ聞こえるように耳元でささやく。
「…そんなこと、わかってるわよ。
カズは世界で一番優しくて、世界で一番頼りになる男だもの」
デボラの本心を聞き、再び笑顔になっていくテル。
その笑顔はデボラと出会えた時に負けず劣らず輝いていた。
Next Story is 第十三話 「 強き思い 」
7色タッチペン&カードケース (クラブニンテンドー様より拝借)

相変わらずの対応の早さには頭が下がります。
いつもいつもありがとう。
さて、これで夏休みの持ち運びは楽になったぞ。
予定としては、ドラクエV、バンブラDX、リズム天国ゴールド、どき魔女、カドゥケウス2だな。
そんなに持って帰っても時間ないけど…。
さーて、十二話いきますか~。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 「 終わらない悲劇 」
第八話 「 希望という名の光 」
第九話 「 助けあうということ 」
第十話 「 過去の世界 」
第十一話 「 世界を治める竜 」
第十二話 『 戻ってきた安らぎ 』
世界が滅んでしまっても助かる場所。
世界で知らぬ者はいない、とまで言われている団体。
『光の教団』とはそういう集まりなのだ。
…と言われている。
僕達はマスタードラゴンの背に乗り、高山の頂に君臨する大神殿へとやってきた。
この場所こそが光の教団の住む神殿。
そして、僕が幼年期を過ごした場所であった。
「さぁ、ここからは自分達の足で歩むのだ。そして、自分達の目で真実を確かめるのだ」
マスタードラゴンからの言葉を受け、僕はゆっくりと歩を進めだした。
神殿へと向かう途中、ある小部屋で光り輝く鎧を発見した。
その鎧は、テルの持つ天空の装備と同様の輝きを放っていた。
鎧を護衛している魔物を見つけると僕は呟く。
「やはり、ここはそういう場所なのか…」
僕達に襲い掛かってきた魔物を退け、ついにテルは天空の装備を全て身につけた。
「…すごい。すごいよ、お父さん。力が沸きあがってくるんだ」
まさに”伝説の勇者”と呼ぶに相応しい姿だった。
僕は自慢の息子であるテルに笑顔を向け、皆へと言葉をかける。
「さぁ、行こう。きっと、この先に僕達が求める人がいる」
神殿の中には異様な光景が広がっていた。
見渡す限りの人、人、人。その誰もが同じような服を着ており、同じ視線で一点を見つめていた。
皆が見つめている場所には一人の女性と一つの石像。
「マ、マーサ様!」
「デボラ!」
僕とサンチョは同時に叫び、同時に顔を見合わせた。
「マーサ…だって?すると、あの人が僕の母親なのか?」
「ええ、あのお姿はマーサ様に違いありません。ですが…」
何故かはっきりとした確信を持てないサンチョ。
自分の目で確認すれば分かることだ、そう思った僕は女性へと歩みを進める。
子供達も後へ続く。
「あの石像がお母さんなんだね!」
「それと、あの女の人がおばあちゃん?…でも、なんだか怖い」
期待と不安を胸に宿して。
そして、目の前までやってきた僕達に向けて女性が口を開く。
その口調は優しかった。けれど…。
「ああ、カズなのですね。やっと会うことが出来ました。
これからは親子仲良く暮らしましょう。その為には貴方の力が必要なのです」
「僕の力?」
「そうです。この世界で生きるべき人間は選ばれし人間のみ。
それ以外の人間は必要ありません。貴方の力で滅ぼしてしまうのです」
その言葉に、昔からマーサを知っているサンチョが口を挟む。
「まさか…。あの心優しきマーサ様がこんな事を仰るなんて」
サンチョの声には耳を貸さず、優しく僕へと語り掛けるマーサ。
「協力してくれますね?カズ」
笑顔を向けるマーサへと僕は答える。
「…それは出来ない」
「出来ない?…では、この母と戦ってでも止めるというのですか」
やっと母に会えたという嬉しさがあり、理不尽な願いとは分かりつつも答を出せない。
そんな僕に、子供達が大声で叫ぶ。
「お父さん!そんなお願いは聞いちゃ駄目だ」
「そうだよ!こんな事を言う人が、優しいお父さんのお母さんのはずない!」
…そうだ。いつもそうだった。
僕が迷った時、力尽きようとしている時。
いつも君達が力をくれた。その純粋な声が。その強き力を放つ瞳が。
…ありがとう。君達に出会えてよかった。
「そうだ!たとえ貴方が母だろうと。
僕達は貴方と戦うことになろうとも、貴方を止めなければならない!」
その言葉が引き金となり、マーサの姿をしていた魔物との戦いが始まった。
魔物の力は強大ではあったけれども、迷いを振り切った僕達の相手ではなかった。
「く、くそ。だが、イブール様を倒すことはできん…ぞ」
倒れた魔物の傍でたたずむ一つの石像があった。
その石像こそが。
「デボラ!くそ、どうすればこの石化を解くことが出来るんだ」
地面を叩き続ける僕に、フードを被った一人の男が話しかけてきた。
異様な光景を形作る人たちの中で、その男だけは目の光を失っていないように思えた。
「ここで働いている連中は皆おかしくなってしまった。
まだ日が浅い俺でさえ、どうなるか分からない」
男は言葉を続けた。
その疲れきった姿は、言葉を喋ることさえ最後の力を振り絞っているように思えた。
「その石像にはイブールの呪いがかけられている。イブールを倒すことで石像の呪いもとけるはずだ。
この教団を牛耳っているイブール。奴を倒すんだ」
「分かった。心から感謝する。
イブールは僕達が倒す。そして、君達も解放してみせる」
僕は男に感謝の意を表すると、あるものを見つけるために床を注意深く見つめた。
「ここか」
僕の予想通り、床には隠し階段があった。
「お父さん、すごいね!ここ、知ってる場所なの?」
テルの言葉が昔を思い起こさせる。
ああ、知っているさ。忘れられるはずがない。
ここはヘンリーとともに働かされつづけた場所。ドレイ同然の生活を強いられた場所なのだから。
だが、その過去を今子供達に知らせても何の力にもならない。
僕は子供達に笑顔を向け、話しかける。
「さぁ、進もう!お母さんを助けるぞ」
そうだ。子供達に必要なのは不安じゃない。
笑顔だ。子供達に力を与えることが出来るのは、父親である僕の笑顔だ。
「うん!」
「はい!」
僕以上の笑顔になった子供達に強さと優しさを感じながら、神殿の奥深くへと進んでいく。
襲い来る魔物たちを退け、ついに僕たちはイブールの待つ間へと辿りついた。
「お前がイブール、だな。デボラにかけた呪いを解いてくれないか。
そして、皆を解放してくれ。」
「何故です?私にとっての理想郷が完成しようとしているのです。
無用な人間は要らない。死んで同然ではありませんか。」
元々話し合いが通じるような相手だとは思えなかった。
だが、戦いを避けられるのなら避けるべきだ。
そう思っていたのだが。
「…そうか。では、戦う以外になさそうだな」
「そのようですね。ただし、これは戦いではなく、一方的な惨殺になるでしょうけども」
その言葉は嘘やでまかせではなく、魔物の力は相当のものであった。
それでも、僕達は負けなかった。
僕の力、子供達やサンチョの力、頼もしい魔物達の力。そして、デボラを想う強い心。
全ての力が結集し、やがて魔物を追い詰めていく。
「ぐぅ…。まさか、貴方達がこれほどの力を擁していようとは。
ミルドラースさま、私に再び力を!」
切羽詰った魔物は、何者かに祈りをささげた。
ただ、その願いに舞いおりてきたものは力ではなく、魔物を焼き尽くす稲妻だった…。
その光とともに現れた魔物。
「最初から貴方に期待などしておりませんよ、ミルドラース様は」
僕は、その魔物に血相をかえて叫んでいた。
「ゲマ!今度こそ決着をつけてやる」
「カズ、でしたか?それほど決着を望むのならば魔界へ来るがいいでしょう。
そこで、貴方達の命運も尽きることになりますがね」
ゲマはそう言い残すと一つのリングを地面へと残し姿を消した。
そのリングこそ”いのちのリング”と呼ばれる魔界への扉を開くためのカギであった。
…のだが、デボラの元へと走り出そうとする僕にはリングを拾うだけで精一杯であり
確かめたのは後になってからのことだった。
デボラの元へとたどり着く。
まるで僕達を待っていたのかと疑うほどのタイミングでデボラの体が光り輝いた。
いや、これは偶然なんかじゃない。神が僕達に与えてくれた奇跡。そう思えてならなかった。
そして、待ち望んだ瞬間がやってきたのだ。
「…眩しいわね。ここはいったい…?」
懐かしい妻の声が嬉しかった。
その声や姿を確認した僕は、気づけば涙ぐんでいた。
「デボラ!やっと…やっと見つけた」
「あら、冴えない顔がいると思ったらアンタだったの。
泣いてちゃ余計冴えないわよ」
子供達にいたっては僕どころの騒ぎではなかった。
それは仕方ない。待ち望んだ母親との対面なのだから。
それも、赤ん坊の時以来、初めてと言っても決して過言ではないものだったのだ。
「お母さん!お母さん!」
「会いたかった。会いたかったよ…」
大粒の涙を流しながら、デボラのスカートへ身を委ねる子供達。
その体を優しく包みながら、デボラは口を開いた。
「あら、貴方達が私の子供達なのね。
大きくなったのね。私、貴方達が成長する姿を見ていたかったわ…」
勝気なデボラには珍しい表情だった。
しかし、デボラはすぐに笑顔を取り戻した。
それは、元来の強さを持っているということもあるが、母親としての自覚がそうさせたのだと思う。
「ユナ、アンタは綺麗ね。さすが私の娘だわ」
「それから、テル。アンタはカッコイイわね。カズの息子とは思えないくらいに」
「ハハ」
僕は笑っていた。
いつもの調子に戻ったデボラが何よりも嬉しかった。
だが、テルだけは納得していなかったらしく。
「え、違うよ。お父さんは強いし、カッコイイよ?
僕、お父さんみたいになるのが夢なんだからね」
テルのちょっとした”反抗”に何故か笑顔になるデボラ。
そして、テルにだけ聞こえるように耳元でささやく。
「…そんなこと、わかってるわよ。
カズは世界で一番優しくて、世界で一番頼りになる男だもの」
デボラの本心を聞き、再び笑顔になっていくテル。
その笑顔はデボラと出会えた時に負けず劣らず輝いていた。
Next Story is 第十三話 「 強き思い 」
ドラクエV小説風プレイ日記⑪
2008年07月27日
そろそろ、プレイ時間よりも小説を書く時間のほうが多くなるかも?と思っている管理人です。
こんばんは。
ゲーム本編は、ようやくエスタークを撃破。
Lvは主人公が最高で40。37ターンだった。
とりあえず、一通り楽しんだかな~。
では、十一話です。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 「 終わらない悲劇 」
第八話 「 希望という名の光 」
第九話 「 助けあうということ 」
第十話 「 過去の世界 」
第十一話 『 世界を治める竜 』
妖精達の助けを借りた僕達は天空城へと舞い戻った。
天空城の入り口では、まるで僕達の帰りが分かっていたかのようにプサンさんが待っていてくれた。
「貴方達ならば必ず成し遂げてくれると信じていました。
さぁ、ゴールドオーブをこちらに」
懐から差し出したゴールドオーブは、プサンさんによって本来あるべき場所へと返された。
「う、うわ。お父さん。お城が、お城が動いてるよ」
「本当だ…。どんどん浮かんでいってる」
子供達が驚いたのも無理はない。
湖の底に沈んでいた天空城はどんどんと浮かび上がり、次第に雲の上へと舞い上がっていたのだ。
呆気にとられていた僕へ、プサンさんが尋ねる。
「どうです。天空城からの眺めは」
…言葉も出ない。
雲の上から眺める大地。大きな町や城でさえも見えない程に小さくなっている。
こんな眺めがあったのか。
「時をとめ眠っていた天空人達も目覚めたようです。
貴方達の助けとなる話が聞けるかもしれませんよ。
話を聞いてみてはどうでしょう?」
僕達は天空人達に話を聞いてみることにした。
それは、自分達の旅の手がかりが欲しかったからというよりは単純な好奇心からだった。
彼らの話はどれも興味深かったけれど、特に気になる一つの話があった。
「マスタードラゴン様がいなくなってからどれくらい経っただろう。
いったいどこにいらっしゃるのか」
僕も本で読んだことはあった。
マスタードラゴンとは、天空界を治めている竜。
言うなれば、この世界の神のような存在だった。
天空人達は天空城が墜落して眠りにおちていた。
その間にマスタードラゴンの姿がなくなったというのだ。
それならば、地上世界にいたプサンさんならば何か知っているかもしれない。
そう思った僕達はプサンさんに話を聞いてみることにした。
僕達の話を聞いたプサンさんからは、いつものおどけた感じは抜けていた。
「西にある塔にマスタードラゴンの力を感じます。
行ってみてくれませんか?」
天空人には、そういう力を感じる能力も備わっているのだろうか。
それとも、プサンさんが特別なのだろうか。
塔に向かう時に考えていたが答は分からなかった。
それに、そんな疑問など吹き飛ばす相手に会ってしまったのだ。
その魔物は塔の奥深くにいた。
「お父さん、怖い顔してる…」
ユナに言われて自分の表情に初めて気がついた。
子供達にこんな顔は見せたくなかった。
しかし、それは無理な話だ。なぜなら、こいつは…。
「また貴方ですか。あの時石化の呪いをかけたはずですがねぇ」
僕の父を惨殺し、僕とデボラを石像に変えた魔物”ゲマ”だったのだから。
僕は怒りという感情を抑えるのに必死だった。
でも、それは僕だけじゃなかったんだ。
「こいつが、パパス様を…。よくも、よくも!」
「分かったよ、お父さん。こいつがお父さんやお母さんを石に変えたんだね」
「許せない…」
父にずっと仕えていたサンチョ。
そして、父や母と別れる原因を作られた子供達。
皆、僕と同じ思いだったんだ。
…僕はもう1人じゃない。
僕が一人で戦っていたとしたら、勝てなかっただろう。
憎い相手を目の前にしていたけれども、何故か穏やかな気分を持つことが出来た。
それは、同じ思いを持った仲間達がいてくれたから。
そして…。
「これで最後だ!」
僕とデボラの息子、伝説の勇者”テル”。
その存在はとてつもない程大きな光を与えてくれていた。
テルの渾身の一撃を受けたゲマはよろめきながら口を開いた。
「これは誤算でした…。
勇者の誕生を防ごうと思い、石化の呪いをかけたというのに。
どうやら、ここは一旦引いたほうがよさそうですね」
「逃げるのか!」
僕の声に魔法の詠唱を続けながら答えるゲマ。
「私が本気で戦っているとお思いでしたか?
こんな所で命を削ってまで戦うほど私は馬鹿ではありませんからね」
そう言い残すとゲマの姿は消えた。
「またしても…逃がしたか」
「逃げられたものは仕方ありませんよ、坊ちゃん。
…おや、あの後ろにあるものは何でしょう」
サンチョが光り輝くオーブに気づいた。
好奇心いっぱいの子供達は我先にと近づく。
「綺麗だなー」
「うん、とっても」
マスタードラゴンと関係のあるものなのだろうか。
とにかく僕は、光り輝くオーブをプサンさんの元へと運ぶことにした。
天空城へとたどり着いた僕達を待っていたのはちょっとした事件だった。
プサンさんが、二人の天空人に言い寄られていたんだ。
「プサンなどという名前、誰も知ってはいないぞ!」
「お前はいったい誰だ!」
「私は…おお、カズさん。いい所に。
貴方は本当に素晴らしい人物だった。私の想像する以上に」
僕達の存在に気づいたプサンさんは、男達の話に応えず僕に話しかけてきた。
そして、オーブの存在にももちろん気づいていた。
「さぁ、オーブをこちらへ」
僕がオーブを手渡すと、人間の姿をしていたプサンさんはあっという間にその姿を変えた。
その姿は雄雄しく、威厳を放っていた。
「マ、マスタードラゴン様!」
言い寄っていた二人がとっさに膝をつき頭を下げた。
僕達は目の前で起こった現実に、ただただ呆然としていることしか出来なかった。
「カズ。よくやってくれた。礼を言うぞ。
お前達の助けがなければ、二度とこの姿には戻れなかっただろう。
これからは私もお前達の力となろう」
マスタードラゴンの言葉に真っ先に反応したのは子供達だった。
「す、すごいや。絵本の中で見たドラゴンが目の前にいるなんて」
「神様がお父さんにお礼言ってるなんて…すごいね」
天空を駆け巡る偉大なる竜神---マスタードラゴン。
彼の存在は、遂に僕達を愛しき者へと巡り会わせることになる。
僕が幼年期を過ごした、古の記憶にたたずむあの場所で…。
Next Story is 第十二話 「 戻ってきた安らぎ 」
こんばんは。
ゲーム本編は、ようやくエスタークを撃破。
Lvは主人公が最高で40。37ターンだった。
とりあえず、一通り楽しんだかな~。
では、十一話です。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 「 終わらない悲劇 」
第八話 「 希望という名の光 」
第九話 「 助けあうということ 」
第十話 「 過去の世界 」
第十一話 『 世界を治める竜 』
妖精達の助けを借りた僕達は天空城へと舞い戻った。
天空城の入り口では、まるで僕達の帰りが分かっていたかのようにプサンさんが待っていてくれた。
「貴方達ならば必ず成し遂げてくれると信じていました。
さぁ、ゴールドオーブをこちらに」
懐から差し出したゴールドオーブは、プサンさんによって本来あるべき場所へと返された。
「う、うわ。お父さん。お城が、お城が動いてるよ」
「本当だ…。どんどん浮かんでいってる」
子供達が驚いたのも無理はない。
湖の底に沈んでいた天空城はどんどんと浮かび上がり、次第に雲の上へと舞い上がっていたのだ。
呆気にとられていた僕へ、プサンさんが尋ねる。
「どうです。天空城からの眺めは」
…言葉も出ない。
雲の上から眺める大地。大きな町や城でさえも見えない程に小さくなっている。
こんな眺めがあったのか。
「時をとめ眠っていた天空人達も目覚めたようです。
貴方達の助けとなる話が聞けるかもしれませんよ。
話を聞いてみてはどうでしょう?」
僕達は天空人達に話を聞いてみることにした。
それは、自分達の旅の手がかりが欲しかったからというよりは単純な好奇心からだった。
彼らの話はどれも興味深かったけれど、特に気になる一つの話があった。
「マスタードラゴン様がいなくなってからどれくらい経っただろう。
いったいどこにいらっしゃるのか」
僕も本で読んだことはあった。
マスタードラゴンとは、天空界を治めている竜。
言うなれば、この世界の神のような存在だった。
天空人達は天空城が墜落して眠りにおちていた。
その間にマスタードラゴンの姿がなくなったというのだ。
それならば、地上世界にいたプサンさんならば何か知っているかもしれない。
そう思った僕達はプサンさんに話を聞いてみることにした。
僕達の話を聞いたプサンさんからは、いつものおどけた感じは抜けていた。
「西にある塔にマスタードラゴンの力を感じます。
行ってみてくれませんか?」
天空人には、そういう力を感じる能力も備わっているのだろうか。
それとも、プサンさんが特別なのだろうか。
塔に向かう時に考えていたが答は分からなかった。
それに、そんな疑問など吹き飛ばす相手に会ってしまったのだ。
その魔物は塔の奥深くにいた。
「お父さん、怖い顔してる…」
ユナに言われて自分の表情に初めて気がついた。
子供達にこんな顔は見せたくなかった。
しかし、それは無理な話だ。なぜなら、こいつは…。
「また貴方ですか。あの時石化の呪いをかけたはずですがねぇ」
僕の父を惨殺し、僕とデボラを石像に変えた魔物”ゲマ”だったのだから。
僕は怒りという感情を抑えるのに必死だった。
でも、それは僕だけじゃなかったんだ。
「こいつが、パパス様を…。よくも、よくも!」
「分かったよ、お父さん。こいつがお父さんやお母さんを石に変えたんだね」
「許せない…」
父にずっと仕えていたサンチョ。
そして、父や母と別れる原因を作られた子供達。
皆、僕と同じ思いだったんだ。
…僕はもう1人じゃない。
僕が一人で戦っていたとしたら、勝てなかっただろう。
憎い相手を目の前にしていたけれども、何故か穏やかな気分を持つことが出来た。
それは、同じ思いを持った仲間達がいてくれたから。
そして…。
「これで最後だ!」
僕とデボラの息子、伝説の勇者”テル”。
その存在はとてつもない程大きな光を与えてくれていた。
テルの渾身の一撃を受けたゲマはよろめきながら口を開いた。
「これは誤算でした…。
勇者の誕生を防ごうと思い、石化の呪いをかけたというのに。
どうやら、ここは一旦引いたほうがよさそうですね」
「逃げるのか!」
僕の声に魔法の詠唱を続けながら答えるゲマ。
「私が本気で戦っているとお思いでしたか?
こんな所で命を削ってまで戦うほど私は馬鹿ではありませんからね」
そう言い残すとゲマの姿は消えた。
「またしても…逃がしたか」
「逃げられたものは仕方ありませんよ、坊ちゃん。
…おや、あの後ろにあるものは何でしょう」
サンチョが光り輝くオーブに気づいた。
好奇心いっぱいの子供達は我先にと近づく。
「綺麗だなー」
「うん、とっても」
マスタードラゴンと関係のあるものなのだろうか。
とにかく僕は、光り輝くオーブをプサンさんの元へと運ぶことにした。
天空城へとたどり着いた僕達を待っていたのはちょっとした事件だった。
プサンさんが、二人の天空人に言い寄られていたんだ。
「プサンなどという名前、誰も知ってはいないぞ!」
「お前はいったい誰だ!」
「私は…おお、カズさん。いい所に。
貴方は本当に素晴らしい人物だった。私の想像する以上に」
僕達の存在に気づいたプサンさんは、男達の話に応えず僕に話しかけてきた。
そして、オーブの存在にももちろん気づいていた。
「さぁ、オーブをこちらへ」
僕がオーブを手渡すと、人間の姿をしていたプサンさんはあっという間にその姿を変えた。
その姿は雄雄しく、威厳を放っていた。
「マ、マスタードラゴン様!」
言い寄っていた二人がとっさに膝をつき頭を下げた。
僕達は目の前で起こった現実に、ただただ呆然としていることしか出来なかった。
「カズ。よくやってくれた。礼を言うぞ。
お前達の助けがなければ、二度とこの姿には戻れなかっただろう。
これからは私もお前達の力となろう」
マスタードラゴンの言葉に真っ先に反応したのは子供達だった。
「す、すごいや。絵本の中で見たドラゴンが目の前にいるなんて」
「神様がお父さんにお礼言ってるなんて…すごいね」
天空を駆け巡る偉大なる竜神---マスタードラゴン。
彼の存在は、遂に僕達を愛しき者へと巡り会わせることになる。
僕が幼年期を過ごした、古の記憶にたたずむあの場所で…。
Next Story is 第十二話 「 戻ってきた安らぎ 」
ドラクエV小説風プレイ日記⑩
2008年07月27日
記念すべき十話目です。
二桁に行くなんて誰が予想出来ただろうか。
だらだらと続いているだけなのか、クオリティーが高くなっているのか。
その辺りは読者の皆様の判断にお任せします。
では、お時間があるならばお読みくださいませ。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 「 終わらない悲劇 」
第八話 「 希望という名の光 」
第九話 「 助けあうということ 」
第十話 『 過去の世界 』
「時をこえ、ゴールドオーブを取り戻すのです。貴方ならば出来るかもしれません」
妖精の女王に案内された部屋には、大きな額縁に収まった一枚の絵があった。
どこか懐かしく、暖かい気持ちになる反面、何故か寂しい気持ちにもなる。
不思議な絵だった。
絵の横に立っていた妖精が口を開く。
「この絵は見る人の想い出を映し出します。
さぁ、目を閉じて思い出してください。貴方の大事な場所を。大切な人のことを…」
言われるがままに僕は目を閉じた。
心の中に浮かんできたのは幼かった日々。そして、今は亡き父との想い出。
いつの間にやら僕は深い眠りに陥っていた。
チュンチュン。
小鳥の囀りが僕を現実世界へと呼び戻した。
そこには不思議な絵はなかったけれど、もっと不思議な光景が広がっていた。
「ここは…サンタローズの村か?しかし、それにしては様子が変だ」
知っている人がいる。知っている家がある。
しかし、その姿はあまりに同じだった。
そう、僕の想い出の中の姿とあまりにも似すぎていた。
「まさか、女王の言っていた「時をこえる」というのは…」
僕の疑問は小さな少年が確信へと変えてくれた。
「ねぇ、お兄ちゃんが教会のシスターが言っていた”カッコイイ人”?
うん、本当だ。カッコイイなーお兄ちゃんは」
僕に話しかけてきたのは、幼き日の僕だった。
その手には大切に光り輝く宝石が握られている。
自分の身に起こっていることを理解した僕は、落ち着いて言葉を発した。
「…そうかい?ありがとう。
ところで、坊やが持っている宝石、すごく綺麗だね。
もし良かったら少しだけ貸してくれないかな?」
自分が大切にしている物を褒められたことが嬉しかったのか
笑顔になった少年は、快く僕に宝石を渡してくれた。
…これがゴールドオーブか。
ごめんな、幼き日の僕。どうしても、この宝石が必要なんだ。
僕は気づかれないようににゴールドオーブを取り替えた。
(取り替えたのは、妖精の女王が作ってくれたゴールドオーブによく似た玉だ)
そして、取り替えたほうの玉を少年へと返した。
「これから君には色々なことが起こると思う。辛いこと、悲しいことも沢山起こるだろう。
でも、負けちゃいけないよ。諦めずにさえいれば、必ず君に光は射すのだから」
ん、この言葉は…
自分の言った言葉で記憶が思い出された。
ボロンゴと散歩をしていた晴れた日。紫の服を着た青年に会ったことがある。
そして、まさに今の言葉を言われたことがあったのだ。
フフ…どおりで心に残っていたはずだ。
そうか、僕は僕の言葉に支えられていたんだな。
「うん!ありがとう。お兄ちゃんも元気でね!」
「ああ、ありがとう」
僕へ手をふり去っていく僕。
君なら大丈夫。絶対に乗り越えられるさと心で思いながら、僕は手を振っていた。
ゴールドオーブを手に入れるという目的は達した。
あとは現実世界へと帰ればいいだけだ。
だが、僕の足はもう一つの目的…というよりは願望を果たすために動き出していた。
思いで深い家の前に立つ。
扉から出てきた忘れられない人に思いがけず声をかける。
「父さ…い、いや、パパスさん。
お話があるのですがよろしいでしょうか」
あの日から忘れたことは一日だってない。
今、僕の目の前には父が立っていた。あの頃の姿のままで。
「ん?なんだい。君は、私のことを知っているようだが」
過去を変えるなんてことは出来ないのかもしれない。
してはいけないのかもしれない。
でも、僕は言わずにはいられなかった。
「ラインハット方面では良い噂を聞きません。
パパスさんは行くべきではないと思います」
本当は「行かないでほしい」と言いたかったけれど、
父にとって見ず知らずの僕が伝える言葉としてはこれが限界だった。
「うーん、君は占い師か何かの類かな?悪いが、そういうものは信じないようにしているのだ」
父の意志は固く、ラインハット行きの未来は変わらないようだった。
僕が落胆の表情をしていたからかもしれない。
父は言葉を付け加えた。
「だが、君の言葉には不思議な力がある。忠告は受け取っておくとするよ。
それでは、私は出かけるとするよ。達者でな、私の妻マーサと同じ目をした青年よ」
そう言い残すと父はラインハットへと旅立っていった。
二度と帰る事の出来ない旅へと…。
僕は複雑な感情の中にいた。
二度と会えないと思っていた父に会えた喜び。
父を救うことは出来なかったという悲しみ。
そして、いつの間にか僕は再び深い眠りへと誘われていた…。
Next Story is 第十一話 「 世界を治める竜 」
二桁に行くなんて誰が予想出来ただろうか。
だらだらと続いているだけなのか、クオリティーが高くなっているのか。
その辺りは読者の皆様の判断にお任せします。
では、お時間があるならばお読みくださいませ。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 「 終わらない悲劇 」
第八話 「 希望という名の光 」
第九話 「 助けあうということ 」
第十話 『 過去の世界 』
「時をこえ、ゴールドオーブを取り戻すのです。貴方ならば出来るかもしれません」
妖精の女王に案内された部屋には、大きな額縁に収まった一枚の絵があった。
どこか懐かしく、暖かい気持ちになる反面、何故か寂しい気持ちにもなる。
不思議な絵だった。
絵の横に立っていた妖精が口を開く。
「この絵は見る人の想い出を映し出します。
さぁ、目を閉じて思い出してください。貴方の大事な場所を。大切な人のことを…」
言われるがままに僕は目を閉じた。
心の中に浮かんできたのは幼かった日々。そして、今は亡き父との想い出。
いつの間にやら僕は深い眠りに陥っていた。
チュンチュン。
小鳥の囀りが僕を現実世界へと呼び戻した。
そこには不思議な絵はなかったけれど、もっと不思議な光景が広がっていた。
「ここは…サンタローズの村か?しかし、それにしては様子が変だ」
知っている人がいる。知っている家がある。
しかし、その姿はあまりに同じだった。
そう、僕の想い出の中の姿とあまりにも似すぎていた。
「まさか、女王の言っていた「時をこえる」というのは…」
僕の疑問は小さな少年が確信へと変えてくれた。
「ねぇ、お兄ちゃんが教会のシスターが言っていた”カッコイイ人”?
うん、本当だ。カッコイイなーお兄ちゃんは」
僕に話しかけてきたのは、幼き日の僕だった。
その手には大切に光り輝く宝石が握られている。
自分の身に起こっていることを理解した僕は、落ち着いて言葉を発した。
「…そうかい?ありがとう。
ところで、坊やが持っている宝石、すごく綺麗だね。
もし良かったら少しだけ貸してくれないかな?」
自分が大切にしている物を褒められたことが嬉しかったのか
笑顔になった少年は、快く僕に宝石を渡してくれた。
…これがゴールドオーブか。
ごめんな、幼き日の僕。どうしても、この宝石が必要なんだ。
僕は気づかれないようににゴールドオーブを取り替えた。
(取り替えたのは、妖精の女王が作ってくれたゴールドオーブによく似た玉だ)
そして、取り替えたほうの玉を少年へと返した。
「これから君には色々なことが起こると思う。辛いこと、悲しいことも沢山起こるだろう。
でも、負けちゃいけないよ。諦めずにさえいれば、必ず君に光は射すのだから」
ん、この言葉は…
自分の言った言葉で記憶が思い出された。
ボロンゴと散歩をしていた晴れた日。紫の服を着た青年に会ったことがある。
そして、まさに今の言葉を言われたことがあったのだ。
フフ…どおりで心に残っていたはずだ。
そうか、僕は僕の言葉に支えられていたんだな。
「うん!ありがとう。お兄ちゃんも元気でね!」
「ああ、ありがとう」
僕へ手をふり去っていく僕。
君なら大丈夫。絶対に乗り越えられるさと心で思いながら、僕は手を振っていた。
ゴールドオーブを手に入れるという目的は達した。
あとは現実世界へと帰ればいいだけだ。
だが、僕の足はもう一つの目的…というよりは願望を果たすために動き出していた。
思いで深い家の前に立つ。
扉から出てきた忘れられない人に思いがけず声をかける。
「父さ…い、いや、パパスさん。
お話があるのですがよろしいでしょうか」
あの日から忘れたことは一日だってない。
今、僕の目の前には父が立っていた。あの頃の姿のままで。
「ん?なんだい。君は、私のことを知っているようだが」
過去を変えるなんてことは出来ないのかもしれない。
してはいけないのかもしれない。
でも、僕は言わずにはいられなかった。
「ラインハット方面では良い噂を聞きません。
パパスさんは行くべきではないと思います」
本当は「行かないでほしい」と言いたかったけれど、
父にとって見ず知らずの僕が伝える言葉としてはこれが限界だった。
「うーん、君は占い師か何かの類かな?悪いが、そういうものは信じないようにしているのだ」
父の意志は固く、ラインハット行きの未来は変わらないようだった。
僕が落胆の表情をしていたからかもしれない。
父は言葉を付け加えた。
「だが、君の言葉には不思議な力がある。忠告は受け取っておくとするよ。
それでは、私は出かけるとするよ。達者でな、私の妻マーサと同じ目をした青年よ」
そう言い残すと父はラインハットへと旅立っていった。
二度と帰る事の出来ない旅へと…。
僕は複雑な感情の中にいた。
二度と会えないと思っていた父に会えた喜び。
父を救うことは出来なかったという悲しみ。
そして、いつの間にか僕は再び深い眠りへと誘われていた…。
Next Story is 第十一話 「 世界を治める竜 」
ドラクエV小説風プレイ日記⑨
2008年07月25日
Wii Musicとヴァルキリープロファイルの発売日が決定。
共に10月。
Wii Musicは確定としてヴァルキリーはどうするかな。
それにしても今年の任天堂は
スマブラX→マリオカート→バンブラ→ポケモン(9月)→Wii Music(10月)
そして、年末は「どうぶつの森」or「Wiiスポの新作」か。
なんだ、その即死コンボ(多機種的に考えて)は…。
個人的に、9月で終わると思われていたゲーム購入ラッシュ。
10月になっても終わりそうにないんですが。
嬉しい悲鳴でございます。
さーて、第九話に参りますよ~。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 「 終わらない悲劇 」
第八話 「 希望という名の光 」
第九話 『 助けあうということ 』
船ごと進むことの出来る、大きな海の洞窟を抜けた僕達。
目の前には自然と一体化したかのような穏やかな村があった。
忘れられた民が生き続けている場所---エルヘブン。
穏やかで平和なこの村は、初めて来た場所なのにどこか懐かしく感じられた。
その理由は「僕の母マーサの故郷」であったことが原因なのかもしれない。
長老の話を聞くところによると、この世界は三つに分けられるという。
神々の住む天空界。そして僕達の住む地上界。さらには魔物達の住む魔界。
世界は大きな扉で遮られており、互いの世界を行き来することは本来出来なくなっている。
その扉の番人こそがエルヘブンの民だというのだ。
「マーサの力には凄まじいものがあった。それ故にのぅ…」
今の民の中、いや歴史上でも最も力が備わっていたであろう母が連れ去られた原因がこれだ。
そう。魔界と地上の間に存在する扉を開かせるために…。
長老達の住む館から出て、歩き出した僕に向かって子供達が口を開く。
「僕には分かるよ。おばあちゃんは一生懸命戦っているんだ。
魔物達がこの世界に来れないようにするために」
「うん、私も感じる。おばあちゃんの優しい力。暖かい力。
会いたい。私、おばあちゃんに会いたいよう…」
「会えるさ。絶対に会える。
父さんとお前達だって、きちんと会えただろう?大丈夫だ」
とはいうものの、どうすれば良いかはっきりした答えがない。
この言葉は確信に満ちた言葉というよりも、願望に似た気休めだということは僕が一番分かっていた。
「お主達からは素晴らしい力を感じる。特に紫の服を着たお主じゃ。
お主は、マーサ殿と同じ目をしておる」
ある民家を訪れた時に初老の男性から言われた言葉だ。
僕は嬉しかった。素晴らしい力を持つと言われた事かって?
いや、そうじゃない。母さんと同じ目をしているって言われたことが何より嬉しかったんだ。
「お前達の役に立つかもしれない。持っていけ」
そういうと男性は僕達に”魔法のカギ”と”魔法のじゅうたん”をプレゼントしてくれた。
この男性の言うことには不思議な説得力があった。
「ありがとうございます」
ありがたくプレゼントを受け取った僕達。
船では探索出来なかった場所にさえ軽々と飛んでいくことの出来る”魔法のじゅうたん”が
僕達の旅を加速させたことは言うまでもないだろう。
「これならどこにだっていけるね」
「お母さんにもおばあちゃんにも会えるね!」
子供達の言葉通り、僕達はデボラ、そして母さんを助け出すために色々な場所を旅した。
月日は流れていったけれど、不思議なことに不安や焦りは感じられなかった。
僕自身の力が上がっていることも確かにある。でも、子供達がいることが最も大きかった。
そして、遂に僕達は『伝説の城』へと辿りつく。
岩盤で閉ざされていた洞窟を奥深くに進んでいた時のことだ。
プサンと名乗る天空人に出会う。
(20年間トロッコで回り続けていたという話を聞いた時のテルとユナの顔が未だに忘れられない)
プサンの案内で僕達は湖の底に沈んでいた天空城へ足を踏み入れた。
湖の底に沈んでいるにもかかわらず、神秘的なたたずまいを浮かべていた城は
”水の中で普段通り会話している”という疑問さえ感じさせない程美しかった。
「天空城を浮上させるためにゴールドオーブを持ってきてください。
その行為は必ず貴方達の助けに繋がることでしょう」
そう言うとプサンは何やら神妙な面持ちとなり目を閉じた。
「カズさん、貴方がレヌール城(オバケ退治をした城だ)で拾った輝く宝石を覚えていますか?」
驚いたことに僕は過去にゴールドオーブを手にしていた。
ただ、それは父と共にゲマに破壊されてしまっていたのだ…。
「いえ、まだ諦めるのは早いです。
妖精の女王に会ってください。彼女ならばきっと貴方の力になってくれるはずです」
プサンさんからの助言を受けて、迷いの森を抜けて妖精の村へと辿りついた。
過去に一度訪れたこともあり、地形を把握していた僕は足早に村を治めるポワンの元へと向かった。
僕達の姿を確認したポワンは、僕達よりも先に口を開く。
「妖精のホルンです。これを持って行きなさい」
にこやかに微笑んだ表情に思わず見とれてしまうほどの美しさだった。
それでも僕は一つの疑問をぶつけずにはいられなかった。
「ポワン様、心から感謝します。
しかし、この道具は妖精達にとって最も大切なものの一つに違いありません。
それなのに、僕達人間がお借りしてもよろしいのでしょうか」
ポワンは微笑みのまま答える。
「貴方は過去に私達を救ってくれたではありませんか。
今度は私達が貴方方を助ける番ですよ。
それに「人間は信じるに値する生き物」と教えてくれたのは貴方です。
そうだったわね?ベラ」
ポワンは尋ねるような口調…というよりは答を促す口調で問いかけた。
それは僕達にではなく、僕達の後ろに立っていた妖精の少女へと向かってだった。
その少女の名はベラ。かつて僕と一緒に冒険した妖精だった。
「はい!ポワン様。
カズが私に教えてくれたんです。それも言葉じゃなくて行動で!
人間だって妖精だって同じ生き物。助け合って仲良く生きていけるんだって事を」
昔と変わらず元気に答えるベラ。
ポワンへ向けた言葉が終わると、次にテルとユナに向けて喋りかけた。
「貴方達がカズの子供達なのね。うんうん、貴方達は幸せ者だわ。
だって、カズの子供達なんだもの!」
子供達が答える。
「あったりまえさ!お父さんは強くてカッコイイんだ。最高のお父さんだよ」
「うん。それにとっても優しいもん。私もお父さんの子供で良かった…」
気づけば僕は、頬を伝う涙を隠すように顔を伏せていた。
子供達からの言葉。そして、妖精達が自分の行動を覚えていてくれたことが嬉しくて。
この時僕はデボラを助けられることを確信したんだ。
誰かを助けた行為は、巡り巡って必ず自分への助けとなって返ってくる。
僕はデボラに助けられてばかりだった。それをまだ返していない。
だから、この先絶対に返す機会がやってくるに違いない、と。
僕の涙に唯一気づいていたポワンは、微笑んだまま僕を見つめていた。
その表情は慈愛に満ちており、知らぬ間に僕はまだ見ぬ母マーサの姿を重ねていた。
Next Story is 第十話 「 過去の世界 」
共に10月。
Wii Musicは確定としてヴァルキリーはどうするかな。
それにしても今年の任天堂は
スマブラX→マリオカート→バンブラ→ポケモン(9月)→Wii Music(10月)
そして、年末は「どうぶつの森」or「Wiiスポの新作」か。
なんだ、その即死コンボ(多機種的に考えて)は…。
個人的に、9月で終わると思われていたゲーム購入ラッシュ。
10月になっても終わりそうにないんですが。
嬉しい悲鳴でございます。
さーて、第九話に参りますよ~。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 「 終わらない悲劇 」
第八話 「 希望という名の光 」
第九話 『 助けあうということ 』
船ごと進むことの出来る、大きな海の洞窟を抜けた僕達。
目の前には自然と一体化したかのような穏やかな村があった。
忘れられた民が生き続けている場所---エルヘブン。
穏やかで平和なこの村は、初めて来た場所なのにどこか懐かしく感じられた。
その理由は「僕の母マーサの故郷」であったことが原因なのかもしれない。
長老の話を聞くところによると、この世界は三つに分けられるという。
神々の住む天空界。そして僕達の住む地上界。さらには魔物達の住む魔界。
世界は大きな扉で遮られており、互いの世界を行き来することは本来出来なくなっている。
その扉の番人こそがエルヘブンの民だというのだ。
「マーサの力には凄まじいものがあった。それ故にのぅ…」
今の民の中、いや歴史上でも最も力が備わっていたであろう母が連れ去られた原因がこれだ。
そう。魔界と地上の間に存在する扉を開かせるために…。
長老達の住む館から出て、歩き出した僕に向かって子供達が口を開く。
「僕には分かるよ。おばあちゃんは一生懸命戦っているんだ。
魔物達がこの世界に来れないようにするために」
「うん、私も感じる。おばあちゃんの優しい力。暖かい力。
会いたい。私、おばあちゃんに会いたいよう…」
「会えるさ。絶対に会える。
父さんとお前達だって、きちんと会えただろう?大丈夫だ」
とはいうものの、どうすれば良いかはっきりした答えがない。
この言葉は確信に満ちた言葉というよりも、願望に似た気休めだということは僕が一番分かっていた。
「お主達からは素晴らしい力を感じる。特に紫の服を着たお主じゃ。
お主は、マーサ殿と同じ目をしておる」
ある民家を訪れた時に初老の男性から言われた言葉だ。
僕は嬉しかった。素晴らしい力を持つと言われた事かって?
いや、そうじゃない。母さんと同じ目をしているって言われたことが何より嬉しかったんだ。
「お前達の役に立つかもしれない。持っていけ」
そういうと男性は僕達に”魔法のカギ”と”魔法のじゅうたん”をプレゼントしてくれた。
この男性の言うことには不思議な説得力があった。
「ありがとうございます」
ありがたくプレゼントを受け取った僕達。
船では探索出来なかった場所にさえ軽々と飛んでいくことの出来る”魔法のじゅうたん”が
僕達の旅を加速させたことは言うまでもないだろう。
「これならどこにだっていけるね」
「お母さんにもおばあちゃんにも会えるね!」
子供達の言葉通り、僕達はデボラ、そして母さんを助け出すために色々な場所を旅した。
月日は流れていったけれど、不思議なことに不安や焦りは感じられなかった。
僕自身の力が上がっていることも確かにある。でも、子供達がいることが最も大きかった。
そして、遂に僕達は『伝説の城』へと辿りつく。
岩盤で閉ざされていた洞窟を奥深くに進んでいた時のことだ。
プサンと名乗る天空人に出会う。
(20年間トロッコで回り続けていたという話を聞いた時のテルとユナの顔が未だに忘れられない)
プサンの案内で僕達は湖の底に沈んでいた天空城へ足を踏み入れた。
湖の底に沈んでいるにもかかわらず、神秘的なたたずまいを浮かべていた城は
”水の中で普段通り会話している”という疑問さえ感じさせない程美しかった。
「天空城を浮上させるためにゴールドオーブを持ってきてください。
その行為は必ず貴方達の助けに繋がることでしょう」
そう言うとプサンは何やら神妙な面持ちとなり目を閉じた。
「カズさん、貴方がレヌール城(オバケ退治をした城だ)で拾った輝く宝石を覚えていますか?」
驚いたことに僕は過去にゴールドオーブを手にしていた。
ただ、それは父と共にゲマに破壊されてしまっていたのだ…。
「いえ、まだ諦めるのは早いです。
妖精の女王に会ってください。彼女ならばきっと貴方の力になってくれるはずです」
プサンさんからの助言を受けて、迷いの森を抜けて妖精の村へと辿りついた。
過去に一度訪れたこともあり、地形を把握していた僕は足早に村を治めるポワンの元へと向かった。
僕達の姿を確認したポワンは、僕達よりも先に口を開く。
「妖精のホルンです。これを持って行きなさい」
にこやかに微笑んだ表情に思わず見とれてしまうほどの美しさだった。
それでも僕は一つの疑問をぶつけずにはいられなかった。
「ポワン様、心から感謝します。
しかし、この道具は妖精達にとって最も大切なものの一つに違いありません。
それなのに、僕達人間がお借りしてもよろしいのでしょうか」
ポワンは微笑みのまま答える。
「貴方は過去に私達を救ってくれたではありませんか。
今度は私達が貴方方を助ける番ですよ。
それに「人間は信じるに値する生き物」と教えてくれたのは貴方です。
そうだったわね?ベラ」
ポワンは尋ねるような口調…というよりは答を促す口調で問いかけた。
それは僕達にではなく、僕達の後ろに立っていた妖精の少女へと向かってだった。
その少女の名はベラ。かつて僕と一緒に冒険した妖精だった。
「はい!ポワン様。
カズが私に教えてくれたんです。それも言葉じゃなくて行動で!
人間だって妖精だって同じ生き物。助け合って仲良く生きていけるんだって事を」
昔と変わらず元気に答えるベラ。
ポワンへ向けた言葉が終わると、次にテルとユナに向けて喋りかけた。
「貴方達がカズの子供達なのね。うんうん、貴方達は幸せ者だわ。
だって、カズの子供達なんだもの!」
子供達が答える。
「あったりまえさ!お父さんは強くてカッコイイんだ。最高のお父さんだよ」
「うん。それにとっても優しいもん。私もお父さんの子供で良かった…」
気づけば僕は、頬を伝う涙を隠すように顔を伏せていた。
子供達からの言葉。そして、妖精達が自分の行動を覚えていてくれたことが嬉しくて。
この時僕はデボラを助けられることを確信したんだ。
誰かを助けた行為は、巡り巡って必ず自分への助けとなって返ってくる。
僕はデボラに助けられてばかりだった。それをまだ返していない。
だから、この先絶対に返す機会がやってくるに違いない、と。
僕の涙に唯一気づいていたポワンは、微笑んだまま僕を見つめていた。
その表情は慈愛に満ちており、知らぬ間に僕はまだ見ぬ母マーサの姿を重ねていた。
Next Story is 第十話 「 過去の世界 」
ドラクエV小説風プレイ日記⑧
2008年07月23日
三連休も終わり本日より仕事です。
連休明けは疲れますね…。
そんな疲れにも負けず、全国2,3人の”ある魔物使いの手記帳”ファンの方のために
第八話をおおくりしますよ~。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 「 終わらない悲劇 」
第八話 『 希望という名の光 』
いつからだろう。光が射さなくなってから。
どれくらい経つのだろう。音が感じられなくなってから。
そんな僕を再び大地へと蘇らせたのは、光でも音でもなく。
聞き慣れない子供達の声だった。
「おはよう!お父さん!」
「お父さん、会いたかった…」
僕の前に立っていたのは男の子と女の子。
自分に喋っているのだと気づいたのは、子供達が僕をまっすぐに見つめていたからだとは思う。
しかし、何よりも子供達の黒髪が僕の記憶を呼び覚ませた。
そうか…。
君達は僕とデボラの子供達なのか。
僕は考え込み、喋ることが出来なかった。
何を伝えたらいい?
僕は君達が生まれてから何もしてあげられなかった。
どうすればいい?
何も力がない僕が、いったい何をしてあげられる。
しかし、そんな考えは子供達の笑顔を見ているうちに吹き飛んでしまった。
そして、無意識に出た一言。
「…ありがとう」
その一言を聞いた子供達は安心したのか嬉しかったのか
涙をあふれさせて、僕の足元で泣き崩れてしまった。
子供達の姿はいつしか僕の瞳を潤ませていた。
「坊ちゃん、お久しぶりです」
数刻経ってから話しかけてきたのはサンチョだった。
話を聞くとサンチョと子供達で僕の石化を解く方法、そして僕自身を探してくれていたらしい。
サンチョには迷惑をかけっぱしだ。本当に心から感謝している。
僕達はグランバニアへと向かう船の中でつもる話をつのらせた。
テルとユナの口から出る話はどれも興味深く、僕を夢中にさせた。
その中でもテルが元気よく放った一言に僕は衝撃を受けた。
「お父さん、僕ね、”てんくうのつるぎ”を装備できたんだよ」
「うん、お兄ちゃんが戦っている姿ってかっこいいんだよ」
何だって…?
伝説の勇者しか装備できないはずの”てんくうのつるぎ”を装備できたのか。
ということは、テルこそ僕の捜し求めていた…。
「サンチョ、すまない。グランバニアに行く前に寄って欲しいところがあるんだ」
僕は自分の予感を確かめたくて我侭を聞いてもらった。
僕達が訪れたのは”てんくうのかぶと”が飾られてあった城、テルパドール。
僕は女王に事情を話し、再び”てんくうのかぶと”をお借りすることになった。
ただし、今度は僕ではなくテルが。
”てんくうのかぶと”をかぶったテルだったが大きすぎてサイズが合わない。
…と思ったのもつかの間、徐々に小さくなりはじめたかぶとは、
いつの間にかぴったりのサイズになっていた。
「やはりお前は…」
予感が確信に変わった僕は馬車に置いていた、とっておきのプレゼントを持ってきた。
サラボナでルドマンさんから頂いた家宝。その名も----"てんくうのたて”。
「テル、プレゼントだ。父さんと、そしてどこかで見守っている母さんからのな」
”てんくうのたて”をも見事に装備してみせたテルは無邪気な顔で言った。
「お父さんを助けたから、次はお母さんの番だね。
そして、その次はお父さんのお母さんだ。
みーんな大切な人だから、絶対に助け出してみせるよ!」
テルの声にユナが少し悲しそうに呟いた。
「いいな…おにいちゃんは。
私も伝説の勇者だったら皆を助けだすことができたのになぁ」
僕が慰めようと声をかけるよりも先に動いたのはテルだった。
テルはユナの肩に手をおいて話しかけた。
「僕一人だったら、お父さんを助けることは出来なかったと思う。
ユナやサンチョのおじさん、それに周りの皆がいてくれたからなんだ」
一呼吸おいてテルは続けた。
「皆を助け出せるのが伝説の勇者なんだろう?
だったらさ、僕だけじゃなくてみーんなが勇者さ。
うん。ユナや僕、それから皆が揃ってこその”伝説の勇者”さ!」
「そうかな。…うん、おにいちゃんが言うんなら、きっとそうだね!」
曇りかけていたユナの顔がパーッと輝いた。
僕はこの時、テルの中に太陽を感じた。
暗く閉ざされた大地に明るい光を射すことの出来る太陽の輝きを。
僕は雲一つない青空を見上げて今は亡き父に想いを馳せる。
父さん、父さんが探していた勇者に会うことが出来ました。
僕は必ず貴方の意志を継ぎ、母さんを助け出してみせます。
それから僕は二人の子供達を見つめて遠くにいる妻を思う。
見ているか。デボラ。
僕達が捜し求めていた人物は確かにここにいる。
それも僕達の想像を遥かに超えた人物が。
これから君を助け出しにいくからさ。もうちょっとだけ待っていてくれよな。
「さぁ、坊ちゃん。グランバニアへ参りましょう」
グランバニアへ向かう僕達は光を手にしていた。
八年前に失った”希望”という名の暖かい光。
その輝きはより強く、そしてより暖かくなって僕達を照らしていた。
Next Story is 第九話 「 助け合うということ 」
連休明けは疲れますね…。
そんな疲れにも負けず、全国2,3人の”ある魔物使いの手記帳”ファンの方のために
第八話をおおくりしますよ~。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 「 終わらない悲劇 」
第八話 『 希望という名の光 』
いつからだろう。光が射さなくなってから。
どれくらい経つのだろう。音が感じられなくなってから。
そんな僕を再び大地へと蘇らせたのは、光でも音でもなく。
聞き慣れない子供達の声だった。
「おはよう!お父さん!」
「お父さん、会いたかった…」
僕の前に立っていたのは男の子と女の子。
自分に喋っているのだと気づいたのは、子供達が僕をまっすぐに見つめていたからだとは思う。
しかし、何よりも子供達の黒髪が僕の記憶を呼び覚ませた。
そうか…。
君達は僕とデボラの子供達なのか。
僕は考え込み、喋ることが出来なかった。
何を伝えたらいい?
僕は君達が生まれてから何もしてあげられなかった。
どうすればいい?
何も力がない僕が、いったい何をしてあげられる。
しかし、そんな考えは子供達の笑顔を見ているうちに吹き飛んでしまった。
そして、無意識に出た一言。
「…ありがとう」
その一言を聞いた子供達は安心したのか嬉しかったのか
涙をあふれさせて、僕の足元で泣き崩れてしまった。
子供達の姿はいつしか僕の瞳を潤ませていた。
「坊ちゃん、お久しぶりです」
数刻経ってから話しかけてきたのはサンチョだった。
話を聞くとサンチョと子供達で僕の石化を解く方法、そして僕自身を探してくれていたらしい。
サンチョには迷惑をかけっぱしだ。本当に心から感謝している。
僕達はグランバニアへと向かう船の中でつもる話をつのらせた。
テルとユナの口から出る話はどれも興味深く、僕を夢中にさせた。
その中でもテルが元気よく放った一言に僕は衝撃を受けた。
「お父さん、僕ね、”てんくうのつるぎ”を装備できたんだよ」
「うん、お兄ちゃんが戦っている姿ってかっこいいんだよ」
何だって…?
伝説の勇者しか装備できないはずの”てんくうのつるぎ”を装備できたのか。
ということは、テルこそ僕の捜し求めていた…。
「サンチョ、すまない。グランバニアに行く前に寄って欲しいところがあるんだ」
僕は自分の予感を確かめたくて我侭を聞いてもらった。
僕達が訪れたのは”てんくうのかぶと”が飾られてあった城、テルパドール。
僕は女王に事情を話し、再び”てんくうのかぶと”をお借りすることになった。
ただし、今度は僕ではなくテルが。
”てんくうのかぶと”をかぶったテルだったが大きすぎてサイズが合わない。
…と思ったのもつかの間、徐々に小さくなりはじめたかぶとは、
いつの間にかぴったりのサイズになっていた。
「やはりお前は…」
予感が確信に変わった僕は馬車に置いていた、とっておきのプレゼントを持ってきた。
サラボナでルドマンさんから頂いた家宝。その名も----"てんくうのたて”。
「テル、プレゼントだ。父さんと、そしてどこかで見守っている母さんからのな」
”てんくうのたて”をも見事に装備してみせたテルは無邪気な顔で言った。
「お父さんを助けたから、次はお母さんの番だね。
そして、その次はお父さんのお母さんだ。
みーんな大切な人だから、絶対に助け出してみせるよ!」
テルの声にユナが少し悲しそうに呟いた。
「いいな…おにいちゃんは。
私も伝説の勇者だったら皆を助けだすことができたのになぁ」
僕が慰めようと声をかけるよりも先に動いたのはテルだった。
テルはユナの肩に手をおいて話しかけた。
「僕一人だったら、お父さんを助けることは出来なかったと思う。
ユナやサンチョのおじさん、それに周りの皆がいてくれたからなんだ」
一呼吸おいてテルは続けた。
「皆を助け出せるのが伝説の勇者なんだろう?
だったらさ、僕だけじゃなくてみーんなが勇者さ。
うん。ユナや僕、それから皆が揃ってこその”伝説の勇者”さ!」
「そうかな。…うん、おにいちゃんが言うんなら、きっとそうだね!」
曇りかけていたユナの顔がパーッと輝いた。
僕はこの時、テルの中に太陽を感じた。
暗く閉ざされた大地に明るい光を射すことの出来る太陽の輝きを。
僕は雲一つない青空を見上げて今は亡き父に想いを馳せる。
父さん、父さんが探していた勇者に会うことが出来ました。
僕は必ず貴方の意志を継ぎ、母さんを助け出してみせます。
それから僕は二人の子供達を見つめて遠くにいる妻を思う。
見ているか。デボラ。
僕達が捜し求めていた人物は確かにここにいる。
それも僕達の想像を遥かに超えた人物が。
これから君を助け出しにいくからさ。もうちょっとだけ待っていてくれよな。
「さぁ、坊ちゃん。グランバニアへ参りましょう」
グランバニアへ向かう僕達は光を手にしていた。
八年前に失った”希望”という名の暖かい光。
その輝きはより強く、そしてより暖かくなって僕達を照らしていた。
Next Story is 第九話 「 助け合うということ 」
ドラクエV小説風プレイ日記⑦
2008年07月21日
三連休も終わりが近づいてきました。
皆さん、良い思い出が作れましたでしょうか。
え、管理人ですか?
…ほ、ほら。
そんなことより第七話が始まりますよ。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 『 終わらない悲劇 』
「同じじゃない!同じになんてしてたまるか!」
静寂の中で響く僕の怒号。
自分で自分の出した声に驚いていた。
気づけば僕は、今の気持ちをありのまま叫んでいたんだ。
夜更けではあったが、僕はすぐさま城の兵士達に不審な点を探らせた。
いや、厳密に言えば人に命令することは苦手だった僕は自分で行動を起こしていた。
それを見た周りの者達が捜索を始めてくれていた。
本当に感謝している。…ありがとう。
そして浮かび上がった一つの不審点。
大臣(僕に王家の試練を受けることを薦めた人物だ)がいないということ。
人をむやみに疑うことはいけないことだ。そんなことはわかっていた。
わかってはいるけれども、そんなことを言っている場合ではなかったのも事実。
僕は大臣の部屋を念入りに調べてみると怪しげな靴を発見した。
靴の横に置かれてあったメモ書きにはこう書かれていた。
”我が塔に来たい時はこの靴を使え”
わらにもすがりたい気持ちであった僕は、深く考えずに靴をはいた。
すると不思議なことに体が浮かび上がり、空高く舞い上がったかと思うと
気づけば大きな塔の前に立っていた。
必ずこの先にデボラがいる。
何故だかは分からないが、そう思えて仕方なかった。
僕は塔に仕掛けられた罠を回避しながら階を進めて行き、ついに大臣の居場所までたどり着く。
しかし、大臣は体中から流血しており、もはや手の施しようがないほどだった。
「や、やはり魔物と手など組むべきではなかった。
私はとんでもないことを…。お許しください、どうかお許しくださ…」
言い終えることなく大臣は息を引き取った。
僕の隣にいたサンチョが問いかける。
「いったいどういうことでしょうか」
少し考えてはみたが答えが出るはずもなく。
「…わからないよ。とにかく今は進もう」
そうだ。今は進むしかない。進んだ先に答えは待っているんだから。
願望にも似た希望を胸に抱き、僕達は塔の頂上へとたどり着く。
そこにはデボラがいた!
そして、その横には大きな魔物の姿。
「よう。やっぱり来たな、ゲマ様の言う通りだったぜ」
…この魔物。こいつは!
きっと僕はものすごい形相で睨んでいたのだと思う。
でも、それは仕方ないことだった。
何故なら、この魔物は父を亡き者にした魔物の一味だったのだから!
僕が見せる初めての形相に驚いていたデボラだったが、平静を取り戻し僕に叫ぶ。
「私のしもべであるアンタのことだからさ、絶対に来るって思ってたよ。
でもね、アンタはここに来ちゃいけなかったんだ。
こいつは、ここでアンタを抹殺するつもりなんだよ!」
デボラの元気な声は僕を安心させた。
「良かった。無事みたいだね。…後はこいつを倒すだけだ」
僕は武器を手に取り、魔物目掛け勢いよく斬りかかった。
しかし、手ごたえが全く感じられない。
そんな僕を見て魔物が笑いをこらえながら言う。
「クク…。無駄だ無駄だ。
俺はゲマ様の魔力によって、お前などには傷つけられないようになっているんだよ。
諦めてさっさとくたばりやがれ!」
言葉が終わると同時に、魔物は口から猛烈な勢いの吹雪を吐き出した。
僕達は魔物の圧倒的な力とダメージを全く与えられないという事実に潰されそうになっていた。
でも、その危機を救ってくれた人がいたんだ。
「ねぇ、まさかやられちゃわないわよね?アンタはそんなに弱くないでしょ。
しっかりしなさいよ!私を助けられないままでやられちゃうなんて。
そんなの…そんなの絶対に許さないんだから!」
涙を流すデボラの体が強烈な光を放ち、魔物の体を取り囲んだ。
その光が何であったのか、そんなことはどうでもよかった。
ただ、このまま…デボラを助けられないまま倒れることは出来ない。
そう思った僕は再び魔物へと斬りかかっていた。
「…ぐぁ。バ、バカナ」
…斬れる。斬れるぞ!
攻撃が当たるぞ!
デボラが放った光は魔物の体から強烈な魔力を取り除いていた。
そのおかげで僕達は憎き魔物を倒すことが出来たんだ。
「何故だ…。何故ゲマ様の魔力が…。
……そうか。そこの女、お前が天空の血を…グァァ」
断末魔を残し、魔物は消滅した。
全ての力を使い果たした僕はその場に倒れこんだ。
倒れこんだ僕の傍に近寄り、デボラは話しかけてきた。
「…フン。やれば出来るじゃないの。
最初っから本気でやりなさいよ。……バカ」
違う、これは君のおかげなんだよ。
そう言いたかったのだが上手く言葉を喋れないほどに疲れていた。
まぁ、いい。これで終わったんだ。
グランバニアに帰ってからきちんと伝えよう。
僕は、やっと取り戻した大切な人を見ながら安堵していた。
…しかし、そんな僕にすぐさま新たな試練が舞い込んだ。
「やれやれ。思っていた以上に力をつけていたようですね。
それに天空の血を引く女、ですか。放っておくわけにはいかないようですね」
いつの間にいたのだろうか。
僕の後ろから声を放った魔物。
こいつこそが父を亡き者にした張本人、ゲマだった。
力は使い果たしていたものの、こいつだけは許せなかった。
最後の気力を振り絞り、剣を振り下ろした。
そんな僕に動じることもなく、ゲマは僕とデボラに石化の呪いをかけた。
「ここで殺すことはたやすいのですけども。それ以上の悲劇をプレゼント致しましょう。
貴方達は自分の目で世界が破滅していく姿を見ていなさい。何も出来ないまま、でね」
そう言い残すとゲマはその場から消え去った。
石となった僕達はやがてオークション目当ての盗賊に運び出された。
そして、僕はある富豪に買われていったんだ。
…デボラがどうなったのかは分からなかった。
富豪宅で僕は”守り神”として庭に配置された。
もちろん僕に守り神としての力なんてなかったけれど、平和な日々が続いていた。
そう、あの日までは。
ある嵐の夜だった。
暗雲立ち込める霧の中から現れたのは二匹の魔物だった。
「よし、こいつだな。連れて行くぞ」
そう言った魔物達は、富豪宅の子供をさらって行った。
傍には母親がいたのだが、非力な女性ではどうすることも出来なかった。
ただ見ているしか出来ない僕は、自分がどうしようもなく情けなかった…。
石像となってしまった後も見ることや考えることは出来た。
でも、それは僕がしっかりとした意志を持っていたからだったのかもしれない。
自分の力に絶望してしまった僕からは、やがてその力も失われていった…。
Next Story is 第八話 「 希望という名の光 」
■プレイ途中経過
小説では石像となったところですが、実際のプレイは魔界へ向かおうとしているところです。
ちょっと離れすぎてしまったので、”現在のカズ”はこっちに載せておくことにします。
肩書きが「グランバニアおう」を通り越して「ゆうしゃのちちおや」になってます。
現在のカズ
ゆうしゃのちちおや ちから:143 E ドラゴンのつえ ホイミ、べホイミ、ベホマ
せいべつ:おとこ すばやさ:87 E おうじゃのマント ザオラル、メガザル
レベル:33 みのまもり:51 E ちからのたて キアリー、マホキテ、スカラ
かしこさ:83 E ちりょくのかぶと インパス、ルーラ、リレミト
最大HP 300 うんのよさ:73 E エルフのおまもり バギ、バギマ、バギクロス
最大MP 162 こうげき力:243 パルプンテ
しゅび力:226
「戦闘呪文」と「移動中の呪文」って別場所に表記されるんですね。
以前の表記に抜けがあったかも…。
さて、物語もいよいよ架橋。
エンディング目指して頑張りますか~。
皆さん、良い思い出が作れましたでしょうか。
え、管理人ですか?
…ほ、ほら。
そんなことより第七話が始まりますよ。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 「 繰り返される悪夢 」
第七話 『 終わらない悲劇 』
「同じじゃない!同じになんてしてたまるか!」
静寂の中で響く僕の怒号。
自分で自分の出した声に驚いていた。
気づけば僕は、今の気持ちをありのまま叫んでいたんだ。
夜更けではあったが、僕はすぐさま城の兵士達に不審な点を探らせた。
いや、厳密に言えば人に命令することは苦手だった僕は自分で行動を起こしていた。
それを見た周りの者達が捜索を始めてくれていた。
本当に感謝している。…ありがとう。
そして浮かび上がった一つの不審点。
大臣(僕に王家の試練を受けることを薦めた人物だ)がいないということ。
人をむやみに疑うことはいけないことだ。そんなことはわかっていた。
わかってはいるけれども、そんなことを言っている場合ではなかったのも事実。
僕は大臣の部屋を念入りに調べてみると怪しげな靴を発見した。
靴の横に置かれてあったメモ書きにはこう書かれていた。
”我が塔に来たい時はこの靴を使え”
わらにもすがりたい気持ちであった僕は、深く考えずに靴をはいた。
すると不思議なことに体が浮かび上がり、空高く舞い上がったかと思うと
気づけば大きな塔の前に立っていた。
必ずこの先にデボラがいる。
何故だかは分からないが、そう思えて仕方なかった。
僕は塔に仕掛けられた罠を回避しながら階を進めて行き、ついに大臣の居場所までたどり着く。
しかし、大臣は体中から流血しており、もはや手の施しようがないほどだった。
「や、やはり魔物と手など組むべきではなかった。
私はとんでもないことを…。お許しください、どうかお許しくださ…」
言い終えることなく大臣は息を引き取った。
僕の隣にいたサンチョが問いかける。
「いったいどういうことでしょうか」
少し考えてはみたが答えが出るはずもなく。
「…わからないよ。とにかく今は進もう」
そうだ。今は進むしかない。進んだ先に答えは待っているんだから。
願望にも似た希望を胸に抱き、僕達は塔の頂上へとたどり着く。
そこにはデボラがいた!
そして、その横には大きな魔物の姿。
「よう。やっぱり来たな、ゲマ様の言う通りだったぜ」
…この魔物。こいつは!
きっと僕はものすごい形相で睨んでいたのだと思う。
でも、それは仕方ないことだった。
何故なら、この魔物は父を亡き者にした魔物の一味だったのだから!
僕が見せる初めての形相に驚いていたデボラだったが、平静を取り戻し僕に叫ぶ。
「私のしもべであるアンタのことだからさ、絶対に来るって思ってたよ。
でもね、アンタはここに来ちゃいけなかったんだ。
こいつは、ここでアンタを抹殺するつもりなんだよ!」
デボラの元気な声は僕を安心させた。
「良かった。無事みたいだね。…後はこいつを倒すだけだ」
僕は武器を手に取り、魔物目掛け勢いよく斬りかかった。
しかし、手ごたえが全く感じられない。
そんな僕を見て魔物が笑いをこらえながら言う。
「クク…。無駄だ無駄だ。
俺はゲマ様の魔力によって、お前などには傷つけられないようになっているんだよ。
諦めてさっさとくたばりやがれ!」
言葉が終わると同時に、魔物は口から猛烈な勢いの吹雪を吐き出した。
僕達は魔物の圧倒的な力とダメージを全く与えられないという事実に潰されそうになっていた。
でも、その危機を救ってくれた人がいたんだ。
「ねぇ、まさかやられちゃわないわよね?アンタはそんなに弱くないでしょ。
しっかりしなさいよ!私を助けられないままでやられちゃうなんて。
そんなの…そんなの絶対に許さないんだから!」
涙を流すデボラの体が強烈な光を放ち、魔物の体を取り囲んだ。
その光が何であったのか、そんなことはどうでもよかった。
ただ、このまま…デボラを助けられないまま倒れることは出来ない。
そう思った僕は再び魔物へと斬りかかっていた。
「…ぐぁ。バ、バカナ」
…斬れる。斬れるぞ!
攻撃が当たるぞ!
デボラが放った光は魔物の体から強烈な魔力を取り除いていた。
そのおかげで僕達は憎き魔物を倒すことが出来たんだ。
「何故だ…。何故ゲマ様の魔力が…。
……そうか。そこの女、お前が天空の血を…グァァ」
断末魔を残し、魔物は消滅した。
全ての力を使い果たした僕はその場に倒れこんだ。
倒れこんだ僕の傍に近寄り、デボラは話しかけてきた。
「…フン。やれば出来るじゃないの。
最初っから本気でやりなさいよ。……バカ」
違う、これは君のおかげなんだよ。
そう言いたかったのだが上手く言葉を喋れないほどに疲れていた。
まぁ、いい。これで終わったんだ。
グランバニアに帰ってからきちんと伝えよう。
僕は、やっと取り戻した大切な人を見ながら安堵していた。
…しかし、そんな僕にすぐさま新たな試練が舞い込んだ。
「やれやれ。思っていた以上に力をつけていたようですね。
それに天空の血を引く女、ですか。放っておくわけにはいかないようですね」
いつの間にいたのだろうか。
僕の後ろから声を放った魔物。
こいつこそが父を亡き者にした張本人、ゲマだった。
力は使い果たしていたものの、こいつだけは許せなかった。
最後の気力を振り絞り、剣を振り下ろした。
そんな僕に動じることもなく、ゲマは僕とデボラに石化の呪いをかけた。
「ここで殺すことはたやすいのですけども。それ以上の悲劇をプレゼント致しましょう。
貴方達は自分の目で世界が破滅していく姿を見ていなさい。何も出来ないまま、でね」
そう言い残すとゲマはその場から消え去った。
石となった僕達はやがてオークション目当ての盗賊に運び出された。
そして、僕はある富豪に買われていったんだ。
…デボラがどうなったのかは分からなかった。
富豪宅で僕は”守り神”として庭に配置された。
もちろん僕に守り神としての力なんてなかったけれど、平和な日々が続いていた。
そう、あの日までは。
ある嵐の夜だった。
暗雲立ち込める霧の中から現れたのは二匹の魔物だった。
「よし、こいつだな。連れて行くぞ」
そう言った魔物達は、富豪宅の子供をさらって行った。
傍には母親がいたのだが、非力な女性ではどうすることも出来なかった。
ただ見ているしか出来ない僕は、自分がどうしようもなく情けなかった…。
石像となってしまった後も見ることや考えることは出来た。
でも、それは僕がしっかりとした意志を持っていたからだったのかもしれない。
自分の力に絶望してしまった僕からは、やがてその力も失われていった…。
Next Story is 第八話 「 希望という名の光 」
■プレイ途中経過
小説では石像となったところですが、実際のプレイは魔界へ向かおうとしているところです。
ちょっと離れすぎてしまったので、”現在のカズ”はこっちに載せておくことにします。
肩書きが「グランバニアおう」を通り越して「ゆうしゃのちちおや」になってます。
現在のカズ
ゆうしゃのちちおや ちから:143 E ドラゴンのつえ ホイミ、べホイミ、ベホマ
せいべつ:おとこ すばやさ:87 E おうじゃのマント ザオラル、メガザル
レベル:33 みのまもり:51 E ちからのたて キアリー、マホキテ、スカラ
かしこさ:83 E ちりょくのかぶと インパス、ルーラ、リレミト
最大HP 300 うんのよさ:73 E エルフのおまもり バギ、バギマ、バギクロス
最大MP 162 こうげき力:243 パルプンテ
しゅび力:226
「戦闘呪文」と「移動中の呪文」って別場所に表記されるんですね。
以前の表記に抜けがあったかも…。
さて、物語もいよいよ架橋。
エンディング目指して頑張りますか~。
ドラクエV小説風プレイ日記⑥
2008年07月20日
火曜の自分に問いかけてみる。
この三連休の思い出は?
ドラクエVです。
…さぁ、元気に第六話に行きますか。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 『 繰り返される悪夢 』
「どうしてこんな身体で旅をしてきたんですか!」
寝室に案内されるや否や、グランバニア城に務める女性に怒鳴られてしまった。
デボラの容態はそんなに悪かったのか…。
自分の至らなさを後悔しながら女性に聞いてみた。
「そ、そんなに危ない状態なんですか?」
「おめでたです」
……おめでた?
自分の予想と全く違った答えに思考回路が停止してしまった僕であったが
デボラの声で再び動き出した。
「子供が生まれるんだってさ。
良かったね、これで跡継ぎの心配もないってもんだねぇ。
さぁ、原因も分かったんだし。さっさと王家の紋章とやらをとりにいくよ」
身支度を始めたデボラを慌てて止める。
僕は必死の形相で伝えた。
「駄目だ。今回だけは駄目だ。
もうお前は一人の身体じゃないんだ。心配せずに待っていてくれ」
いつもならすぐに反抗してくるデボラも流石に無理だと思ったらしく
ベッドの上に横になって僕に言った。
「…わかった、わかったわよ。
アンタがその目になった時は何言っても無駄だもん」
弱々しい声だったのだが、すぐにいつもの口調に戻り
ベッドの上から僕を指差して言った。
「さっさと行って来なさいよ。いい、「さっさと」行って来るのよ。
私を待たせるなんて誰にも許される行為じゃないんだからね」
デボラの笑顔をしっかりと確認した僕は
同じく笑顔になり、はっきりと伝えた。
「ああ、もちろんだとも」
王家の紋章が祭られていた洞窟には、いくつか罠が施されていた。
しかし、王家の紋章を持ち帰るという試練は、今の僕にとってはそれほど難しいものではなかった。
「王家の紋章を持ち帰る」という行為だけなら、ね。
王家の紋章を手にした僕を洞窟の入り口で待ち伏せていた二人組みの男達がいた。
見覚えが全くなかったが、向こうは僕のことを知っているらしかった。
「よう、アンタにゃ恨みはないんだけどさ。
その紋章だけ貰えないかな。そうすりゃ無事に帰してやるよ」
「どういうことだ?」
もう1人の男が僕の声に反応した。
「アンタに王位を継いでもらいたくない奴がいるってことさ」
「バカやろう、余計なこと言うんじゃねぇ」
最初に話しかけてきた男がもう1人の男に注意する。
そして、紋章を渡そうとしない僕のほうを向き言葉を発した。
「そうかい。渡す気はないってことかい。
じゃあ、仕方ねえな」
二人は僕に襲い掛かってきた。
急な出来事で対処が難しく、最初は劣勢を強いられたものの
仲間の魔物の協力もありどうにか無事に紋章を持ち帰ることが出来た。
後から思えばしっかりと確認しておくべきだったんだ。
”王位を継いでもらいたくない奴”について…。
城へ帰った僕をオジロン王は満面の笑みで迎え入れてくれた。
「よくやったぞ。それでこそ、我が兄パパスの息子じゃ」
オジロン王をはじめとしてグランバニアの民全員が祝福してくれた。
もちろん、誰よりも祝福してくれたのはデボラだった。
「遅いわよ!もう少し遅かったら許さないところだったわ。
…まぁ、無事に帰ってこれたんだし。アンタにしちゃ良くやったんじゃないの」
相変わらずいつもの口調だったけど、言葉一つ一つに彼女の優しさを感じられた。
本当に無事で良かった。僕も。そして、君も。
僕への王位継承の儀式は翌日に行なわれた。
儀式は、オジロン王の言葉を聞き、それに応えるといったものだった。
非常に簡易的ではあったが、一国の王が変わるという一大事ということもあり
その場に居合わせた全員が荘厳な面持ちをしていた。
ただ、そんなこと(なんて言ったら怒られるけど)を遥かにしのぐ一大事が起こった。
「生まれました!」
デボラの寝室から赤ん坊の泣き声が聞こえた瞬間に僕は走り出していた。
デボラは立派な赤ん坊を産んでいた。それも、二人も同時に。
「良かった…。本当に良く頑張ってくれたよ。ありがとう…」
涙を抑えきれずにいた僕に、デボラはいつもの口調で言った。
もちろん、嬉しそうに微笑む彼女を見れば
照れ隠しで言った口調なんだろうなと容易に予想は出来たのだけれど。
「なーに?私を褒めるなんて10年早いわよ。
それよりもさ、子供の名前決めちゃってよ。
私、面倒なことはパスしとくから」
子供のことを聞いた時から僕には浮かんでいた名前があった。
男の子、女の子のどちらが生まれてもいいように二人分の名前を考えていた。
それが両方とも活かされるなんて思ってもみなかったな。
「男の子は”テル”。女の子は”ユナ”。どうかな?」
「ふーん、ちょっと変だけどアンタが考えた名前でしょ。いいんじゃない?」
デボラはぶっきらぼうに答えた。
彼女が考えていた名前もあるんじゃないのか、と考えたのだけれど
満面の笑みをしていた彼女を見て、その質問は心の内にしまうことにした。
僕の王位継承と王子(王女)誕生を祝った祝賀会は夜遅くまで続いた。
永遠に続くとも思われる幸福の中でいつの間にか僕は眠っていた。
そして、ふと夜中に目を覚ました僕は奇妙な感覚に襲われた。
なんだ…この感覚は。
静かすぎる。不気味なほどに。
嫌な胸騒ぎを感じた僕は、途中で合流したサンチョと共にデボラの寝室を目指した。
自分の胸騒ぎを吹き飛ばしたくて。
そんな僕をあざ笑うかのように、そこで待っていたのは”絶望”だった…。
「申し訳ありません。申し訳ありません。
デボラ様から頼まれた二人の赤ん坊を隠すのが精一杯で。
デボラ様をお助けすることが出来ませんでした。本当に申し訳ありません」
寝室にいた女中が泣き崩れながら伝えた。
僕達が眠っている間に魔物が現れ、デボラを連れ去ったというのだ。
危険をいち早く察知したデボラは子供たちだけでもと女中に託して…。
僕の後ろにいたサンチョがつぶやいた。
「…同じだ。パパスさまの時と同じことが起こった。
どうしてだ。なぜ、また10年前の悪夢が起きなければならないんだ…」
サンチョの言葉は耳に届いていた。
でも、頭には入ってこなかった。
デボラを失ってしまった僕には、自分の後悔の声しか聞こえていなかったから…。
Next Story is 第七話 「 終わらない悲劇 」
■第六話を終えて
えーと…進展がほとんどありません。
大事な所とはいえ力を入れすぎたか。
もう少しテンポ良くいかないと息切れしそうな感じはしますねぇ…。
今までの話を全て読んでくれている方、更には最後まで読むぞ!と仰ってくれている方が
果たしていらっしゃるのか分かりませんが、とりあえずクリアまで頑張って書こうっと。
…多分書くはず。
この三連休の思い出は?
ドラクエVです。
…さぁ、元気に第六話に行きますか。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 「 偉大なる父の国 」
第六話 『 繰り返される悪夢 』
「どうしてこんな身体で旅をしてきたんですか!」
寝室に案内されるや否や、グランバニア城に務める女性に怒鳴られてしまった。
デボラの容態はそんなに悪かったのか…。
自分の至らなさを後悔しながら女性に聞いてみた。
「そ、そんなに危ない状態なんですか?」
「おめでたです」
……おめでた?
自分の予想と全く違った答えに思考回路が停止してしまった僕であったが
デボラの声で再び動き出した。
「子供が生まれるんだってさ。
良かったね、これで跡継ぎの心配もないってもんだねぇ。
さぁ、原因も分かったんだし。さっさと王家の紋章とやらをとりにいくよ」
身支度を始めたデボラを慌てて止める。
僕は必死の形相で伝えた。
「駄目だ。今回だけは駄目だ。
もうお前は一人の身体じゃないんだ。心配せずに待っていてくれ」
いつもならすぐに反抗してくるデボラも流石に無理だと思ったらしく
ベッドの上に横になって僕に言った。
「…わかった、わかったわよ。
アンタがその目になった時は何言っても無駄だもん」
弱々しい声だったのだが、すぐにいつもの口調に戻り
ベッドの上から僕を指差して言った。
「さっさと行って来なさいよ。いい、「さっさと」行って来るのよ。
私を待たせるなんて誰にも許される行為じゃないんだからね」
デボラの笑顔をしっかりと確認した僕は
同じく笑顔になり、はっきりと伝えた。
「ああ、もちろんだとも」
王家の紋章が祭られていた洞窟には、いくつか罠が施されていた。
しかし、王家の紋章を持ち帰るという試練は、今の僕にとってはそれほど難しいものではなかった。
「王家の紋章を持ち帰る」という行為だけなら、ね。
王家の紋章を手にした僕を洞窟の入り口で待ち伏せていた二人組みの男達がいた。
見覚えが全くなかったが、向こうは僕のことを知っているらしかった。
「よう、アンタにゃ恨みはないんだけどさ。
その紋章だけ貰えないかな。そうすりゃ無事に帰してやるよ」
「どういうことだ?」
もう1人の男が僕の声に反応した。
「アンタに王位を継いでもらいたくない奴がいるってことさ」
「バカやろう、余計なこと言うんじゃねぇ」
最初に話しかけてきた男がもう1人の男に注意する。
そして、紋章を渡そうとしない僕のほうを向き言葉を発した。
「そうかい。渡す気はないってことかい。
じゃあ、仕方ねえな」
二人は僕に襲い掛かってきた。
急な出来事で対処が難しく、最初は劣勢を強いられたものの
仲間の魔物の協力もありどうにか無事に紋章を持ち帰ることが出来た。
後から思えばしっかりと確認しておくべきだったんだ。
”王位を継いでもらいたくない奴”について…。
城へ帰った僕をオジロン王は満面の笑みで迎え入れてくれた。
「よくやったぞ。それでこそ、我が兄パパスの息子じゃ」
オジロン王をはじめとしてグランバニアの民全員が祝福してくれた。
もちろん、誰よりも祝福してくれたのはデボラだった。
「遅いわよ!もう少し遅かったら許さないところだったわ。
…まぁ、無事に帰ってこれたんだし。アンタにしちゃ良くやったんじゃないの」
相変わらずいつもの口調だったけど、言葉一つ一つに彼女の優しさを感じられた。
本当に無事で良かった。僕も。そして、君も。
僕への王位継承の儀式は翌日に行なわれた。
儀式は、オジロン王の言葉を聞き、それに応えるといったものだった。
非常に簡易的ではあったが、一国の王が変わるという一大事ということもあり
その場に居合わせた全員が荘厳な面持ちをしていた。
ただ、そんなこと(なんて言ったら怒られるけど)を遥かにしのぐ一大事が起こった。
「生まれました!」
デボラの寝室から赤ん坊の泣き声が聞こえた瞬間に僕は走り出していた。
デボラは立派な赤ん坊を産んでいた。それも、二人も同時に。
「良かった…。本当に良く頑張ってくれたよ。ありがとう…」
涙を抑えきれずにいた僕に、デボラはいつもの口調で言った。
もちろん、嬉しそうに微笑む彼女を見れば
照れ隠しで言った口調なんだろうなと容易に予想は出来たのだけれど。
「なーに?私を褒めるなんて10年早いわよ。
それよりもさ、子供の名前決めちゃってよ。
私、面倒なことはパスしとくから」
子供のことを聞いた時から僕には浮かんでいた名前があった。
男の子、女の子のどちらが生まれてもいいように二人分の名前を考えていた。
それが両方とも活かされるなんて思ってもみなかったな。
「男の子は”テル”。女の子は”ユナ”。どうかな?」
「ふーん、ちょっと変だけどアンタが考えた名前でしょ。いいんじゃない?」
デボラはぶっきらぼうに答えた。
彼女が考えていた名前もあるんじゃないのか、と考えたのだけれど
満面の笑みをしていた彼女を見て、その質問は心の内にしまうことにした。
僕の王位継承と王子(王女)誕生を祝った祝賀会は夜遅くまで続いた。
永遠に続くとも思われる幸福の中でいつの間にか僕は眠っていた。
そして、ふと夜中に目を覚ました僕は奇妙な感覚に襲われた。
なんだ…この感覚は。
静かすぎる。不気味なほどに。
嫌な胸騒ぎを感じた僕は、途中で合流したサンチョと共にデボラの寝室を目指した。
自分の胸騒ぎを吹き飛ばしたくて。
そんな僕をあざ笑うかのように、そこで待っていたのは”絶望”だった…。
「申し訳ありません。申し訳ありません。
デボラ様から頼まれた二人の赤ん坊を隠すのが精一杯で。
デボラ様をお助けすることが出来ませんでした。本当に申し訳ありません」
寝室にいた女中が泣き崩れながら伝えた。
僕達が眠っている間に魔物が現れ、デボラを連れ去ったというのだ。
危険をいち早く察知したデボラは子供たちだけでもと女中に託して…。
僕の後ろにいたサンチョがつぶやいた。
「…同じだ。パパスさまの時と同じことが起こった。
どうしてだ。なぜ、また10年前の悪夢が起きなければならないんだ…」
サンチョの言葉は耳に届いていた。
でも、頭には入ってこなかった。
デボラを失ってしまった僕には、自分の後悔の声しか聞こえていなかったから…。
Next Story is 第七話 「 終わらない悲劇 」
■第六話を終えて
えーと…進展がほとんどありません。
大事な所とはいえ力を入れすぎたか。
もう少しテンポ良くいかないと息切れしそうな感じはしますねぇ…。
今までの話を全て読んでくれている方、更には最後まで読むぞ!と仰ってくれている方が
果たしていらっしゃるのか分かりませんが、とりあえずクリアまで頑張って書こうっと。
…多分書くはず。
ドラクエV小説風プレイ日記⑤
2008年07月20日
少しだけタイトル変更。
一話で終わるかと思ったけれど意外に続くこのシリーズ。
さてさて、どこまでいきますか。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 『 偉大なる父の国 』
"父パパスはグランバニアを治める王"
天空のかぶとが祭られていた砂漠の城で知らされた事実だった。
父と旅をしている時も、周りの皆が「パパスさんは只者ではない」などと言っていたのだが
まさか一国を治める王だったとは衝撃だった。
僕の生まれ故郷であるグランバニアは、ここから東にいくとあるらしい。
今すぐ行ってこの目で父が治めていた国を見てみたい。
しかし…。
僕には決断できない一つの理由があった。
妻のデボラだ。この所、どうにも体の不調を訴える日が続いている。
グランバニアまでは山を一つ越えなければたどり着くことはできない。
もし、途中で何かあったら…。
「じゃ、さっさとグランバニアとやらへ行くわよ」
デボラが馬車から身を乗り出して僕に告げる。
「いや、しかし…」
僕の心配の種が自分であることを悟ったのか、彼女は語調を強めた。
「私はね、アンタが考えているほどやわじゃないの!
それにね、私はアンタの重荷になるつもりでついてきたんじゃないんだからね!
分かったらさっさといくわよ。最初に言ったわよね、グズな男は嫌いだって」
彼女と旅を続けていて気づいたことがある。
彼女の口調がキツクなる時は、相手のことを思いやっている時なのだと。
「ありがとう」
心の底から出た言葉だった。
その言葉に彼女が反応する。
「はぁ…本当にアンタはバカなんだから。
アンタは自分のママを助けるために伝説の勇者を探さなきゃならないんでしょ。
こんな時くらい我侭になったらいいじゃない。ま、アンタのそういうところ嫌いじゃないけどね」
妻デボラからの強烈な後押しもあり、僕達はグランバニアを目指した。
山中でデボラが体調を悪くしたものの、途中に村があったことは天からの恵みに思えた。
助け合いながら何とか山を越えた僕達はグランバニア城へと足を踏み入れた。
話を聞こうと一軒の民家を訪ねた時だ。
「…坊ちゃん?まさか…。まさか!」
歓喜の声をあげたその男の名はサンチョ。
父と旅をしていた時に共にいた男であり、僕にとって第二の父とも呼べる存在だった。
「生きていらっしゃったんですね。よく、よく顔を見せてください。
本当に…本当にご立派になられて…」
僕の顔をまじまじと見つめながら言葉を発するサンチョ。
その瞳はいつの間にか涙に満たされ、留まることが出来ずに溢れ出していた。
もちろん、それはサンチョだけではなかったのだけれど。
現在グランバニアを治めているのは父の弟であるオジロンだった。
王の間へと呼ばれた僕に向かってオジロンは言った。
「うむ。兄と同じく良い目をしておる。
私は信じていたよ。あの兄の息子なのだ。生きているに違いないと」
そして、オジロンは続ける。
「よし、お前なら大丈夫に違いない。
今、この時をもってお前に王位を譲ろうと思う」
「王、お待ちください」
王の隣にいた大臣だ。
王の言葉に反対するように言葉を遮った。
「この国の王になられる方は、王家の試練を受けなければなりません」
王家の試練とは、グランバニアの東にある洞窟から王家の紋章を取ってくるというものであったが
平和だった時とは違い、今の洞窟は魔物の住処となっているらしかった。
それを知っているオジロンは反対したのだが、大臣は言う。
「危険であろうが、皆おこなってきたことです。
カズ様だけ特別というわけには参りません」
元々、気の強いほうではなかったオジロンは反対出来ずに渋々了承した。
「む、むぅ。まぁ、そこまで言うのならば仕方がない。
分かったか、カズよ。今から王家の紋章をとりにいってくるのじゃ。
紋章を持って帰ってきた暁に、お前に王位を譲ろうと思う」
横で聞いていたデボラは、僕のほうを振り向き笑顔で言った。
「へぇ、アンタが王様ね。
どうも只者じゃないと思っていたけど、アンタを選んだ私の目に狂いはなかったようだね」
中々聞けるものではないデボラの一言に思わず照れてしまった僕だったのだが
「これで、私は一気に王妃様ってわけだねぇ。フフ。
こりゃあ、稀に見るスピード出世ってやつよね」
最後に付け加えた”デボラ節”に照れも吹き飛ばされた。
でも、このほうがいい。やっぱり、デボラはこうでなきゃ。
と、最近調子の悪かった妻が見せる普段の姿に喜んでいた。
そう。僕は喜んでいた。
そして、気づくことが出来なかったんだ。
この場にいる一人が僕の王位継承を望んでいなかったことに…。
Next Story is 第六話 「 繰り返される悪夢 」
■新作ゲーム情報
さて、最近プレイ日記一辺倒となっておりますがここらで新作情報でも。
カルドセプトDS

知る人ぞ知る不朽の名作ボードゲームがDSで発売。
特徴はボードゲームとカードゲームの融合。
有名どころで言いますと「いただきストリート」と「遊戯王」の合体、でしょうか。
相手の陣地に止まった時は無条件で買い物料を払ういたストとは違い、
相手陣地に配置されているカードと自分のカードをバトルさせ、勝利することで陣地を奪える。
(いたストでは5倍買いという方法で奪えますけどね)
ゲームを始める前に自分のデッキを組む戦略性。
自分の陣地にどういったカードを配置しておくのかを考える戦略性。
相手の陣地に止まった時の対処法を考える戦略性。
とにもかくにも戦略性にとんだボードゲームなのです。
ですので、初めてプレイする方と熟練者では開きが激しいゲームではあるのですが
一旦はまってしまったら、こんなに面白いボードゲームは中々ないんじゃないかなと思います。
発売日は10/16。
管理人の10月購入予定リスト入り第一弾は「カルドセプトDS」に決定。
一話で終わるかと思ったけれど意外に続くこのシリーズ。
さてさて、どこまでいきますか。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 「 天空の花嫁 」
第五話 『 偉大なる父の国 』
"父パパスはグランバニアを治める王"
天空のかぶとが祭られていた砂漠の城で知らされた事実だった。
父と旅をしている時も、周りの皆が「パパスさんは只者ではない」などと言っていたのだが
まさか一国を治める王だったとは衝撃だった。
僕の生まれ故郷であるグランバニアは、ここから東にいくとあるらしい。
今すぐ行ってこの目で父が治めていた国を見てみたい。
しかし…。
僕には決断できない一つの理由があった。
妻のデボラだ。この所、どうにも体の不調を訴える日が続いている。
グランバニアまでは山を一つ越えなければたどり着くことはできない。
もし、途中で何かあったら…。
「じゃ、さっさとグランバニアとやらへ行くわよ」
デボラが馬車から身を乗り出して僕に告げる。
「いや、しかし…」
僕の心配の種が自分であることを悟ったのか、彼女は語調を強めた。
「私はね、アンタが考えているほどやわじゃないの!
それにね、私はアンタの重荷になるつもりでついてきたんじゃないんだからね!
分かったらさっさといくわよ。最初に言ったわよね、グズな男は嫌いだって」
彼女と旅を続けていて気づいたことがある。
彼女の口調がキツクなる時は、相手のことを思いやっている時なのだと。
「ありがとう」
心の底から出た言葉だった。
その言葉に彼女が反応する。
「はぁ…本当にアンタはバカなんだから。
アンタは自分のママを助けるために伝説の勇者を探さなきゃならないんでしょ。
こんな時くらい我侭になったらいいじゃない。ま、アンタのそういうところ嫌いじゃないけどね」
妻デボラからの強烈な後押しもあり、僕達はグランバニアを目指した。
山中でデボラが体調を悪くしたものの、途中に村があったことは天からの恵みに思えた。
助け合いながら何とか山を越えた僕達はグランバニア城へと足を踏み入れた。
話を聞こうと一軒の民家を訪ねた時だ。
「…坊ちゃん?まさか…。まさか!」
歓喜の声をあげたその男の名はサンチョ。
父と旅をしていた時に共にいた男であり、僕にとって第二の父とも呼べる存在だった。
「生きていらっしゃったんですね。よく、よく顔を見せてください。
本当に…本当にご立派になられて…」
僕の顔をまじまじと見つめながら言葉を発するサンチョ。
その瞳はいつの間にか涙に満たされ、留まることが出来ずに溢れ出していた。
もちろん、それはサンチョだけではなかったのだけれど。
現在グランバニアを治めているのは父の弟であるオジロンだった。
王の間へと呼ばれた僕に向かってオジロンは言った。
「うむ。兄と同じく良い目をしておる。
私は信じていたよ。あの兄の息子なのだ。生きているに違いないと」
そして、オジロンは続ける。
「よし、お前なら大丈夫に違いない。
今、この時をもってお前に王位を譲ろうと思う」
「王、お待ちください」
王の隣にいた大臣だ。
王の言葉に反対するように言葉を遮った。
「この国の王になられる方は、王家の試練を受けなければなりません」
王家の試練とは、グランバニアの東にある洞窟から王家の紋章を取ってくるというものであったが
平和だった時とは違い、今の洞窟は魔物の住処となっているらしかった。
それを知っているオジロンは反対したのだが、大臣は言う。
「危険であろうが、皆おこなってきたことです。
カズ様だけ特別というわけには参りません」
元々、気の強いほうではなかったオジロンは反対出来ずに渋々了承した。
「む、むぅ。まぁ、そこまで言うのならば仕方がない。
分かったか、カズよ。今から王家の紋章をとりにいってくるのじゃ。
紋章を持って帰ってきた暁に、お前に王位を譲ろうと思う」
横で聞いていたデボラは、僕のほうを振り向き笑顔で言った。
「へぇ、アンタが王様ね。
どうも只者じゃないと思っていたけど、アンタを選んだ私の目に狂いはなかったようだね」
中々聞けるものではないデボラの一言に思わず照れてしまった僕だったのだが
「これで、私は一気に王妃様ってわけだねぇ。フフ。
こりゃあ、稀に見るスピード出世ってやつよね」
最後に付け加えた”デボラ節”に照れも吹き飛ばされた。
でも、このほうがいい。やっぱり、デボラはこうでなきゃ。
と、最近調子の悪かった妻が見せる普段の姿に喜んでいた。
そう。僕は喜んでいた。
そして、気づくことが出来なかったんだ。
この場にいる一人が僕の王位継承を望んでいなかったことに…。
Next Story is 第六話 「 繰り返される悪夢 」
■新作ゲーム情報
さて、最近プレイ日記一辺倒となっておりますがここらで新作情報でも。
カルドセプトDS

知る人ぞ知る不朽の名作ボードゲームがDSで発売。
特徴はボードゲームとカードゲームの融合。
有名どころで言いますと「いただきストリート」と「遊戯王」の合体、でしょうか。
相手の陣地に止まった時は無条件で買い物料を払ういたストとは違い、
相手陣地に配置されているカードと自分のカードをバトルさせ、勝利することで陣地を奪える。
(いたストでは5倍買いという方法で奪えますけどね)
ゲームを始める前に自分のデッキを組む戦略性。
自分の陣地にどういったカードを配置しておくのかを考える戦略性。
相手の陣地に止まった時の対処法を考える戦略性。
とにもかくにも戦略性にとんだボードゲームなのです。
ですので、初めてプレイする方と熟練者では開きが激しいゲームではあるのですが
一旦はまってしまったら、こんなに面白いボードゲームは中々ないんじゃないかなと思います。
発売日は10/16。
管理人の10月購入予定リスト入り第一弾は「カルドセプトDS」に決定。
ドラクエVプレイ日記④
2008年07月19日
両親へ贈った誕生日プレゼントが無事届いたようです。
喜んでくれたようで良かった良かった。
さて、本日のプレイ日記第二弾に参りますか。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 『 天空の花嫁 』
ルラフェンで古代魔法”ルーラ”を取得。
一度訪れた場所に一瞬で移動できるうえ、馬車ごと運んでくれる便利さは
世界中を旅してまわる僕にとっては、最上級の魔法に違いなかった。
ルラフェンの南にある洞窟を越えた先では、一大イベントが開催されていた。
世界でも名の知られるルドマンが娘の結婚相手を募集していたのだ。
ルドマンという名には聞き覚えがあった。
そう。父との船旅中に出会った大富豪だ。
確か、あの時ルドマンさんが連れていた少女は二人。
黒髪の少女と青髪の少女だったはずだ。
とすると、花婿も二人募集しているのだろうか…?
一目ではあるが、昔懐かしい顔ぶれを見たかった僕はルドマンさんの屋敷へと向かった。
この時は考えてもみなかったな。
ちょっとした好奇心でおこした行動が人生における最大の分岐点に繋がるなんて。
屋敷の前まで来た僕に人懐っこい子犬が寄り添ってきた。
僕が足元に寄り添う子犬の頭を撫でていると、つつましさを保ちながらも驚いた声が聞こえた。
「まぁ。リリアンが私以外になつくなんて…」
目を向けた先には青髪の女性---フローラがいた。
人見知りの激しいリリアン(寄り添ってきた子犬)が、自分以外に懐くのは初めてだと言っていた。
魔物使いである僕にとっては当たり前のことだったのだけれど
彼女にとっては注目に値する出来事だったようだ。
屋敷内で花婿募集について聞いてみた。
募集していたのは二人ではなく、妹のフローラだけだった。
ということは、姉であるデボラはもう結婚しているんだろうか。
屋敷内でデボラと話す機会があったので、僕はそれとなく聞いてみた。
彼女から返ってきた答えはこうだ。
「結婚?パスパース。ま、私に釣り合う男がいれば話は別だけどねぇ。
そうね。パパがフローラへの結婚相手へ出した条件くらいは簡単にクリアできる男じゃないと。
何、アンタが立候補したいわけ?」
彼女は近寄り、僕の顔をジロジロと見てこう付け加えた。
「そうねぇ…顔は悪くないんだから頑張ってみる?フフ」
本気かどうかは分からなかったけれど、
微笑みを向けられた僕は思わず目を逸らしてしまった。
おしとやかで優しいフローラ。強気で我侭なデボラ。
正直、どちらに惹かれていたのか分からない。もしかすると両方に惹かれていたのかもしれない。
結局、僕は結婚相手の条件として出されていた”炎のリング”と”水のリング”を取りにいくことにした。
心の中では「自分の力を試すため」と言い聞かせてはいたのだけれど、
本当は自分の思いをはっきりさせるためだったのかもしれない。
炎のリングを見事手に入れた僕は、
ルドマンさんから借りた船を使って水のリングが眠る洞窟を目指した。
洞窟を目指すためには水門を開いてもらう必要があったので水門近くの村に住む管理者の方を訪ねた。
村中央にある墓に祈る女性の横顔が目に入った。
金髪の麗しい女性の横顔には昔の面影が残っていた。
しかし、まさか…。
声をかけることを躊躇っていた僕よりも先に女性が驚きの声をあげる。
「…カズ?カズなの?」
驚きの声はやがて歓喜の声に変わった。
…ように感じたのは僕の思い違いだったのかもしれないけれど。
それでも、彼女の明るい反応が嬉しかった。
ビアンカは一晩宿を貸してくれたうえに、水のリングを探すことを手伝うと申し出た。
危険な洞窟かもしれないからと一旦は断ったのだけれど
「ふーん、でも私が協力しないと水門開かないわよ?」
冗談っぽく笑いながら言葉を発する彼女に僕が勝てるはずもなく、
彼女の申し出を素直に受けることにした。…ありがとう。
水門を抜けて僕達は滝の裏にある洞窟で探索を開始した。
洞窟奥深くに眠る水のリングを見つけた時、横にいたビアンカがつぶやいた。
「ごめんね。…ほんとはね、私がついていきたかったんだ。
だって結婚しちゃったら、こんな冒険もう出来ないでしょ…?」
一瞬憂いを帯びた声になっていたが、すぐにいつもの元気な彼女に戻っていた。
そんな姿を見た僕は子供の頃に彼女と過ごした日々を思い出していた。
その思い出は楽しいものばかりだった。それ故に僕を…切なくさせた。
ルドマンさんの屋敷では結婚式の準備が着々と進められていた。
僕に告げられた一言。
「君は素晴らしい人物のようだ。是非フローラの婿になってほしい。
…だけれど、君に好意を持っている人。君が好意を寄せる人もいるみたいだ。
今晩じっくり考えて君の答えを出しなさい」
そして、僕の肩を叩き付け加えた。
「なーに、君がフローラを選ばなくても結婚式は盛大に挙げるよ。
私は君が気に入ったからね」
その日、僕は人生で最も長く、そして最も短い夜を過ごした…。
翌日、ルドマンさんの部屋には二人の女性が並んでいた。
フローラとビアンカだ。デボラはいなかった。
元々はフローラの結婚相手を募集していたし、デボラも結婚には乗り気ではなかった。
こうなるのは当然といえば当然だと言えた。
「さぁ、カズ。お前が出した答えは…」
「ちょっと待ちなさいよ!」
ルドマンさんの声を掻き消すように声が飛んできた。
デボラだった。
「パパの出した条件を軽々とクリアするなんて、どうやらただの馬の骨ってわけじゃなさそうね。
いいわ。アンタ、私の結婚相手として認めてあげる」
突然の乱入に部屋内に居た全ての人物が驚いていたようだった。
ただ一人。僕を除いて。
何故なら、悩みに悩んで僕の出した答え。
僕が選んだ花嫁はデボラだったから。
強気で、自分の気持ちをはっきりと伝える彼女。
僕が持っていない魅力にいつの間にか僕は惹かれていた。
だから、僕は彼女をパートナーに選んだ。
その場に居合わせた人たちはもちろん、サラボナの町に住む人たち全てが驚いていたけれども
最後には僕達を祝福してくれた。
船上でおこなわれた結婚式。
誓いのくちづけを終えた僕の耳元で彼女はつぶやいた。
「私を選ぶなんて、なかなか見る目があるじゃない。
私を選んだからには絶対に幸せにしなさい。アンタにはその義務があるのよ。
そうしてくれたら私もアンタを…幸せにしてあげるわよ」
デボラがつぶやいた最後の一言は
聞き取れないほど小さかったけれど、僕にははっきりと聞き取ることができた。
Next Story is 第五話 「 偉大なる父の国 」
■プレイの近況とか感想とか
そんなわけで、デボラに忠誠愛を誓って彼女のしもべ夫になったわけですが
これをどんな風にプレイ日記に反映させたら自然な流れになるのか…と苦心しながら書いてみました。
読者の方が不自然に思わなかったら嬉しいのですが。
デボラの初期武器は二回攻撃が出来る優れものであり、中々使えます。
補助呪文もラリホー、ルカナン、バイキルトと揃っている感じがします。
このまま成長を続けていったらどうなるのか楽しみですね。
喜んでくれたようで良かった良かった。
さて、本日のプレイ日記第二弾に参りますか。

■ある魔物使いの手記帳
今までのお話
第一話 「 出会い そして別れ… 」
第二話 「 10年後の世界 」
第三話 「 化物の正体 」
第四話 『 天空の花嫁 』
ルラフェンで古代魔法”ルーラ”を取得。
一度訪れた場所に一瞬で移動できるうえ、馬車ごと運んでくれる便利さは
世界中を旅してまわる僕にとっては、最上級の魔法に違いなかった。
ルラフェンの南にある洞窟を越えた先では、一大イベントが開催されていた。
世界でも名の知られるルドマンが娘の結婚相手を募集していたのだ。
ルドマンという名には聞き覚えがあった。
そう。父との船旅中に出会った大富豪だ。
確か、あの時ルドマンさんが連れていた少女は二人。
黒髪の少女と青髪の少女だったはずだ。
とすると、花婿も二人募集しているのだろうか…?
一目ではあるが、昔懐かしい顔ぶれを見たかった僕はルドマンさんの屋敷へと向かった。
この時は考えてもみなかったな。
ちょっとした好奇心でおこした行動が人生における最大の分岐点に繋がるなんて。
屋敷の前まで来た僕に人懐っこい子犬が寄り添ってきた。
僕が足元に寄り添う子犬の頭を撫でていると、つつましさを保ちながらも驚いた声が聞こえた。
「まぁ。リリアンが私以外になつくなんて…」
目を向けた先には青髪の女性---フローラがいた。
人見知りの激しいリリアン(寄り添ってきた子犬)が、自分以外に懐くのは初めてだと言っていた。
魔物使いである僕にとっては当たり前のことだったのだけれど
彼女にとっては注目に値する出来事だったようだ。
屋敷内で花婿募集について聞いてみた。
募集していたのは二人ではなく、妹のフローラだけだった。
ということは、姉であるデボラはもう結婚しているんだろうか。
屋敷内でデボラと話す機会があったので、僕はそれとなく聞いてみた。
彼女から返ってきた答えはこうだ。
「結婚?パスパース。ま、私に釣り合う男がいれば話は別だけどねぇ。
そうね。パパがフローラへの結婚相手へ出した条件くらいは簡単にクリアできる男じゃないと。
何、アンタが立候補したいわけ?」
彼女は近寄り、僕の顔をジロジロと見てこう付け加えた。
「そうねぇ…顔は悪くないんだから頑張ってみる?フフ」
本気かどうかは分からなかったけれど、
微笑みを向けられた僕は思わず目を逸らしてしまった。
おしとやかで優しいフローラ。強気で我侭なデボラ。
正直、どちらに惹かれていたのか分からない。もしかすると両方に惹かれていたのかもしれない。
結局、僕は結婚相手の条件として出されていた”炎のリング”と”水のリング”を取りにいくことにした。
心の中では「自分の力を試すため」と言い聞かせてはいたのだけれど、
本当は自分の思いをはっきりさせるためだったのかもしれない。
炎のリングを見事手に入れた僕は、
ルドマンさんから借りた船を使って水のリングが眠る洞窟を目指した。
洞窟を目指すためには水門を開いてもらう必要があったので水門近くの村に住む管理者の方を訪ねた。
村中央にある墓に祈る女性の横顔が目に入った。
金髪の麗しい女性の横顔には昔の面影が残っていた。
しかし、まさか…。
声をかけることを躊躇っていた僕よりも先に女性が驚きの声をあげる。
「…カズ?カズなの?」
驚きの声はやがて歓喜の声に変わった。
…ように感じたのは僕の思い違いだったのかもしれないけれど。
それでも、彼女の明るい反応が嬉しかった。
ビアンカは一晩宿を貸してくれたうえに、水のリングを探すことを手伝うと申し出た。
危険な洞窟かもしれないからと一旦は断ったのだけれど
「ふーん、でも私が協力しないと水門開かないわよ?」
冗談っぽく笑いながら言葉を発する彼女に僕が勝てるはずもなく、
彼女の申し出を素直に受けることにした。…ありがとう。
水門を抜けて僕達は滝の裏にある洞窟で探索を開始した。
洞窟奥深くに眠る水のリングを見つけた時、横にいたビアンカがつぶやいた。
「ごめんね。…ほんとはね、私がついていきたかったんだ。
だって結婚しちゃったら、こんな冒険もう出来ないでしょ…?」
一瞬憂いを帯びた声になっていたが、すぐにいつもの元気な彼女に戻っていた。
そんな姿を見た僕は子供の頃に彼女と過ごした日々を思い出していた。
その思い出は楽しいものばかりだった。それ故に僕を…切なくさせた。
ルドマンさんの屋敷では結婚式の準備が着々と進められていた。
僕に告げられた一言。
「君は素晴らしい人物のようだ。是非フローラの婿になってほしい。
…だけれど、君に好意を持っている人。君が好意を寄せる人もいるみたいだ。
今晩じっくり考えて君の答えを出しなさい」
そして、僕の肩を叩き付け加えた。
「なーに、君がフローラを選ばなくても結婚式は盛大に挙げるよ。
私は君が気に入ったからね」
その日、僕は人生で最も長く、そして最も短い夜を過ごした…。
翌日、ルドマンさんの部屋には二人の女性が並んでいた。
フローラとビアンカだ。デボラはいなかった。
元々はフローラの結婚相手を募集していたし、デボラも結婚には乗り気ではなかった。
こうなるのは当然といえば当然だと言えた。
「さぁ、カズ。お前が出した答えは…」
「ちょっと待ちなさいよ!」
ルドマンさんの声を掻き消すように声が飛んできた。
デボラだった。
「パパの出した条件を軽々とクリアするなんて、どうやらただの馬の骨ってわけじゃなさそうね。
いいわ。アンタ、私の結婚相手として認めてあげる」
突然の乱入に部屋内に居た全ての人物が驚いていたようだった。
ただ一人。僕を除いて。
何故なら、悩みに悩んで僕の出した答え。
僕が選んだ花嫁はデボラだったから。
強気で、自分の気持ちをはっきりと伝える彼女。
僕が持っていない魅力にいつの間にか僕は惹かれていた。
だから、僕は彼女をパートナーに選んだ。
その場に居合わせた人たちはもちろん、サラボナの町に住む人たち全てが驚いていたけれども
最後には僕達を祝福してくれた。
船上でおこなわれた結婚式。
誓いのくちづけを終えた僕の耳元で彼女はつぶやいた。
「私を選ぶなんて、なかなか見る目があるじゃない。
私を選んだからには絶対に幸せにしなさい。アンタにはその義務があるのよ。
そうしてくれたら私もアンタを…幸せにしてあげるわよ」
デボラがつぶやいた最後の一言は
聞き取れないほど小さかったけれど、僕にははっきりと聞き取ることができた。
Next Story is 第五話 「 偉大なる父の国 」
■プレイの近況とか感想とか
そんなわけで、デボラに
これをどんな風にプレイ日記に反映させたら自然な流れになるのか…と苦心しながら書いてみました。
読者の方が不自然に思わなかったら嬉しいのですが。
デボラの初期武器は二回攻撃が出来る優れものであり、中々使えます。
補助呪文もラリホー、ルカナン、バイキルトと揃っている感じがします。
このまま成長を続けていったらどうなるのか楽しみですね。














